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傷病手当金とは?(1)

傷病手当金は、病気やケガのため、しばらく仕事を休む場合に、申請するともらえるお金です。
休んでいる間の所得保障(生活費)の役割です。

風邪で数日休んだ際は、おそらく、有給休暇で対応している方が多いと思いますし、そもそも、そんなに長く会社は休めません!!という空気がある日本社会では、この傷病手当金の出番は少ないかもしれません。

さて、がんの治療は、入院して手術をしたり、通院して放射線治療や抗がん剤治療をしますので、治療のため仕事を休まざるおえなくなります。
生活費の心配をしながらでは、治療に専念できません。そんな時、是非、この傷病手当金を活用してください。

参考までに、
がんの入院日数の平均は17日くらいです。
治療期間は、1年未満が70%となってます。



傷病手当金をもらえる人は?
働いている方みんなが申請できるわけではありません。
公的な医療保険は、下記の①~⑤があり、どれかの保険に加入しているはずです(国民皆保険)

①組合健康保険:大企業で働く人とその家族
②協会けんぽ:中小企業で働く人とその家族③共済組合:公務員
④国民健康保険:自営業、フリーランス
⑤後期高齢者医療保険:75歳以上の高齢者

①、②、③の方、つまり、大企業のサラリーマン、中小企業のサラリーマン、公務員は、傷病手当金がもらえます。

養ってもらっている家族は、保険加入はしていますが、傷病手当金はもらえませんので注意してください。
また④の自営業者やフリーランスの方も、基本的には対象外です。

いくらもらえるの?
ここが1番気になるところですよね。
計算式はありますが、ざっくり総支給額(月給)の約65%くらいと覚えておけばいいと思います。
あとは、昇給や減給による保険料の変動や会社ごとの給料計算の方法で、多少の違いはあります。

いつまでもらえるの?
休んだはじめの3日間はもらえません(待期期間といいます)。
これ以降、休んだ日の4日目~1年6か月の間で支給してもらえます。

この1年6か月の考え方は「最長で」です。
つまり、半年で仕事に戻れれば、残り1年分はもらえません。
あくまでも、この期間内に、療養のために仕事を休んだ日が、保障されるということです。

*この1年6か月の期間について、2022年1月1日より改正が予定されていますので、それは次回お伝えします。

みんなから集めた保険料なので、公平性や透明性が大切になります。そのため、
「療養中であること」
「労務に服することができないこと」
「待期期間の3日間は連続していること」などに、それぞれ細かいルールがあります。

社会保険労務士の立場としては、
「調子が悪い時は、思い切って療養しましょう」です。健康は、何ものにも代え難い

あなたが、これまで健康で仕事をしている時に納めてきた保険料で、多くの方を間接的に助けてきました。自分が調子が悪い時は、遠慮なく利用してください。
それが相互扶助。社会保障制度の理念になっています。

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