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Q.先生、犬が好きなだけでも、起業できるんですか?

前からのつづき

久しぶりにゆうきくんが私のところにやってきた。

ゆうき君
先生、このまえ僕に、大切なものを持っているか?って聞いたと思うんです。
大切にしたいものなんて、誰でもあると思うんです。
でも、それが起業とどうつながるんですか?

中島
たしかに、大切にしたいことを持っているだけでは、起業とはあまり関係ないかもしれない。
でも、なぜ大切なんだろう?好き何だろう?とか、大人になってからもまだあるのかな?とか、作ることに誰がどうやって関わっているんだろう?…といったことを深掘りしていくと、何かきっかけが見つかって自分でアクションをする人も多いんだよ。

> 彼は、どこか不満そうな顔をしている

ゆうき君
先日は、柴犬や虫の話をしましたよね。
それをビジネスにするなら、やっぱりペットショップくらいしか思いつきません。
本当に犬が好きなだけで、起業なんてできるんですか?

中島
犬と遊んで楽しんでいるだけではちょっと難しいかもしれないけれど、犬のことを大切だと思う気持ちがどこから来るのか、ペットについてどう感じるのかなど、過去や未来、社会や経済と繋げて考えると、何か見つかるかもしれないよ。

ゆうき君
うーん、、、社会とか経済とか、ちょっと難しそうだなぁ。。。。

> 彼は、困った顔をしてしまった。
ちょっとわかりやすく質問をしてみようと思う。

中島
そういえば、ゆうきくんは家で犬を飼っているの?

ゆうき君
いえ、家族でマンションに住んでいるので飼えません。
でもいつか一人暮らしをしたら、絶対に柴犬を飼いたいです。
豆柴がいいです。

中島
それは夢があっていいね。

ゆうき君
いま先生は、夢って言いましたね。
夢なんかじゃくて、いつか飼うんです。

中島
ごめんごめん、「夢」ってのは軽く聞こえたのかな・・・

> なんだか自分の学生時代を見ているようだ。夢と聞かれるだけで反発してた自分も、同じようなことを言っていた。
でも、彼自身が夢じゃないと反応したのは、とても面白い。

中島
では、一人暮らしを始める時になったら、犬を飼うために君は何から始める?

ゆうき君
そうですね、まず、ペット可能なマンションを探します。
散歩ができる公園が近くにあるといいですね。

中島
他には?

ゆうき君
あとは、室内で暮らせるように、ゲージとか、ドッグフードとか、それを入れる器とか、首輪とか、リードとか・・・

中島
犬と暮らすにもいろいろとあるんですね。

ゆうき君
そうなんです。病気になることだってあるから、病院も調べておかないといけないし、最近ではペット保険もあるみたいです。まあ、家族ですから。

> ペットショップしか思いつかなかったのに、色々なことに気付いたようだ。

ゆうき君
でも、ペットが飼うと困ることがひとつあるんです。

中島
何が困るの?

ゆうき君
旅行に行けないんです。

中島
確かにね。うちも飼いたいけれど、やっぱりそこがネックだよね。

ゆうき君
僕は旅行が大好きなんですよね。ですから、行くなら一緒に行きたい。
旅行先で一緒に泊まれる宿も最近では多いみたいですが、やっぱり行き先が限られちゃいますしね。海外だとしばらく空港で預けられるみたいですし。
ペットホテルもありますが、知らないところに預けられるのを想像するだけで、ちょっと可哀想になってしまいます。

中島
何かいい方法はないのかね〜

ゆうき君
僕は、ペットメインの旅行とか企画したら面白いと思うんですよね。
たとえば、ペットの家をつくるDIYツアーとか、ペットフードを入れる器をつくるツアーとか、ペットの写真が映えるフォトスポットがたくさんあるツアーとか・・・

中島
おお、いいじゃない!
ペット好きのための専門旅行会社とか、あるのかなー

ゆうき君
たしかにそういうことを、考える人はいるかもしれませんね。
何だか楽しそうです。ちょっといろいろ調べてみます。じゃ、先生また!

> ゆうき君はまた今日も、どこかに行ってしまった。
でも、ペットと旅行の掛け合わせで、何か見つけるのも面白い視点ですね。

実は大切にしたいものや好きなものは、以外といろいろなことを知っている。

大切にしたいからこそ、何とかしたいと考えることもあるし、
大切にしたいからこそ、違和感のあることに気づけるもの。

何も知らない人から見れば、立派な専門家。

本人はそれに気づかないんですけどね。


つづく