見出し画像

喜楽や希望で希死念慮は消えない

数日前に首を吊った

首を吊る二日前、起きた瞬間から呼吸をするように脳内でずっと「しにたい」が鳴り響いていた

気を紛らわせるために、外で歩いたり走ったり、冷気を感じながら夜空を眺めて深呼吸したりした。何かしていたら落ちつくだろうと思っていたが、全く消える気配がなかった

首を吊ろうか迷いながらクローゼットを開けたけれど、ちょうどいい吊るためのものが近くになく、めんどくさくなってやめた


首を吊る一日前、友達と春に会う約束をした好きなことに関する嬉しい刺激もあった
それでもまだ脳内で鳴り響いていた

首を吊る日、相も変わらず起きた瞬間から鳴り響いていた

とりあえず朝ご飯を食べたけれど、まだ鳴り響いていて、ずっと気がおかしくなりそうだった

今までに首吊りを3回試したことがあった
そのときは苦しさから、こんなの無理だと思った。きっと本気じゃなかったからだと思う

それならば、こんな今の自分の精神状態はどうなのかと思い、確認するためにしてみることを決めた


足早にベルトを持って来て、クローゼットのハンガーパイプにセットする。せっかくなら好きな曲を聴きながらしたいと思い、とても大好きで、何度も夜を共に過ごした曲を流した。スマホをベッドに放り投げて、ベルトに頭をくぐらせた


喉が押されているのを感じながら、徐々に顔が破裂しそうになる感覚がしてくる。なぜが今まで感じていた苦しさは、あまり感じなかった。思い返すと、残念なことにせっかくかけた音楽の印象が全くなかった


このとき、ハンガーパイプの高さを調節していなかったため、足を曲げた状態で吊られていた

また、使ったベルトが金具で調節するタイプではなく、通すだけのベルトを無理やり通し穴に押し込んで固定していたため、その部分が自重でどんどんずれていく音が気になってしまい、中断した

感想

正直、最中に「あ、いけるかも」と思った

もし、ちゃんと準備した上で実行していたらどうなっていたんだろう。数日前が命日だったかもしれないと思うと、不思議な気持ちになる


楽しい・嬉しい刺激があっても、未来に友達と会う約束があっても、希死念慮や自殺念慮を消失させることはできなかった

よく自殺した著名人に対して「なんで?」と言っている人を見る

確かに、数日後にはライブやイベントが控えていたり、仕事があって仲のいい友人や仲間、恋人、家族がいて、愛されている人がそうなっているのを見る

喜楽や希望で希死念慮は消えないのだろう
人間とは、なんて難儀な生き物なのだろうか

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?