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小匙の書室3 ─invert II 覗き窓の死角 番外編─


 反転、再び──。

 帯に記された、その、たった一行。
相沢沙呼先生による城塚翡翠シリーズは現在のところ3冊刊行されており、本年11/15に『invert 城塚翡翠倒叙集』が講談社文庫様より発売されました。

 そして何と、同日、『invert II 覗き窓の死角』がaudiobook.jp様での配信も開始されました。

 ここ数年、読書は目だけでなく耳で楽しむ行為にもなっています。私は聴く読書を始めるまで、「読書なら目で感じたほうが情景を描きやすいのではないか……」と思っていたわけですが。
 作品をダウンロードして、瞼を閉じて、朗読の声に耳を澄ませる。
 するとどうでしょう。目で感じるのと同等、あるいはそれ以上に作品の情景の輪郭がくっきりとして脳裏に浮かび上がってくるじゃあありませんか。
 これはひとえに地の文が良い、という他に、

 ・声優さんの演技が素晴らしい。
 ・効果音やBGMが巧くマッチしている。


 というのも要因だと思います。

 さて。
 ようやくここで今回の記事のメインである『invert II 覗き窓の死角』の『番外編』に触れるわけですが。
 こちらがまさに、聴く読書の粋を集めている作品だな、と感じています。

 番外編では、城塚翡翠シリーズの血腥さから離れた、雇い主の城塚翡翠とその助手、千和崎真(通称ひすまこ)のなんてことのない日常(以下四篇)が描かれています。

 「🚗城塚翡翠のナビゲート🌃」
 「🦐城塚翡翠の B B Q☀️」
 「🎣城塚翡翠の渓流釣り🏞️」
 「🍨城塚翡翠の倒叙解説🍨」

 これら一つ一つについての感想は、私のXにて綴っております。
 が、やはりここでも、聴了した直後の衝動を書き連ねておきます。

 ・とにかく声優さんの演技が凄まじく、頭の中で翡翠と真が縦横無尽に動き回っている。

・二人のやりとりが清原紘先生(mediumのコミカライズを担当)のイラストで浮かび上がってきて、もはや聴く読書ではなくアニメを鑑賞している。

・どれも面白おかしくて、だけどひすまこの間で交わされる心の機微に「相沢先生の、この感情を丁寧に掬い上げる文章が好き」と改めて実感させられる。

 現在、YouTubeでは『城塚翡翠のナビゲート』が全編無料で公開されています。
 ※来年の2/14までのため、お見逃しなく!


 城塚翡翠シリーズはドラマ、オーディオブック、そしてコミカライズまで達成されています。
 すると残すはアニメだけ。
 相沢先生の夢でもある最後の一つが達成されることを、私も同じような気持ちで待ちたいです。
 それまで、ぜひ皆さんも、清原先生によるmediumのコミカライズを併せて味わっておきましょう。

 ↓以下より、試し読みができます✨

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