~開港都市から始める~【日本の夜明けプロジェクト】SSDC事業創造デザインプログラム キックオフレポート
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~開港都市から始める~【日本の夜明けプロジェクト】SSDC事業創造デザインプログラム キックオフレポート

SSDC Media

こんにちは。SSDCチーフデザイナーの北村です。

一般社団法人社会システムデザインセンター(SSDC)ではテクノロジーで社会課題を解決するため活動をしています。

この記事は社会課題を解決する事業やプロジェクトに関わる方々のために開催内容をシェアさせていただく目的で書いています。

今回は、事業創造のプロセスを体験しながら実際に事業化まで行うことができる「事業創造デザインプログラム」の開催進捗として、2021年7月16日(金)に「~開港都市から始める~【日本の夜明けプロジェクト】」をテーマに実施した事業創造デザインプログラム キックオフの概要をレポートしていきます。

プログラム参加者は計49名。当初募集枠(24名)のなんと倍以上となるお申込みを頂きました。内訳は以下の通りです。

学生16名
慶應義塾大学、長崎大学、はこだて未来大学、明治学院大学、早稲田大学
SSDC法人正会員企業の社会人19名
兼松エレクトロニクス株式会社、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社、株式会社KPMG Ignition Tokyo、セグエグループ株式会社、都築電気株式会社、株式会社電通テック、株式会社TOKAIコミュニケーションズ、日本ビジネスシステムズ株式会社、日本マイクロソフト株式会社、レノボ・ジャパン合同会社
各地域の社会人14名
函館、横浜(OneMM、ミライスト)、新潟、神戸、長崎


テーマ概要およびプログラム概要紹介は以下の通りです。

主催:一般社団法人社会システムデザインセンター(SSDC)
後援:函館市、新潟県、新潟市、神戸市、横浜市デジタル統括本部、
   公立はこだて未来大学、慶応義塾大学岩尾俊兵研究会、
   明治学院大学岩尾俊兵ゼミ、新潟大学ベンチャリング・ラボ



■キックオフの目的とアジェンダ

キックオフの目的は「課題の原点を知ること」と「参加者同士が顔を合わせ、自らの原体験を共有すること」の2点。

以下のような流れで、前半の「サロン」では基調講演、後半の「Basicワークショップ」では、オープニングセッションを挟んだのち、参加者での対話を行いました。

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■基調講演:社会課題をDXで解決することの意義・ダイナミズム

今回、プロジェクト全体の座長には公立はこだて未来大学 理事長・学長でSSDC理事でもある片桐 恭弘 先生に就任頂き、今回のキックオフでも大きなテーマの提示を頂く運びとなりました。冒頭の基調講演としてお話いただいたのは「社会課題をDXで解決することの意義・ダイナミズム」。

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片桐先生からは、日本の夜明けプロジェクト参加者のみなさんに期待したいこととして、3つの視点を頂きました。

1)地域・現場への着目:地域から発想する。地域創生の視点
2)デジタル技術:もはや当たり前。Society5.0がトップダウンで広まるのを待つのではなく、傍観せずボトムアップから広げていく。「やってみてから、許可をとる」くらいの気概で
3)開港都市:未来を先取りする。外に開かれた開放性をもった都市。世界に広がる国際的な視点を持って活動することが大事。日本は北欧型(同じくらいの収入で幸福度高)を志向していくのもひとつの方向性。日本発で世界に繋がるものを。



■プログラムのねらい・ポイント・手法

本プログラムのねらい・ポイント・手法は以下の通りです。

ねらい
・社会課題、特に地域社会の課題に立脚し、市民・学生が中心となり、デジタル技術を用いてビジネス創出できるようにすること
ポイント
・「夢の実現(地域の魅力開発)」「社会課題の解決」どちらでもOK
・各都市でチームを組成していく(テーマごとに複数チームの可能性あり)
・既に扱いたいテーマがある場合それを尊重するが、興味を持つ人の参画を受け入れ頂きたい
事業創造デザインプログラムの手法
・デザイン思考・ジョブ理論・Lean Starupなどイノベーションのための手法を用いて、課題を見つけ、深堀し、素早く仮説検証していく



■セッション:社会課題を解決するDXの可能性・発想のヒント①Microsoft

キックオフ後半のオープニングセッションは、SSDC会員企業でもあり、日本のITをリードされている各社キーパーソンの方より、「社会課題を解決するDXの可能性・発想のヒント」について各社の取り組みをお話頂きました。


日本マイクロソフト株式会社 執行役員 最高技術責任者 榊原 彰 様

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・Microsoftはミッションを「地球上のすべての人々とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」と世界中で統一している
・世界で最も差し迫った課題をテクノロジーで解決するため、ファンドも組成。AI for XX (Health/Accessibility/Earth/Cultural Heritage/Humanitarian Action)

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・炭素除去に向けたアプローチも、2030年にはカーボンニュートラル、2050年にはカーボンネガティブを目指し、サプライチェーン上のパートナーを巻き込みながら動いている
・Covid-19などで職を失ってしまった人向けに、グローバルでのスキル教育プログラムを提供
具体的な取り組みとして…
・長崎における、MR(Mixed Reality)技術を活用した次世代オンライン遠隔診療システムの開発・提供→空間を超えるテクノロジー
・Soundscapeを用いた「音」の地図作り→モバイルアプリによる視覚障碍者の方のナビゲーション



■セッション:社会課題を解決するDXの可能性・発想のヒント②Google Cloud 

□グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 カスタマー・エンジニアリング上級執行役員 小池 裕幸 様

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Googleの社会的課題への取り組み例…
・Covid19感染予測
・都市の渋滞解決のため、GoogleのAPIを通して行政機関にデータ提供
・画像認識技術を使った、空き家や道路の陥没等の問題検出
・Environmental Insights Explorer : 温室効果ガスをGoogle地図データで算出

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Googleのカルチャー
・イノベーションはひとりの天才から生まれるのではない。多様な人材で構成される
・5つの特徴:1)初めから完璧を求めない、2)不可能と決めつけない、3)ユーザーに焦点を絞る、4)共有はアイデアを生む、5)データを基に、考える
Think 10x:「10%より10倍」で考える
Think big, Start small:志は大きく、スタートは小さく
Share everything you can:コミュニケーションはオープンにすべて共有

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■セッション:社会課題を解決するDXの可能性・発想のヒント③KPMG

□株式会社KPMG Ignition Tokyo 取締役 ソリューション担当 パートナーティム デンリ 様

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変化について
・KPMG Ignition Tokyo:「変化を着火する」カタリスト組織として活動
・25年前のMicrosoftのビジョン「すべての家庭にパソコンを」→あっという間に世の中が変わってきた。
・私たちはどのようにそうした変化を利用して世の中をより良くしていくか
・トップダウンでやらなければならないモノもあるが、現場から出てきた発想を活かしてボトムアップしたい
・・世の中がディスラプト(破壊)されていく中で、変化は必ず伴う。変化に対応できる発想を!!
大きな課題
・トップとボトムの間にあるカベをなくす
・夢を描き、他の人に当ててみる中で、それが変化してより良いものになっていく
・10倍を生み出す発想で考える

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ダイバーシティ
・様々なバックグラウンドの方による発想により、いろんなアイデアを生み出していける
・今回のプログラムも多様な所属の人が集まっているので、ぜひ活かしてほしい
技術を使った発想について
・技術を使った発想は、技術屋ではなくアナログなところから出てくる
・個人として、市民として、様々な技術を掛け合わせたらどうなるか?…を考えていく
・この10数年で、個人視点(Individuality)が非常に大きくなってきた。100万人のマーケットから、100万個のマーケットへ。個別カスタマイズが進展



■セッション:社会課題を解決するDXの可能性・発想のヒント④質疑応答

オープニングセッション終盤では、質疑応答としてスピーチ頂いた榊原様・小池様・Tim様に対して参加者から様々な疑問をぶつけました。


質問:どのように発想するか?発想の原点、問題を見つけるための視点とは?

回答1)
・それぞれの都市で持っている課題をフィールドワークで探し、現場の視点・声を拾ってくる。課題を無理に見つけようとせずに、その都市のヒト中心で拾ってくることが大事

回答2)
・社会課題はステークホルダーが多様。全員の満足・期待を満たすものは難しい。ステークホルダーマネジメントが重要。優先順位付けをして一部の人の満足を満たしてから拡張していくという勇気がないとできない。早くリリースして改善していくことが重要。Leanの考え・手法もITの畑だけではなく、社会全体で実行していく

回答3)
・大学時代の友人の書籍『Stupid is new smart:馬鹿が新しい賢い』:自分のアイデアをダメにしてしまう思い込みはいらない。スマートフォンも、ソーシャルネットワークもそう
・どんなアイデアでも、実は面白い要素がある。何でもよいので言ってみる。相手をよく知る。相手の状態を理解し、話を聴き、観て、その人の靴を履いて歩いてみることがとても重要


質問)建前とホンネが違う国際的な取り組みはないか?

回答1)
・欧米ではSDGsなど、コロナの影響があるにせよ経営者の発想・意識が大きく切り替わってきている。企業などで循環するための取り組みが集中するようになっている。見せつけはダメという状態になっている

回答2)
インダストリーサイドではそうなってきているが、アメリカの場合政権が変わるとガラッと変わるので、政治の移り変わりでの揺り戻しがあるのも事実


質問)SDGsの文脈で持続的な開発をしながら、しっかり事業を成り立たせるには?

回答1)
・SDGsなど、単一のマーケットだけではビジネスが成り立たない。スコープが多岐に渡る…どのスコープでどれだけ効果を上げるか、社会全体の視野をEnd to Endに広げないといけない。

回答2)
・Green Premium:グリーンな製品をつくるにはコストがかかるが、そうしたコストを市場全体でどう回収していくかの視野拡張も必要

回答3)
・SDGsであることが競争のアドバンテージになるような社会になってきている

回答4)
・すべての産業においてカーボンを減らす…適用範囲は広い。発電に関しても旧来の火力・原子力など「重厚長大な発電・送電」から、それぞれの家で発電する分散的な考え方も議論が起こり始めている。世の中の動きに注目したい



■セッション:社会課題を解決するDXの可能性・発想のヒント⑤みなさんへのエール

オープニングセッションを頂いた榊原様、小池様、Tim様から、プログラム参加者へのエールメッセージを頂きました。


日本マイクロソフト株式会社 執行役員 最高技術責任者 榊原 彰 様
・日本人は、ルールに書かれていないとやっちゃいけないと思いがち。米中のようにスタートアップがドンドン生まれていく国は、ルールに書かれていないことはやっていいという発想・価値観。ドンドンやろう!


□グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 カスタマー・エンジニアリング上級執行役員 小池 裕幸 様
・リーンスタートアップの考え方を学ぶとともに、みなが同じ立場でアイデアを出し合うこと。チームには上下なく、お互いを尊重しながらやっていただきたい!


□株式会社KPMG Ignition Tokyo 取締役 ソリューション担当 パートナーティム デンリ 様

・日本に憧れて来日したときの想い。20数年前の日系企業、世界にレガシーをつくっていった。みなさんもレガシーを守りに入るのではなく、つくるところからスタートを!



■ブレイクアウトルーム①:参加目的の共有

オープニングセッションのあと、参加者のみなさんはブレイクアウトルームに分かれました。

1回目のブレイクアウトルームでは参加目的の共有を頂きました。
その一部を抜粋します。

・ゼロから生み出したい
・みんなとやる経験を味わいたい
・座学より実践をやってみたい
・会社でも地域創生のキーワードが上がっている。学び。ジョブ理論やデザイン思考などを実践したい
・地方は立ち上がる人が少ない。何かしたい
・システムエンジニア。デザイン思考、リーンなどを学びたい。地元が大阪。不便だなーという気持ちをアイデアにしたい
・エンジニア。開港都市横浜出身で川崎在住。新規ビジネスを考える機会多い。見様見真似を体系化したい
・3年前に函館へ。いろんな方はいるが盛り立てる人がいない。流出してしまう人も多いことに危機感
・企画開発・POC担当。地方創生のビジネスを志向。三重県の田舎が地元。東京一極集中のリスクを、日本に分散していけないか?
・神戸にちかい。東京一極集中への課題意識。開港都市を起点としたビジネスに興味。
・長崎。デザイン思考、ジョブ理論、本質的なDXを体験したい、高い志を持った社外のコミュニティに参加して、新しいビジネスの種を持ち帰りたい
・会社の紹介、事業創造のノウハウを学びたい
・生まれも育ちも横浜。1から作り上げる体験、発想力に欠けてると思うので磨きたい
・発想力を営業やスキルを持ち帰りたい
・会社からの紹介、いろいろな人の考え方を吸収したい



■ブレイクアウトルーム②:取り組みたいテーマの共有

2回目のブレイクアウトルームでは興味やゆかりのある都市別に分かれ、取り組みたいテーマの共有を頂きました。
(テーマについては7/30に行ったDay1にて、起案者からのプレゼンを行いました。そちらで詳細ご紹介します)

デザインプログラムキックオフ_日本の夜明けプロジェクトA2


キックオフのレポートは以上です。
参加者のみなさんはこのあと、約2か月半にわたりワークショップを通して事業アイデアを立案→仮説検証していきます。次回のレポートをお楽しみに!



■参考:一般社団法人社会システムデザインセンター(SSDC)

SSDC事業創造デザインプログラム キックオフレポート

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