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#20 恋文①

拝啓

僕達が出会った時のこと覚えてますか?

初めて2人が話したのは11月の終わり頃だったと思います。
当時の僕は、体調が非常に悪く大学を休学しようか本気で迷っていました。
そこで相談に乗ってくれていたのが貴方でしたね。

非常に優しく、親身になって相談に乗ってくれて非常に嬉しかったのと同時にあなたの声を聞いているだけで自分の悲観的な気持ちが浄化されていくような気持ちがしました。

この時からもっと貴方に逢いたい。声が聞きたい。そんな風に思うようになりました。

最初にデートへ誘ったのは僕からでしたね。
図書館で一緒に勉強をしました。
最初にデートの誘いをした所、1回断られました。
そこでやっぱり脈がないのかなと思っていたところ、折り返しの返事で空いている日にちを提案してくれましたね。
とても嬉しかったです。

後日、図書館で勉強を2人でしながら、一緒にラーメン屋に行きましたね。
そこのラーメン屋は今は無くなってしまいましたが、僕にとっては思い出の場所です。
なぜなら2人で初めて行ったご飯屋さんだから。

ここでは、色んな話をしたのを覚えています。
自分の体調の話。お互いの研究室配属について。生い立ち。好きなタイプなど...様々な事を話したね。

図書館に帰ってからも、勉強はそっちのけで話しました(話しても大丈夫なところでですよ)。
一般に、楽しい時間はあっという間に過ぎていくと言いますが、それはこの時の事を言うんだなと、ものすごく体感したのを覚えています。

図書館からは貴方の家まで一緒に帰りましたね。
僕は、少しでも貴方の側に居たかった。
あえてゆっくりのスピードで歩いたし、彼女の家の前で30分以上話したね。

そろそろ帰ろうかという時、貴方は自分の体調を気を使って、かぼちゃの煮物と手羽先の煮付けをくれましたね。
非常に嬉しかった。彼女の優しさに。

堪らず、また今度も勉強しようと貴方に言うと、笑いながら「私もしたい!」と言ってくれましたね。

貴方と家の前で別れ、自分のアパートまでの帰り道にある河川敷のベンチで、暫く夕暮れを見ながら今日のことを考えました。

彼女の勉強している横顔。彼女の笑った顔。彼女が話す声。彼女がくれたかぼちゃの煮物と手羽先の煮付け。デートにまた誘った時のあの返事と表情...。


初めてのデートで僕は貴方との恋に落ちました。


Date:2017/11/某日


続く。


#エッセイ #日記 #恋文

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