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鈴木寿
2022年9月30日 09:51
風が吹き、木々が揺れている。私は、家の近くの公園を散歩していた。上を見上げると、夏の日差しを浴びた緑の葉は黄金色に光り、青い空が垣間見える。蝉の鳴き声が聞こえる。一歩一歩踏み出す度に額から汗が流れる。ときどきハンカチを取り出して拭う。 大きな広場の前を通ると、多くの小さな子供がアスレチック広場で遊んでいた。高い声が響き渡っている。近くに親が見守っていた。無邪気にはしゃいでいる姿を見ると、自分も童
2022年9月29日 08:11
ある日の夜、わたしは自分の部屋の机に向かって小説を書いていた。一段落ついて、一息ついたあと、椅子から立ち上がって後ろを振り向くと少年がいた。わたしのことをじっと見ている。「こんばんわ」 わたしは、彼に声を掛けた。十歳くらいの少年である。何も反応しない。ちょうど、リビングに向かう出入り口のドアの前に立っているので、わたしは部屋を出ることが出来ない。「そんなところに、なぜいるの? ここは