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心理的安全性って言葉の一人歩き

少し前のことですが自分の周りで心理的安全性が低いなーと思える時期がありました。

心理的安全性が何かというのはちょっと調べればたくさんの記事がHitすると思うので記載は省きます。

そんなこんなで僕個人としてはSlackに絵文字をたくさん追加してリアクションしやすい文化にしたり、あえてフォーマルな場所でふざけてみて(常識の範囲で)発言しやすい空気などを作ったりしてたのですが、割とその状況がある種の完成形みたいな形で伝搬してしまったのではないか?というところにモヤモヤしてます。

言葉のイメージから勘違いが起きるのかもしれないけど、和気あいあいとかみんな仲良くみたいな雰囲気がそれにあたると思ってる人が多い印象なんですが、僕が思う心理的安全性は言いたいことを言える雰囲気です。

上記で書かれていることなのですが特に共感できた内容が以下です。

エドモンドソンの著作や発言をみると、彼女の問題意識の源は、医療ミスやスペースシャトルの打ち上げ失敗、鉱山での岩盤脱落事故への対処など、危機的状況において、率直に意見がなされないことで解決策が出なかったり、ミスが起こってしまったりすることでした。
重要な場面で、もしも間違ったことを言えば否定されるのは当然です。悠長なことを言っている場合ではなく、否定しないと事故や問題が起こります。それなのに、「意見を否定すること」だけで、即座に「心理的安全性がない」ことになるのでしょうか。
エドモンドソンの言う「心理的安全性」とは、罰を受けたり(punished)辱められたり(humiliated)しないということです。意見を受け入れたり、共感したりするとまでは言っていません。
「心理的安全性」とは、重要な場面や危機的な場面において、最高の効果を発揮するチームを作るために必要な信頼関係と言ってもよいかもしれません。それは、けして「やさしい職場」ではないでしょう。
むしろ、「厳しく強い職場」と言った方が適切に思えます。大きな課題を抱えピリピリした雰囲気の中、間違いを恐れずビシビシ意見を言い合う。バカにするとかしないとか、そういうマウンティングの取り合いではなく、意見の内容だけに焦点を当てて、ガツガツ議論しあう。よい意見はよい意見、ダメな意見はダメな意見、それ以上でも以下でもない。まさにプロ同士の真剣な職場というイメージです。

信頼関係を作る前だと、発言内容以前に(なんでこの人はこんなひどいことを言うのだろうか・・・)などの余計な考えが浮かんでしまうと思うのですが、ちゃんと僕と言う人物像がインプットされてれば(意味もなくこういうことをいうはずないな)と思ってもらえて議論したい内容にフォーカスできると思ってるからです。

それでもって、その信頼関係っていうのは、まぁ「すごく馬が合う」とか、「長く一緒に働く」ってことでも得られるかもしれないですが、厳しい意見のやりとりを潜り抜けた関係性が本物だなと思ってるってのがあります。


唐突ですが、僕は週刊少年ジャンプだけじゃなくてジャンプ+(通称ジャンプラ)も大好きなのですが、『天神-TENJIN-』という漫画も大好きでして、中でも特に痺れたシーンがこれなのですが

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『天神-TENJIN-』は航空自衛隊のお話で、主人公の「坂上陸」の訓練生時代〜プロのパイロットになるまでを描いた漫画なのですが、かつてのライバルで後の相棒となる「高岡」がチームメイトの「笹木」に対して編隊飛行(2機で飛ぶ訓練)で自分の指示に従わなかったことを責め立てます。

笹木と高岡は陸と出会うよりも前からのチームメイトで立場も同等なのである意味高岡は自分の意見を言っているだけなので間違ったことをしてるわけではないと思います。(リーダーに従うのは絶対だというところには異議ありだけど)

それに対して陸が言ったことがこれ

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もちろん高岡を否定するでもなく、お願いしているしコミュニケーションが大切なのも最もであるが、これを馴れ合いと呼ぶ高岡の気持ちもわからなくはない。


話が進んで、陸は順調にパイロットとしてのスタートを切り始め、実力も認められ 戦競(戦技競技会)なるものに参加することになりました。

戦競は4人で出場し、陸、笹木+先輩2名と参加するんだけど、そのうちの1人が、1枚目画像のイケメン先輩、ホッパー(本名忘れたけどTACネームというものがあるらしくそれで呼び合っているみたいです)です。

陸はホッパーとの距離感の掴みかたにあぐねいてて、また心の中でホッパーはどことなく高岡に似ていると思ってる描写があるので、これは想像だけど上記の高岡に対するやりとりを思い浮かべながら話かけたんじゃないかなと思ってます

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そんなことを見越してかわからないけど、

チーム=飯食う、風呂入る=馴れ合い

みたいな感覚の陸が

しかも「部隊の戦力になりたい」と軽々しく言ってるように聞こえたのではないのかなと。


で、何が言いたいの?って感じですが、

僕が思うのは心理的安全性を高めるには信頼関係が必要だけど、本当の信頼関係とは厳しいことでも言い合える関係性なので、そうなるとその過程をどうするかはすごく難しく、仕事で言えば「今日からあなたたちと私でプロジェクトを進めます。そうです私たちはチームです」なんてなったとしても

「今日からおれらはチームだぜ!飯食おう!酒飲もう!風呂入ろう!」

「おれらはチームなんだからなんでも気兼ねなく言い合おう!おれも指摘しまくるぜ!!」

みたいにすぐになれるわけもなく、そういった意味でも「チームを軽く見るなよ」というホッパーの言葉はとても痺れるものでした。


とはいえ・・・新入社員の方や新しくプロジェクトに参画するメンバーは必ずといっていいほど「早くお力になれるように頑張ります」みたいなことを言うけど、ホッパー的にはチームを軽く見てるということになるのか・・・?

「皆様と一緒に様々な経験を積みながら、1日でも早くチームの一員として実績を出せるように、精一杯頑張ります。」みたいなのがいいのだろうか・・・

所詮言葉だしこれはよくわからんな。


ちなみに、新入社員の方がどうやって信頼を築いていけばいいのかというのはこれまたジャンプ漫画の「食戟のソーマ」にて幸平 創真くんが体現してくれているので近々それについても書いてみたいと思います。

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