日本語でソネットを書くということ その9 七五調ソネットをつくってみる
次は、韻は踏まずに七五調のソネットをつくってみました。
この詩は、七五調でありながら古臭さをなるだけ感じないように、ということを意識しました。以前述べた令和版新体詩風ソネットというのは、僕の中ではこんな感じです。
つくってみて感じたのですが、音律を揃えると、それはそれで単調さが生まれる気がします。この単調さは、新体詩がかつて批判された単調さと通じるものなのでしょう。
そこで、少し工夫をしてみました。
この詩は、前の「掃除夫」とは最後の6連のかたちが異なります。前半の8連は7-5, 7-5, 7-5, 7-5ときていたのですが、後半の6連は7, 5, 7-5にしているからです。実質的には7連なのかもしれませんが、こうすることによって、少し変化が生まれている気がします。どうでしょうか。
よく考えたら、短歌も5-7-5-7-7という、普通に考えたら複雑な構成をしています。それは、一定の音節で長く続けると単調に感じる、という日本語の特性から生み出されたものなのかもしれません。そんな特性があるのかどうかは分かりませんが。
もしかしたら日本語って、一定のリズムと一定の調子で長く続けると、段々意味が薄れていってしまう、そんな言語なのかもしれませんね。お笑い芸人が「間」というのを気にするのも、そういうことかもしれない。詩にも多分「間」があって、「間が悪い」ものや「間が抜けている」ものは、あまり良くない気がします。
なので、日本語ソネットも、たとえば七五調だからといってすべての連を7-5にする必要はないのでしょう。むしろ、それだと構造的に陳腐になるような、そんな気がします。たとえば、場所によって5-7だったり7-7だったり5-5だったりした方がいいのかもしれません。あるいは、最後の6連だけ6-6にするとか。
多分、短歌も5-7-5と7-7で分けることができるのでしょう。そこに何か構造的な意味があるのではないでしょうか。
ということで、実作編はここまで。あとは、たくさんたまったらまとめて詩集にしようと思います。
以上。終わり。
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