3人暮らしが甲府暮らしに

11月24日（水）
荷詰めは夕方の便。東京から山梨の引越しは日を跨ぐのだ。甲府駅のまわりはすごくホテルの価格が高くなっていたので、今夜は隣駅の旅館に1泊。21時過ぎに駅に着いたけれど、人がいない駅で、イルミネーションだけがピカピカしている。タクシーもいないねえ、と恋人と話していると、不意に見上げた夜空に星もピカピカ。ここは駅なのに、山奥から眺める空みたい。

11月25日（木）
旅館の大浴場は、7種が源泉掛け流し。こどもでも入られる36℃くらいのぬる湯から42℃のお湯まで。こどもが興奮して、ひとつのお風呂に入っては30秒で次のお風呂に飛び乗っている。こどもは「くるくる まわれるから」大浴場が好きだけれど、熱いお湯には入れないので、ここでは水を得た魚。
新居を日がな作りあげる。手伝いに飽きたこどもに「ねえねえ ピクニックするよ！」と呼ばれて2階に上がると、シーツやブランケットの上にぬいぐるみがたくさん座っている。3面窓なので、東向きの空、南向きの空、西向きの空からそれぞれ豊かな景色を眺めながらお茶をする。こどもは階段の踊り場に自分のコーナーをつくったり、ピクニックを完璧に準備したりするのが得意で、なんだか安心する。

11月26日（金）
大家さんの不手際でガスが通っていなかったので、今朝は温泉銭湯の「草津温泉」に。ラドン含有のお風呂が朝からきもちいい。こどもは湯上がりに200円のソフトクリームがたのしい形で巻かれて大興奮。銭湯の前の「RAN」も、看板が立っていた近くの「ずんちゃんパン」も気になる。でも急がなくていい、私たちは通りすがりの観光客じゃなくて甲府市民になるから、いつでも来て食べたらいいのだ。新しい街に心が躍っている。川沿いを並んで3つの影で遊びながら帰る。
夕方、恋人とこどもがシャンメリーを買ってくる。あたらしいこども園に通い始める日のお祝いに開けようと約束する。

11月27日（土）
引越ししたては洗濯をするのも何かたのしい。お散歩にと歩いていて、中くらいの神社があったのでお参りする。伝えた通りに、こどもは、ペコリとしたり「ささきしゅうです 甲府にきました よろしくおねがいします」と口に出したりしている。
甲府と東京の寒暖差に風邪を引いたようで、午後からソファで横になる。こどもに「ねえ ママァ ねながらでいいから上にきて きれいだよ」と教えてもらうと今日も夕日の橙が強くて美しい。

11月28日（日）
体調を崩している。恋人にも風邪がうつってしまったようだけれど、こどもは元気。2階建ての家で、夜、ベッドから顎を上げて見上げると夜空が見える。