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【822イプシロン失敗 製造不備で配管詰まり 飛ばないロケットは弾詰まりの小銃以下】

≪昨年10月打ち上げに失敗した固体燃料ロケットイプシロン6号機について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は姿勢制御装置の推進剤タンクの製造に不備があったことが原因だったと結論づけた。4月18日に文部科学省の有識者会議で明らかにした。≫
 二度の失敗で技術大国ニッポン大丈夫かいなと国民は心配している。でもそういう弱気が国をダメにする。
ロケット打ち上げはどの国でもできるわけではないから、確実で安価な打ち上げ技術は、気象衛星、放送衛星などを打ち上げたいと国や企業向けのビジネスにもなる。ところが打ちあがらないのでは勝負にならない。さてどうしたものか。
考えるべきは、ロケットはミサイル運搬技術でもあることだ。
 世界はきな臭い。核ミサイルを実戦配備し、先制使用を公言している気のふれた(かに見える)独裁者が幾人もいる。彼らに核を撃たせない方法は多くない。その一つが、使用すると大量報復であんたと身内と取り巻きどもを吹き飛ばすぞと注意喚起すること。つまり核のバランスによる抑止である。
 遅かれ早かれわが日本もそうせざるを得なくなると大方の国民は、不承不承ながら覚悟を固めつつある。岸田総理の「世界から核をなくそう」という決意は論理的に正しいけれど、新しい技術を手に入れた者が見返りも圧力もないのに、自発的に放棄した例は多分人類史上ではない。
「戦争を避けたければ戦争の準備をせよ」との古代ギリシ哲人の言葉は今も真理である。
ところがだ。核爆弾を気がふれた独裁者の頭上に持って行くにはロケットがいる。そのロケットがいざとなった時点で、技術ミスで飛ばないというのでは忠告にならない。
 人工衛星なら「今回は失敗。また挑戦」で済むが、核ミサイルは今撃ち返すことができなければ、次の機会はない。
 確実に飛ぶ保証がなければ抑止力にならないのだ。なぜ飛ばないか。原因の一つは分かった。しかしほかにも不具合はあるかもしれない。きっとある。そうした穴を着実にふさぐには実験あるのみ。失敗を繰り返して技術は確実になる。北朝鮮が連日、核ミサイル用のロケット実権をしているのはそのためだ。
 日本政府とJAXAはどうする。「日本のロケットは欠陥品だから飛ぶとは限らない」と思われているうちは専守防衛にもならない。100%打ち上げ成功すると内外が認めるまで実験を繰り返すことだ。

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