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小匙の書室73 偶然出逢う本


 小説との出逢いって色々ありますよね。

 例えばSNSで情報収集した結果であったり、ランキングや〇〇賞受賞で気になったり、書店でジャケ買いしたり、

 はたまた、好きな作家さんがオススメしていて興味を持ったり

 なんかこう、好きな人の趣味を一緒になって味わいたい、みたいな、まあそこまで執念的な意味合いがあるわけではないですけど、「この作家さんがオススメするからには、きっと今の活動のファクターになっているのかもしれない」「プロの方が絶賛するからにはハズレはないだろう、それが好きな作家さんによるものなら、私の琴線に触れるのかもしれない」……等と、思うわけです。

 で、こういう記事を書くってことはつまり、そういう出逢いが最近あった、というわけでですね。

 はい、こちら。
 潮谷験(代表作『スイッチ 悪意の実験』)先生のポストが、本記事の核にあります。
 潮谷先生はデビュー作の痺れるような面白さに惹かれ、そこからは新刊が出るたびに読んでいる(2月には『ミノタウロス現象』が刊行予定です)、私の中で好きな作家さんの一人です。
 そんな先生が、

 『一人称小説の最高峰

 と記されたら、絶賛していたら、気にならないわけがない。

 で、紹介されている作品が、

 乗代雄介 著
 旅する練習

 第34回三島由紀夫賞、第37回坪田譲治文学賞、ダブル受賞!
 第164回芥川賞候補作

〈あらすじ〉
 中学入学を前にしたサッカー少女と、小説家の叔父。
 コロナ禍で予定がなくなった春休み、ふたりは利根川沿いに、徒歩で千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅に出る。
 歩く、書く、蹴る――ロード・ノベルの傑作!

 読み終えて、声をあげるほど泣いた。
 大塚真祐子さん(文筆家・元書店員)

 「好きなこと」がなにかひとつでもある人に、絶対読んでほしい。
 金子由里奈さん(映画監督)

講談社BOOK倶楽部サイトより

 芥川賞候補で、かつ三島由紀夫賞と坪田譲治文学賞ダブル受賞、というだけでいかに本作が凄いのかがわかります。

 あらすじにもあるように、舞台はコロナ禍の中。
 そこで綴られるロード・ノベル。

 ロード・ノベルはあまり読んだことがないので、その意味でも本作を読んでみたいという気持ちがむくむくと湧き上がりました。
 それでもって、声をあげるほど泣いた、や、「好きなこと」が何かひとつでもある人に、という紹介文もいいですよね。

 最近、小説で泣くことも少なくなっているし(そもそもそうした作品を読んでいない)、「好きなこと」=読書があるから、「わぁ、これは絶対に刺さるぞ」と思っています。
 試し読みしてみたところ読みやすかったので、その点も安心。

 はてさて、どのような『最高峰』があるのか。
 週末に書店へ立ち寄るのが楽しみです。


 ここまでお読みくださりありがとうございました📚
 皆様も、作家さんのオススメで手に取った作品はありますか?

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