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【体験レポ】ティラノサウルスレースで爆走してきた

今回、ティラノサウルスになりきって爆走する「ティラノサウルスレース」に参加してきた。27歳、人生初の挑戦。

出会いはX(旧Twitter)で見かけた開催告知のポスト。おもしろそ〜と思ったらもう興味が止まらず、そのまま応募した。参加費無料なのもハードルを下げた要因の一つだったと思う。これが一回3,000円とかだったら流石に見送っていた。

参加条件は「持参・予約・遵守」の3つ

参加するうえでまず注意すべきは、スーツは自前で用意する必要があるということ。レンタル前提で調べずにいくと、ホモサピエンスとしてティラノレースを見守るだけになる可能性がある。

今回自分が参加した「大島中の橋商店街」での大会だけの可能性もあるが、基本は「自分で用意して持参」と捉えておいていいと思う。5,000円くらいするし(たっけ〜〜)、これを数百名規模で運営側が用意するのは無理そう。

スーツ自体はAmazonで普通に買えるが、リンク貼るとステマみたいだから各々で調べてほしい。

届いたら一回部屋で膨らませてみよう。おもしろいから

あと、飛び入りもできない。実はこのレースは公認レースとして厳格にルールが定められているので、その辺りも厳しいらしい。以下を守れば心配はない。

  • ティラノサウルススーツを持参すること

  • 応募フォームから事前応募をすること(飛び入り不可)

  • 競技規定を守ること

レース申し込みまでの流れ

申し込み方法はGoogleフォームからの申請だけで、登録情報も簡単なものだけ。むしろティラノネーム(ペンネーム的なもの)を考えることに時間を費やした。

悩みに悩んだが、今回は「小林駿平ザウルス」に。1位に輝いたのち、自らの勇名を轟かせようという心づもりだ。ネットリテラシーの低さでライバルザウルスたちを慄かせていく。

なお登録後に何か細かい情報が届くというわけではなく、集合場所とタイムテーブルだけが共有された。このラフな感じが良い。

レース当日|集合〜灼熱の準備体操

当日現地に着いたら、まず受付で登録を済ませる。この際自分の本名を言えば良いのだが、はやる気持ちが抑えきれず「小林駿平ザウルスです」と大声で宣言してしまった。威勢の良さですでに周りをビビらせちゃったカナ?

順番待ちザウルス

その後はスーツにゼッケンを貼ってもらう。スタッフの方々が養生テープでしっかり貼ってくれるので、全力で走っても剥がれなさそう。

なんか嬉しい

なおこの時点で既に戦いは始まっており、参加者同士お互いのスーツをチェックし合っている。そして今回走る距離は約45m。コースの下見も欠かせない。

これはビギナーとしての所感だが、「スケルトン柄」「装飾付き」は明らかに格が違う感じがした。なんというか、生物としての強さを感じる。レースで当たれば間違いなく激戦になるだろう。

負けられねえ戦いだ

その後はラジオ体操の時間。ティラノサウルスといえど、中身は日頃運動不足に悩まされる大人が大半だ。怪我しないためにも、ここばかりは全員で協力して体操に取り組む……が、手足が短くてぜんぜん体操できない

外側から見たら「なんかわちゃわちゃしててかわい〜♡」と和む光景かもしれないが、中身の我々はもう必死。柔軟しないとレースで肉離れする可能性があるので、少しでも効果を得るために精一杯体を動かした。

わちゃわちゃ。中の人は必死だ

そしてもう一つ。このスーツ、めちゃくちゃ暑い。もうすぐ11月だというのに気温が24度近くまで上昇しているせいもある。隣のおじさんザウルスからは「苦しい……」という声も聞こえ始めていた。無理するな。地球を悩ます異常気象がこんなところで我々に牙を剥くとは。

窓が熱気で曇ってきた

そしてこれはスーツを着用してわかったことだが、たくさんの人に見られていることで「ティラノっぽい振る舞いでみんなを喜ばせたい」という思いが芽生え始めていた。手足をピョコピョコ動かしてウケをいただきたい━━。そんな思いもあり、汗をかきまくりながらも必死こいてラジオ体操第一に取り組んだ。

それぞれ思い思いに動いている

レース開始! 勝利条件は「恐怖に勝つ」こと

かなりの数のティラノが集まっているため、ゼッケンに割り振られた番号ごとに出走順番が割り振られた。大体15頭くらいが集められ、順次レースがスタートする仕組みだ。

気合は十分

41番の自分は第3走目になるので、それまでは別のザウルスたちの走りを眺めていたが、正直この時点で負けを確信していた。全員嘘みたいに早い。空気抵抗しかないスーツを着ているのに6秒台で走ってやがる。ゴール後にぶっ飛んで転がっている人までいる始末。恐怖心というものがないのか、こいつら。

速すぎる

恐怖に慄きザウルスになってしまったが、よくよく観察すると勝利している人の法則が見えてきた。前を見ていないんだ、この人たち。普通にゾッとした。

スーツには前が見えるように小窓がついているのだが、そもそもティラノサウルスと人の造形は違いすぎるので、スピードを出しすぎると頭が揺れて窓からの視界も遮られてしまう。そのためスピードをセーブして安全を確保するのが定石……と思っていたのだが、どうやら違うみたいだ。

この勝負は恐怖に打ち勝ったものが勝つ。やってやろうじゃん!

スタート地点の景色

位置についてからは左右に挨拶。クソ、明らかに自分より若い。さっそくハンデがついた。

出走前にはスタッフによる出走チェックが。公認レースということでスーツの着用などに問題がないかを確認されるのだが、全員OKということでいよいよ走り出す準備が整った。

スケルトン柄が隣に。やばいぞ

思えば最後に競走したのはいつだろう。もともと足が速いわけではなかったし、そんなにかけっこが好きなわけでもない子供だったが、ティラノサウルスになり再びかけっこをする未来が来るとは。人生おもれ〜。

逡巡している間にスタートの瞬間が来て、全力で一歩を踏み出した。勝つ! うお〜〜!

スタートから紫ザウルス転倒
転倒したザウルスに抜かされていますね
絶望の最下位

めちゃくちゃ負けた。ぐうの音も出ないくらい負けた。ビリッケツザウルス。全員速すぎるし、僕は遅すぎる。隣にいた自分より若い人が1位だったようで、6.7秒着だった。やれやれ、勝負にならないね(諦め)。

ティラノサウルスレースを終えて

抜け殻

結果は惨敗だったが、いい経験になった。着ぐるみを着て走り回るなんて今後ないかもしれないし、この経験が人生のどこかで活きるはずだ。今はそう信じたい。明日からの人生もこの日と地続きだから。

帰りは近くのジョナサンでどでかいステーキを食べた。最後までティラノサウルスとして過ごすことが大切だ。もし後に続く人がいるなら、それだけは覚えておいてほしい。

豪遊ザウルス


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