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カナダ研修後、料理教室に駆け込んだ話

学生時代、夏休みをカナダ・バンクーバーで過ごしたことがありました。
大学のプログラムで、サイモンフレーザー大学(SFU)にて研修を受けるというもの。
SFUはカナダでも人気でレベルも高い大学(ホストファーザー談)とのことでした。

そんな研修に 英文科の学生に混じって私(情報科)も参加したのです。

ですが、当時在学していたのは地方も地方のFランク大学。
いきなりSFUの授業に混じれるわけもなく(そもそも大学も夏休み)、SFUの教室を借りて同じ大学のメンバーだけでプレゼンをしたり、ディスカッションをしたりするような内容でした。
フィールドトリップが無ければ、日本でOKな感じの研修内容とも言えたでしょう。

SFUの研修自体は微妙でしたが、初めての海外だったこともあって文化については学ぶことも多く、非常に充実した研修期間でした。お金さえあればもっと滞在したかったほど。

しかし、実は帰国した私が通い始めたのは英会話学校ではなくお料理教室でした。
ホームステイしている間、気の利いた料理が作れないことはおろか、手伝いすらままならない状態。
朝は自分で起きて勝手にご飯を食べて出かけるようにと言われていたのですが、何も作れないので 仕方なくパンを焼いて食べるだけ。

お昼も材料は買ってあげるから(食費はホームステイ費用に含まれている)、自分で作って持っていきな、といわれたものの、お弁当なんて一度も作ったことがないのでどうしたらいいのかわからない。
とりあえず米を炊いて、日系のスーパーで手に入れた「おむすび山」を混ぜておにぎりにする、というので精一杯。
毎日自分の「生きる力」の欠如に自信を無くすばかりでした。

「生きる力」とは、教職履修の時にさんざん言われていたキーワード。
まさかカナダで身に染みるとは。

もちろん、最後のお礼に日本食を作る、というベタな感謝の方法もできないまま帰国することとなりました。

結局、大学卒業後も外国で働く機会を得られず、日本にいても英語を使う職業に就いたこともなく、たまに旅行した時に家族が「おかーさん、実はすごい英語話せるのねー」くらいでしか発揮することのない私の英語力。

結婚も出産も早かったので、今となっては帰国してから料理教室に通ったのは間違ってはいなかったような気もします。少し悲しいけど。
そんなわけで、私の子どもには幼いころじゃないと身につかない英語の発音…ではなく、どこに行こうとも誇れるような特技(勉強以外の何か)と、自分のことは自分でできる力を持っていれば良い、と思っています。

そもそも英語はツールなので、話せるようになることがゴールではありません。英語を習得して何をしたいか、というところがはっきりしないとなかなか上達もしないように思います。
ちなみに私は中高で習う英語が無駄だとは思っていません。私は幼いころから英語を習っていたわけではないので、基礎は中高で習った英語です。学校の英語もきちんと学べば身になりますし、ALTの先生を捕まえて休み時間に多少の会話をすれば無料です。
そんな手法でやっていたら、大学でもカナダでも英文科の子より英語ができました(そもそも大学のレベルが…ごにょごにょ…なんだけど)。

あとは、日本人の国民性「シャイ」を直せばいいと思う。
この話はまた。

記事を読んでいただき、ありがとうございます。