お店のはじまりと、貴重な出会いの数々
エシカル/フェアトレードのお店を始めます。
その機会は、突然やってきました。
そして、怒濤の毎日がはじまり、そして、オープンまで1ヶ月となった3月10日。
プレスリリースを配信しました。
メーカーも店舗もこれまでのビジネスでやっていたものの、自分がゼロから主体となってやっていくのは、さすがに初めてです。
このお店のはじまり、そして進める中で不思議な出会いと繫がりが生まれています。
このひとつひとつの貴重なできごとと、このお店がどんなところに向かうのかを、記録しておきたいと思います。
ステキなフェアトレードのお店との出会い
フェアトレードコインを始めた7月。
フェアトレードやエシカルの話をする中で、とても共感することが増えます。
社会にいろいろと愕然とすることはあるけれど、その一方でステキな人がこんなにたくさんいるんだという希望が僕の中に生まれ、そしてこんな人達と仕事がしたい、一緒にいい社会を作りたい気持ちが強くなります。
そんな中でお会いしたひとり、シサム工房の水野さん。
同年代で少しお兄さん、この世界では大先輩です。
ものすごいポジティブ、そして寛容、フェアトレードへの想いは強く、そして僕らのような業界外の人を受け入れてくれました。
こんなステキなメッセージをいただき、そしてよくわからない電子コインを面白いと言ってくれて、6店舗に導入いただいて始まりました。
起業家支援では私が励ます側ですが、起業家の私は水野さんにどれほど励まされたことか・・・
スタッフの方もとってもステキで、みなさん、笑顔と優しさに溢れています。
フェアトレードで原点に帰る
フェアトレードのお店をどうやったら応援できるか・・・何が求められているのかということを考える毎日です。
お店のことを知り、メーカーのことを知り、フェアトレードラベルのことやNGOや海外のことを知り・・・・知っていくと、やっぱり心が動きます。
サスティナブル・ストーリーという社名は、「持続可能な物語をみんなで描こう」という想いでつけています。
安くて、性能が良いとか、そういった数字だけで表されるものではなく、物語を生きる私たちは、物語に興味を持ち惹かれ、商品を選択しています。
そして、動いた心がその価値を決めて、対価という形で値段が付けられます。
私たちが、安さや利便性だけで選んだ果てにある現代の市場。その先にある生産者にしわ寄せが行き、コスト削減の果てに生まれた商品で人体や環境に影響が出たり、生活が脅かされたりする人もいるわけです。
私はこの20年間、そうした社会課題を解決するビジネスをつくり経営者として関わり、起業家支援を行ってきましたが、フェアトレードの現状に出会ったときに、私の中での原点に帰ることができました。
起業家の支援、ラスト1マイルは、やっぱり市場
何百という起業家の支援をしてきた中で、やっぱり最後、商品を売ることを直接手伝うということは難しいことです。
私は経営戦略や経営管理などの面からのサポートが多く、現場でモノを代わり売ってあげることができません。代理店ではないので。
そう考えると、どれだけお膳立てしても、やっぱり最後の最後で、何が手伝えないことの空しさがあったのかもしれません。
お店を持つ話が出たときに最初に思ったことは、
ということです。
売る人を見つけたり、買う人を見つけたり、市場を作ったり、仕組みを作ったり・・・
単にアウトソーシングで代わりの仕事をするのではなく、一緒に事業ができるわけです。
そのために必要なのは、市場でした。
フェアトレードコインでつくる市場の中で、どんな形で仕組みが使えるかを実証実験するには、どうしても店舗が必要なのです。
どこかの店舗にお願いをしてリスクを背負ってもらうのは大変です。
だからあらゆる仕組みのトライアルができる実店舗で、お店の人と同じ目線に立ち、フェアトレードのメーカーや流通の方と一緒にお店の商品を取引することで、新しい使い方が見えてくると考えたのです。
そして、スタートアップや起業家がエシカルやフェアトレードの市場にサービスや商品を投入して実証実験していくために、やはり実店舗はとても必要です。
そんなわけで、突然やってきたお店の話に、一気に飛び乗りました。
そのお店は、JICA中部の中という、フェアトレードには最高の条件の場所になりました。