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組織風土改革日報№.13_ヨウヤク×ゴウカク×メイヤク×セイヤク

①前回のあらすじ

2021年4月から自律分散型組織の企画運営リーダーとしてアサインされた私(キタ)。
右も左も分からない中、対人支援に関する保有スキルと、持ち前のガッツで、カラカラと空回りする半期を経て、なんとか組織開発の方向性示唆や、私なりの信念獲得に成功した。
しかし、未だに組織開発としての経験不足が否めない。。。
そして、そろそろキャリコンの国家試験も近づいてきている。。

~登場人物~
新井さん:本社人材開発部の女性(キャリコン)

②浮足立つおっさん

2021年11月。
今月末に第18回キャリアコンサルタントの国家試験を控えた私は、完全に浮足立っていた。

私の資格挑戦は第17回目国家試験から。
実技(論述含め)は、まさかのオールA判定で通過したのだが、完全に勉強不足が祟って、学科を1問足らずで落としてしまっていた。
手術や育児を理由に、自分の記憶を頼り過ぎてしまったのが原因だ。

今回はしっかりと勉強させて頂きますので、何卒('Д')!!
姿の見えないキャリコンの神様に祈りを捧げつつ、そんなフワッとした柱は居ないな。と、早々に神頼みを諦め、代わりに妻に勉強のコツとやらを問い質してみたり。

私の妻は地元国立大学の教育学部卒であり、そんな彼女に、
「どうやって勉強すればいいの?」
 「記憶定着に良い食べ物とかあるの?」
 「いや、そもそも勉強って、何だよ!?」

と、テストの点数が振るわず、先生から怒られちゃった小学2年生の様に、質問攻めを試みる。

彼女の回答は、至極冷静。
「計画的に。正しい生活リズムで。」
だよね~。うーむ。いよいよ。
と観念して、学習計画を立てて、真面目に勉強に励んだ。

浮足立つおっさん。中々滑稽だと思う。
妻が心配そうな目で私を見つめている。
ズリ這いを始めた娘は、「まぁ落ち着け。そして私にミルクを。」という顔をしている。。。気がする。

半期取り組んできて、組織開発に関してはズブの素人から、いくらかの知識と経験は積んだものの、もう少し有識者の継続的なバックアップがあるといいなぁ、という欲求は、こうした状況によって、さらに増幅していた。

組織開発者は孤独だ。自分のタスクは自分でこなし、皆のタスクは引き受ける、というマインドが、勝手に自己概念の奥底に根付いている。

もっと仲間が欲しい。
単純に言えば、私の場合そういう事だと思う。

そうだ。本社には組織風土改革を主業務とする新井さんが居るではないか。
という事で、彼女にアポイントを取るのである。


③アドバイザーを得る(メイヤク)

「・・・とまぁ、私の役不足に感じている点については、新井さんにバックアップを依頼したいのです。」

『そうですかぁ~、大変ですねぇ。』

新井さんと私は、それぞれ別の拠点から、Web会議で対話をしていた。
彼女のチャーミングな京都弁が、癒しを誘う。
既にキャリアコンサルタントであり、さらに組織開発として先輩である彼女は、私の諸々の背景も理解してくれた上で、アイデアや、本社人材開発部での取り組みを、いくつか紹介してくれた。

その中にパルスサーベイという提案があった。

所謂組織サーベイと呼ばれる、従業員へのアンケートと、結果分析によって、組織を良くするという取り組みには『センサス』『パルスサーベイ』の2種類があるとされる。

センサスは年単位など、中長期ペースで、大量の質問を出し、従業員に回答頂いた結果から、組織の根本課題を浮き彫りにするというやり方。

パルスサーベイは、もっと短期間で少量の質問を出し、従業員の回答結果から、従業員意識を把握する。
(短くは2週間、長くは6カ月くらいのペースが一般的に用いられる)

センサスは全社的に導入していたが、パルスサーベイは一部の拠点がテストとして実施しているのみであった。

これは我々の部も、是非システム化してやるべきだろうな。と感じた。
組織風土は人の意識という理解が進むと、そこに対してどうやってリーチするかが課題となる。まさにうってつけのデータ取得方法と言える。
パルスサーベイの導入と運営に関して、さらに深堀していく必要はありそうだ。

さらに、新井さん個人としての活動も紹介頂く。
彼女はある組織開発に関するファシリテーターのコースに参加し、それを社内向けにアレンジして落とす。というチャレンジをしている事も、この時に知った。

ちょうど私も、今後カウンセリングに自己投資しようか、組織開発に自己投資しようか迷っていて、新井さんがソッチに向かっている事を知り、ではと、カウンセリングに投資する事を心に決めたり。

そうそう。こういう存在が私には必要なのである。
いくつか有益な情報をメモしつつ、そろそろ約束の終了時刻に近づいてきた事を確認した上で、組織の為に、私の為に、組織ぐるみの長期的な連携について、提案してみる。

「今日はとても参考になるアドバイスを有難う御座いました!
逐次、新井さんに相談させて頂けて、私としては非常に有難いのですが、やはり継続的に、となると、組織としての依頼になりますので、必要であらば、上司を交えて承認を得た方が、お互いやりやすいですかね。」

『そうですね。そうして貰った方が良いかもしれませんねぇ。』

「わかりました!ではプロジェクトとして企画書書いて、お互いの上司の承認を得ていこうと思います。宜しくお願い致します。」

『はい~。頑張ってくださいね~』

結論から言うと、2022年の1月に、その説明会を持って、双方の組織管理者の合意を持って、この盟約は受諾される事となる。

プロジェクトの名前は
『自律分散型組織の導入展開に向けた組織開発プロジェクト』

新井さんのチームからは、組織開発に関するアドバイスというバックアップを、我々製造部からは、活動実績と諸々のデータを共有し合う事で、数ある拠点にも自律分散型組織を展開可能なアイデアとして結晶化する。
という目的のチームを結成に至るのであった。


④ヨウヤクゴウカク(娘へのセイヤク)

さて、月末となり、第18回キャリアコンサルタント国家試験の学科当日となった。

独特の緊張感を伴った、テストという雰囲気。ある種の心地よさを感じていた。緊張という忘れかけていた気持ちを、存分に味わえる貴重な時間である。

ふと、なぜ学生時代全く勉強に興味を示すことなく、40才になった今、私はめちゃめちゃ勉強しているのだろう。しかも勉強楽しいとも感じている。

ジョン・デューイのプラグマティズム。
簡単に言うと、今やっているゲームの攻略本だから、読んでいて楽しいし、実際に使えるのであって、やってもいないゲームの攻略本を丸暗記なんてできるもんか!という主義。
(抽象的過ぎるかな(笑))

学問以外の興味関心事に行動の全てを振り切っていた学生時代を振り返ると共に、ミルクを飲んで寝ている娘を思い浮かべていた。

「父ちゃん頑張るさかいな。」

試験の細かな描写は割愛するが、感触的には合格間違いなしという手ごたえだった。

キャリコンの学科試験は、翌日直ぐに解答がネットで発表される。
試験用紙自体は持ち帰りOKなので、翌日自己採点が可能である。

さらに言うと、試験当日の夕方くらいには、速報として解答をアップするサイトもあるので、私は妻と娘が見守る中、自己採点を実施した。

結果

・・・

84点/100点!!


70点以上が及第であり、漸く合格に至ったのである。
翌日アップされた正式な解答でも、採点結果に変動はなし。後は正式な合格通知と、資格取得手続きを行うのみである。

大きく安堵しつつ、
兼ねてから思い描いていた一つの社内企画を実行出来る時が来た事に、胸が湧きたった。

製造部にキャリア支援という新たな窓口を設置する!

この実現に向けて、奔走する自分の姿を思い浮かべながら、新たな社会的役割の自覚と、その責任感で心を満たし、娘に誓った。

「父ちゃん頑張ったで。君が大人になったら、楽しく働ける日本になってるように、準備しておくからね。」



日報№.14へ続く

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