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新しい年をCREEKHALLで迎える。


CREEKHALLがついに完成した。

2023年12月24日に引き渡し。翌25日のクリスマスの日が引っ越し。ブラインドやカーテンレールの発注が遅れてしまい、外からは丸見えなのだが、なんとか寝泊まりできるように部屋は片付いた。

いま、音楽ホールの片隅でこれを書いている。二十畳ほどのなにもない空間。大小3種類のルーバーが縦に張り巡らされ、大きな窓枠が3つあり、壁は黄色に塗られている。ここにピアノが入り、椅子が並べられれば、僕らが夢見た音楽会が幕を上げる。
 
思えば、福岡で生まれ、東京近郊に長く住んだ僕が、自分で土地を購入して家を建てたのは初めてのこと(もちろん、彼女の協力なしには実現しなかったのだけれど)。札幌に移ってもこれまでは賃貸マンション。でもこれからは違う。北海道の土地に根差し、雪が降れば自分で雪かきもして、この大地に自らの足跡を残さなければいけない。

それはひとつの覚悟のようなものだ。
 
極北の自然を撮り続け、クマに襲われて亡くなった写真家・星野道夫の最後のエッセイ集をいま読んでいる。

その中に、アラスカの森の中に丸太小屋の家を初めて建てたとき、自分はもう一度アラスカの自然と向き合う決心をしたという文章があった。

まさに僕も同じ気持ちだ。アラスカほど過酷ではないにしても、氷点下の環境が自分の中で眠る野生を呼び起こしてくれそうな気がしている。
 
札幌は年末から気温が下がり、大雪が降って交通網は混乱した。外に出していた自転車は雪と氷に埋まって、救出するのに1時間近くもかかってしまった。昨日は発寒神社に初詣。マイナス4度の屋外で並んでいると、芯から体が冷えた。

それもこれも札幌の冬。僕はこの新しいホールとともにそれらをすべて受け入れたいと願っている。
 
ホールの写真は今月中に開設するHPでお披露目する予定。3月31日のこけら落とし公演の詳細も、そのときには発表できるはずだ。

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