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【私的感想】VS KAA Gent UEFA Conference League 10月3日

10月3日に行われたUEFAカンファレンスリーグのKAAヘント戦のマッチレビューをしていきます。

スコア:CHE(4)-KAA(2)

得点者CHE:ヴェイガ、ネト、エンクンク、デューズバリーホール
得点者KAA:ワタナベ、ジェンドルマン
この試合が、カンファレンスリーグ本戦の初戦となった両チーム。
優勝候補のチェルシーが難なく勝利を収める形となった。

MOM:レナト・ヴェイガ

マンオブザマッチは、レナト・ヴェイガに贈りたい。
本職ではない、左サイドバッグでの出場となったが今シーズンは左サイドバックでの起用がメインになると考えられる。リーグ戦ではククレジャが圧倒的なパフォーマンスを続けている中、ヴェイガにはククレジャにはない、フィジカルな部分を持っており、偽サイドバックとして中盤のフィルター役からサイドの対人守備までミスらしいミスはなかった。その上で、ムドリクに向けて出すスルーパスの精度も高く、攻撃面ではムドリクのクロスにヘディングで合わせて貴重な先制点をもたらすなど攻守両面において活躍した。
終盤では、攻撃参加の裏を突かれて、危険なシーンもあったので今後の改善に期待したい。

1点目:レナト・ヴェイガ(CHE)

ムドリクが左サイドから中に入りながらドリブル。ネトに向けてスルーパスを出すが、タイミングが合わずカットされる。クリアボールをディサシがインターセプト。そこからパスを受けたデューズバリーホールが右サイドに残っていてフリーになっていたムドリクにスルーパス。中にはエンクンクとフェリックスがいたが、どちらもマイナスに構えており相手ディフェンダーもそちらにつられていた。そこに大外からヴェイガが飛び込んでおり、ムドリクもヴェイガに向けてクロス。このクロスをヴェイガがドンピシャで押し込み先制に成功。空いたスペースに走り込めたヴェイガと、精度の高いクロスをあげたムドリク。相手のクリアをカットしたディサシと攻守の切り替えからシュートまでのスピード感も早く、今季のサッカーを象徴する得点だった。

2点目:ペドロ・ネト(CHE)

キックオフの流れからディフェンスラインでボールを回していたところ、ディサシにボールが回ってくる。ネトも足元で受ける素振りを見せており、ディサシも体の向きをネトの足元に出す向きにしていた。そこからネトが裏をとると同時にディサシから素晴らしいフィード。ネトが抜け出し右足を振り抜いて後半開始早々に追加点を取ることに成功した。今シーズンはこのようなタイミングの良い時間帯に点が取れていることが好調の要因の一つと言えそうだ。ディサシのフィードに関しては、昨シーズンから随所に見せており、縦にパスをつける能力は非常に高いと言える。まれにミスも目立つがここは昨シーズンから評価されている部分だ。

1点目:ワタナベ(KAA)

コーナーキックからこぼれたボールをグジョンセンがクロス。そこにワタナベが頭で合わせて1点差に詰め寄るゴールを決めた。チェルシーとしては、昨シーズンから課題のセットプレーやクロス対応の部分が如実に出てしまった。ボールがグジョンセンにこぼれた際、ほぼ全ての選手がボールウォッチャーになってしまっており、ファーサイドにはヘントの選手がガラ空きの状態。運良くオフサイドが取れれば良かったのだが、そううまくはいかず。
今後の改善に期待したい。

3点目:クリストファー・エンクンク(CHE)

コーナーキックのこぼれ球をアダラバイヨがヴェイガに繋ぎ、ヴェイガがドリブル。少し長くなってしまったところに後ろからエンクンクが飛び込んで右足を振り抜く。キーパー正面だったが、力で押し込んだ。コーナーキックに関しては今シーズンからセットプレーコーチを雇い、力を入れているようだがなかなか直接ゴールにつながらない。今回のセットプレーもどんな意図があったのか全くわからないが、ゴールにつながったので目を瞑っておこう。今後強豪との試合ではセットプレーが鍵を握ってくることも考えられるので、以前のようにディフェンスが点を取るチェルシーが観れると嬉しい。

4点目:キーナン・デューズバリーホール(CHE)

バディアシルからの楔のパスを受けたジョアン・フェリックスがワンタッチで前を向く。対するCBと少しスペースができた際に、エンクンクが相手CBの裏を取り、フェリックスがスルーパスを送る。このパスは惜しくも相手CBにカットされるが、こぼれ球をデューズバリーホールが押し込み追加点。
この試合、パスミスも多かったバディアシルだが、この場面では良い楔のパスを差し込むことに成功。フェリックスもワンタッチで前を向く力はさすがだ。デューズバリーホールは移籍後初ゴール。レスターでマレスカの元輝いた選手はチェルシーに来て選手層の厚さに出場機会が限られている状態だが、この試合は通してみると非常に気の利いたポジショニングや、決定機につながる繋ぎのプレイができており、システム理解度の高さを示した。

2点目:ジェンドルマン(KAA)

相手CBからのフィードが右サイドにいる選手に通る。この時点でヴェイガが偽サイドバックの位置から戻れておらず、遅れてCBのバディアシルが対応。ただ、寄せが甘く、簡単に中に折り返される。そこにアダラバイヨが対応するも、シュートコースを切りに行ったことにより、さらにマイナスにフリーの選手が2名生まれてしまった。この日2度目のボランチ起用となったカサデイもスペースを埋めることができず、失点。大量リードの試合終盤で集中力が切れていたのがもろに失点に繋がってしまった形だ。

各選手の評価 (10点満点)

フィリップ・ヨルゲンセン 6.5

2失点してしまったものの、失点については、フリーでのシュートのため、止めることのほうが難易度は高かっただろう。ビルドアップ面は不安なく対応ができており、大きく評価を下げることはない。ただ、特別良いパフォーマンスとは言えない。

アクセル・ディサシ 7.5

1点目につながるインターセプトや、2点目のアシストなど得点に直結する重要なプレーもあり、高評価。右サイドバックでの起用は慣れていない中、この日は大きなミスもなく、プレーができていた。相手がウイングで足の速い選手が多いため、今後の対人ディフェンスに関しては課題を感じる部分もある。

トシン・アダラバイヨ 6.5

可もなく不可もない安定したプレーを披露。時よりロングフィードでチャンスクリエイトもできており、カップ戦要員として非常に落ち着いたパフォーマンスができている。20日のリヴァプール戦では、フォファナの出場停止もあり、スタメン濃厚。活躍に期待したい。

ブノア・バディアシル 5.5

ビルドアップ面で不安を感じるプレーを連発。スタメンのコルウィルのパフォーマンスがずば抜けている分、控えとして不安を感じるパフォーマンスとなった。4点目につながる楔のようなパスも通せる選手ではあるが、判断力には疑問が残る。精度が上がれば良い選手となれるが今後はどうなるか。

レナト・ヴェイガ 8.5

MOMで説明した通り、攻守に大貢献。移籍時の期待値を考えると良い意味で大きな誤算だと言えるだろう。偽サイドバックとしてポジショニングには今後磨きがかかれば大化けする可能性も秘めている。

チェーザレ・カサデイ 7.0

今シーズンからボランチでの起用となったカサデイ。ワンタッチでのパス選択に迷いがなく、マレスカのシステムの理解度は高い印象を受ける。今後は展開力や、運びにも期待したいがまだそこのレベルには達していない印象。今後の成長に期待だ。

キーナン・デューズバリーホール 7.5

1ゴールを決め、移籍後初ゴールを記録。システムにもマッチしてきており、自分の役割を見つけてきた様子だ。レスター時代ほど攻撃のキーマンではないが、黒子役として、チームを助けている印象。シュートの場面に顔を出す能力はフェリックスにはない点で、同時期用は攻撃に重きを置きすぎる可能性はあるが、攻撃力は増している。

ジョアン・フェリックス 7.0

相変わらずの技術の高さで相手を翻弄しているが、ボールを持ち過ぎてしまう点はまだ改善が必要だ。ただ、守備にも走る姿勢もあり、守備で大きな穴になることはなかった。今後エンクンクとの連携をもっと取れれば、二人のポジションチェンジなどからチャンスを作ることもできるだろう。

ミハイロ・ムドリク 8.0

先制点のアシストを記録。相変わらず縦への突破力はサンチョにはない魅力だ。今後、左足からのクロスの精度が上がればアシストももっと増えてくるだろう。裏への抜け出しも多く、オフザボールの動きも改善されてきているので今後はスタメン争いも激しくなりそうだ。

ペドロ・ネト 8.0

貴重な2点目を記録。細かいタッチからのドリブルはマドゥエケとは違うタイプなので、相手ディフェンスに合わせて使い分けができるのは魅力的だ。また、得点に絡む能力が高く、特にゴールという結果が残せている点も魅力だ。

クリストファー・エンクンク 8.0

1ゴールを記録。ボックス内で仕事ができるタイプなので、試合中消えてしまう場面も多いが、結果としてゴールを記録できるあたりはさすがだ。
ただ、もう少し裏抜けの姿勢を見せることができれば、フェリックスが空く場面や相手のディフェンスラインを下げることもできるため、より攻撃の幅が広がるだろう。ジャクソンとの大きな差は周りを生かすことができるかという部分にあると思うので、ゴールという結果も魅力だが、周りを生かす動きもできるようになると、スタメンも見えてくるだろう。

まとめ

ヘントはカンファレンスリーグの中でも強豪の部類だ。その相手に対して危なげなく勝利できる(ターンオーバーもしつつ)レベルにあることは非常に嬉しい限りだ。今後は遠征も増えてくるため、コンディションを調整しつつ、アウェイでも結果が残せるようになればタイトルも期待できるだろう。
試合を通して気持ちの入ったプレーが見れるのはマレスカのスタメン争いをさせるマネジメントの効果も大きいだろう。サブ組もスタメンほどではないが、システムが浸透している印象があるので、今後のカップ戦も注目してみていきたい。



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