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into the magic shop

'210228

読んだ本の感想を公開するのは初めて。

原題はinto the magic shop。邦題はスタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック。かなり長くなったね。

この本を知ったきっかけは、btsの曲、magic shop。この本を題材に作られていると知って、曲が大好きだった私は早速本屋で探した。見つけるや否や、私が好きな題名じゃないなあと思い、一度棚に戻す。「○○式」「○○の最高な〜〜」みたいな、そういうタイプの題名が付けられた本はあまり惹かれない。けれども、自分の大好きな曲のルーツになっているものだし、と思い、たまには買ってみるかと思い切る。

買ってから、読み終わるまで正直何度も泣いた。著者の幼少期のトラウマ、暗い過去みたいなものが生々しすぎた。きっとこの少年は家族の目をまともに見たことなかったんだろうな。目が合ったら何かされたり、何か嫌なことが起こったりするかもしれないから。

内容としては、東洋で古くから伝わる「マジック」を、ルースという人物が数週間でジェームズという少年に教えるもの。そして、そのマジックを手に入れた彼がその後の人生をどのように歩むか、何を学んだかを自伝的に著したもの。

家族に対する惨めな思い、自分は一生このままだという自分自身への呪い。アルコール依存症の父親がまた警察にお世話になった時、「それでも僕は迎えにいく。僕の父親だから」というところに、父親だから、母親だからという言葉だけで、他の最もらしい理由はいらないんだなと気づいた。

心臓には心があって、脳が心臓に信号を送るよりもはるかに多くの信号を心臓が脳に送っているという事実には驚いた。心臓は血液を送っているだけだと思っていたけど、心臓にも知性があるなんて、自分の体なのに、知らないことばっかりだった。

ジェームズが家ではなくて、ルースの部屋に安らぎを感じられたように、幼少期の私は祖母の家で暖かい緑茶を飲みながら、大好きなおせんべいを、祖母と一緒に食べるのが好きだったのを突如思い出した。その頃から緑色の湯呑みが好きだった。

なんとなく暖かい緑茶が飲みたくなって、急須にお茶を入れた瞬間にその話がフラッシュバックしたっていうのが面白い。

仕事を始めて、知らず知らずのうちに心にストレスを抱えてしまっていることに気づけていないかもしれないけど、これからはこのマジックを実践できるようになって、昨日よりも去年よりももっと幸せに生きられたら良いなと思えた日でした。