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「ゲームライターになりたい」というあなたへ

僕はゲームライターを10年以上続けており、それなりの経歴を積んできた人間だといえるでしょう。そのせいか、たまに「ゲームライターになりたいのですが……」といった連絡をいただきます。

都度返信してもよいのですが、ほかのゲームライター志望の方のため、インターネット上にある程度は決定版的な記事を用意しておこうと考えました。参考になれば幸いです。

なお、本記事は後半に有料部分がありますが、基本的な部分は無料で読めるようにしてあります。興味がある方は有料部分もご覧ください(有料マガジン購読者の方は読めるようになっています)。

◆ゲームライターはおすすめしません

以前、IGN JAPANの記事にも書きましたが、ゲームライターになることはおすすめしません。

理由は次のとおり。職業としてきちんと成立しているとは言い難いからです。

・労力に対して原稿料が安い
・将来的な可能性がない
・仕事なので好きなゲームだけを遊べるわけではない
・競争率も高い

紙の時代は儲かったなんて話を聞いたことはありますが、Webメディアが増えた現在は仕事の単価も安く、かつ志望者が多すぎるため原稿料が安くなりがちです。

うまく軌道に乗ったとしても、その後に昇進するような立ち位置がありません。記事作成だけをやっていても爆発的な原稿料をもらえるようにはなりませんし、それどころか単価を上げても困るケースが多いと思います。

やるとするならば、安定した仕事を見つけたうえでの副業か、期間限定でちょっとやっておくくらいがベターでしょう。

◆でも、ゲームライターしている人いるじゃん?

ゲームライターとして活動している方で、それなりに儲けているであろう知人もいます。そういう人はたいてい「安定かつ儲けられるメイン業務」を抱えており、その能力をついでに活かす形でゲームライターをやっています。

仮にゲームライターで儲けるとすれば、より多くのゲームに興味を持ち、需要の高い記事を常に書ける必要があります。

たとえば英語・中国語圏といった大きな市場に精通しており(当然それらの言語も使える部類であり)、スマホ・家庭用ゲーム・PCの市場、あるいはゲーム開発や技術的な分野などあらゆる要素に詳しければ、ほかのゲームライターと差別化できる可能性は高いでしょう。しかしそれほどの能力がある人は、もっと違う仕事を選べるかと思いますし、仮にライターになったとしても単なるゲームライターにはならないと思います。

◆未経験でもゲームライターになれるんじゃないの?

とはいえ実際のところ、ゲームライターのスキルは人によってまちまちです。これはWebメディアの参入障壁が低く、ゆえにライターに求められる能力も低いケースが多いからと考えられます。

未経験でも問題なくライターになれるケースもありますし、場合によっては学生を歓迎しているケースもあります。「いかがでしたか?」ブログを書く人をライターにカウントするのであれば、特別なスキルは必要ないとすらいえます。

なので、ゲームライターになること自体は難しくありません。よって原稿料は安い。そして、なったところで将来がない。ゆえにおすすめはできないのです。

どこかの編集部に会社員として入るのであれば最初から編集者志望にすべきですし、複合的に食っていきたいのならばゲームライターだけを志望することはおかしいのです。

◆それでも、ゲームライターになりたいです!

ひとつ気をつけてほしいのが、「ゲームライターになりたいです!」と人に連絡する行為自体です。こういった純粋な考えを悪用する人もいます。

「ゲームライターになりたいなら仕事を紹介するよ」と言い、本当に業務を紹介してくれるケースがあります。しかし紹介されたのはいいものの、原稿料が異様に安かったり、まったく別の仕事に誘導されてしまうなんて話があります(というか僕が経験した話です。もちろん、良心的な人もいるはず)。

少なくとも僕が出会った良心的な方は、皆さん必ず「ゲームライターはやめておけ」と言ってくれました。やはり、おすすめはできません。

このように止めても聞かない人はいると思います。そういう方には、とりあえず『日本語の作文技術』を読んでください、としか言えません(ライター志望の方はこの手の本を読んでいると思いますが、念のため)。

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