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「仕事と介護の両立支援、キーパーソンは管理職です」

社会保険労務士の山地です。

前回は「3.介護に直面する前の従業員への支援」として、具体的に取り組むべき課題6つのうちの「2.「介護に直面しても仕事を続ける」という意識の醸成」と「3. 企業の仕事と介護の両立支援制度の周知」についてご説明しました。

今日もまた、その続きです。
「4.介護について話しやすい職場風土の醸成」です。

以前もお話しましたが、妊娠や出産はおめでたいことで話題にしやすく、また話題になりやすい特徴がある一方、介護の場合は特に隠すつもりはなくてもあえて自分から介護していることを積極的には話さない傾向にあります。

従業員の仕事と介護の両立について支援の必要性に気づくべき、もっとも身近な人が上司です。

部下のほうから相談すれば話は聴いてくれると思いますが、そうでなければ業務の忙しさから部下のひとりひとりにそのような事情があるかもれしない、とはなかなか気づけないものです。

こんなとき有効な手立てとして考えられるのが面談です。

中小企業さんではやっているところもあれば、やっていないところもあり大きく分かれるようですが、もし年に2回くらい業績評価面談等をやっていればそのときにあわせて、仕事をするうえで家庭の事情で何か配慮が必要なことがないかを聴くのがいいと思います。

6月に改正育児・介護休業法が成立し、妊娠・出産の申し出をした労働者に制度の周知と育休取得意向の確認が企業に義務付けられましたが、介護もこれに倣っていただくとよいと思います。

部下をもつ管理職の方には、部下から相談されたら「ありがとう」と言っていただきたいと思います。人に相談するというのは勇気が要るものです。

こんなことを相談したら、どう思われるだろう?
仕事を休んだら評価が下がるかもしれない・・
退職を勧められたら、どうしよう? etc・・

不安な気持ちを抱えながらも勇気を出して、とにもかくにも相談に来てくれたのです。いきなり退職届を突きつけられるより、ずっといいと思いませんか?


役員など比較的高齢の方に多いのですが、経営陣の妻が専業主婦だと、育児も介護も女がするものという旧来の固定観念に支配されていると、相談しにくいかもしれません。

上司に相談したくてもできない人もいます。そういう人のために、相談窓口を設置して人事担当者が対応するようにしましょう。

介護を理由に退職させないためには、あの手この手で両立支援制度やサポートの手からこぼれ落ちる人がないように、しっかり対策していただきたいと思います。o(^-^)o


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