やさぐれ日記 #462 雨上がり
車に乗って遠出をしようと思う日は、何故だかいつも雨予報だ。
晴れていた日もあるのだろう。でも、私の頭は雨の日ばかり覚えている。
今日も、少しずつ雨足が強くなり、夕方には落雷や激しい豪雨になるらしい。
それでも、何となく不安な気持ちを拭うように、車のエンジンをかける。
最初こそよかったが、しばらく走ると徐々に雨足が強くなってきた。
細かい雨粒が、いたずらみたいにフロントガラスにぶつかってくる。
用事を済ませて帰路に着く頃、雨粒は大粒になっていた。
道路の隅には大きな水溜りが出来ている。
もう雨にもだいぶと馴染んできた頃、雲の隙間からパァッと陽の光が差した。
進むたびに少しずつ空が明るんで来て、見惚れていたら雨は上がっていた。
大雨を降らせたあとの空は、何だかやり切ったみたいな顔をしている。
急に帰ってしまった雨に、何だか寂しさを感じながら、あと少しの帰路を走る。
だけど、明日の予報も雨だ。
何かやり残したことを思い出したのかもしれない。
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