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アーティストが感じた設楽町 -石踊ミチ-

今回参加したアーティストたちは設楽町と関わる中で、それぞれが少しずつ変化をしていきました。その変化とは、作品への向き合い方だったり、これからを生きる価値観なのかもしれません。

そのきっかけとなる鍵は、設楽町の方々が日常だと思っているワンシーンにあります。

アーティストが設楽町でどんな発見をし、どんなことを考えたのか。アーティストへのインタビューから探っていきます。

かかしの違和感が自分にとって描きたい衝動を掻き立てた

設楽町を歩いていてビビッと目に止まったかかしの人形。そのかかしと出会ってから、石踊ミチのライブペイント構想は一気に変化をしました。

「普段はSNSや普通に歩いている時に見た特殊な何かに魅力を感じてそれをメモしておいて、引き出し的な感じで後でそれを描いたりすることが多いので今回もそれに似たものでした。

特にパワーワードを光景化させたもの(?)にビビッと来ます。珍しいものをスケッチすることもありますが、絶対あり得ないシチュエーションとか、混沌気味のシュールな言葉を自分で書き留めています。今回のかかしのポーズと場所のバランスが自分にとってかなり面白かったので純粋に描きたいなと思いました。」

大自然を前にしたライブペイントに多くの人が足を留める。彼女の絵は多くの人に気づきを与え、日常が少し面白く見えるような気づきを与えてくれる。

「かかしを描いて気が付いたことなんですが、地域の方にかかしをモチーフにしていますと言うとみんなああ〜!と気がついてくれる一方で「なぜ?」という表情をされているのが面白かったです。」

「どこにいても自分らしさを出すこと」が学びでした

そんな石踊ミチも作品制作をする上で沢山の悩みや葛藤があったという。

「はじめて設楽町に来た時に、ここの名物とか名所を作品にしようと思ってました。でも、実際に作品を考え始めたら、自分の表現したいことを作品にしている気がして。東京にいる時にこれでいいのかとすごく悩みました。でも設楽町に来たらこんな雄大な自然の中、作品の蛍光塗料などが異様な光景だったけど、どこか肯定できたんです。」

どこにでも馴染むことを大切にするんじゃなくて、どこにいても自分らしさを出す。自分を出すことを億劫だと思わないことが自分の学びです。 地元の鹿児島にいた時、自分は協調性がないからここにいたら浮いちゃうんじゃないかと思って東京に出ました。でも設楽町に来た時、都市部から設楽町に移住してきた人と話したらみんな芯を持っているなと感じました。まちのルールに合わせることは大切だけど、自分らしさは忘れない。どちらも無理しないでいられる関係が一番いいのかなと思っています。」

■石踊ミチの作品


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