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求人票、古いままになっていませんか? ~職業安定法が改正されました~

社会保険労務士の山地です。

今日はマイナーであまり注目されていない(^_^;) 10月1日に施行された改正職業安定法について、求人・採用の観点からどのような点に留意すべきかについて、お話したいと思います。

法改正の目的は次の2点です。
1.求職者が安心して求職活動できる環境の整備
2.マッチング機能の質の向上

そして、改正のポイントは3点あります。
1.求人等に関する情報の的確な表示の義務付け
2.個人情報の取扱いに関するルールの刷新
3.求人メディア等について届出制の創設

2.は求職者の個人情報を収集するには、その目的を明示しなければなりません。たとえば複数の事業所をもつ会社が「自社の採用選考のために使用します」と表示するだけでは足りず、「面接の日時を連絡するために使用します」など具体的に表示しなければなりません。

3.はインターネット上に公開されている情報を収集して、求人情報や求職者情報を提供するサービス事業者(職業紹介事業者等)に適用されるもので、求人票を出す一般の企業には直接影響はありません。

ということで、とりわけ重要なのは1.です。

「求人等に関する情報の的確な表示」で求められるのは求人情報や自社の情報について、

1.虚偽や誤解を生じさせるような表示をしてはならない
2.求人情報は正確かつ最新の内容に保たなければならない
ということです。

1.の虚偽の表示をしてはならないということは当たり前ですが、注意が必要なのは「誤解を生じさせるような表示」になっていないかという点です。

たとえば契約社員の募集なのに「試用期間中は契約社員」など、正社員を募集しているかのように表示するとか、モデル収入の一例であるにも関わらず何の説明も加えず「年収500万~」と表示し、必ず支払われるかのような誤解を招くようなものです。

2.の「正確かつ最新の内容」については、正社員や契約社員、パートなど複数の求人票を出している企業によくありがちなのが、1枚の求人票を使い回して作成しているために労働時間や休日、勤務体制(夜勤・交代勤務の有無)、諸手当などが正しく表記されていないことです。

たとえば介護事業所の例ですが、
・パートタイマー求人で勤務時間は応相談と書いてある割には、フルタイムの時間しか表示されてない。
→フルタイムパートなら別ですが、短時間の人を募集するなら実際の労働時間を明示すべきです。
・パートタイマーなのに夜勤がある
→本当にある場合もありますが、確認するとないと回答されることが大体90%くらいはあります。
・一般職の募集なのに、役職手当等が表記されている

などです。

10月1日からは全国的に順次、最低賃金が改定されています。特にパートタイマー求人など時間給で募集している場合は、賃金額が古いままになっていないか確認しましょう。

また、すでに募集を終了しているにも関わらずいつまでも求人票が出しっぱなしになっていて、応募しようとした求職者をがっかりさせるというケースもあります。終了したのであればサッサと削除してください。情報は最新の状態に保たなければいけません。

そもそもですが、労働条件は応募者と最初に接触するまでの時点で(普通は面接時までに)明示する必要があります。

どれもこれもあなたの会社に興味・関心をもって応募しようとする求職者の信用を失わないという点において重要です。求職者と出会うチャンスを不意に逃さないようにしましょう。(*^_^*)


参考URL : https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497_00003.html


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