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「仕事と介護の両立支援、事業主さんにはインセンティブがあります♡」

社会保険労務士の山地です。

前回は「4.介護に直面した従業員への支援」として、具体的に取り組むべき課題6つのうちの「4.職場内の理解の醸成」「5.「上司や人事による継続的な心身の状態の確認」「6.社内外のネットワークづくり」についてお話しました。

今回は、介護に直面している従業員へのこれら一連の取り組みに付随して、ぜひ活用していただきたいツールをご紹介します。

それは「仕事と介護の両立支援 面談シート兼介護支援プラン」です。


これは
「両立支援等助成金(介護離職防止コース)」を申請する際の要件のひとつになっています。

どう使うのかというと、「介護支援プラン」策定のために、従業員と直属の上司、人事担当者で三者面談します。

面談のタイミングは
1.従業員から相談があったときの「初回面談」
2.初回面談の結果を踏まえて、今後どのように従業員を支援していくかを決めるための「プラン策定面談」
3.その後の経過を見守り、両立が困難な状態になっていないかを確認する「フォロー面談」の大きく3回です。

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初回面談では、面談シートに沿って以下の項目について聴き取りします。
1.介護が必要な人について、続柄、同居か別居か、介護に協力してくれる親族の有無など
2.両立するうえでの課題・希望について、勤務時間の調整や休暇の必要性、出張の可否など
3.利用したい制度や働き方の希望について、介護休業や残業免除など
4.業務面で配慮してほしいことがあるか、たとえば引継が必要なら、誰に、いつ、どう引き継ぐかを相談
5.業務以外で周囲に配慮してほしいこと、何か気になることがないか確認

人によって対応が違う、ということが起こらないように面談の結果は必ず記録しておきましょう。

聴き取りをした結果を踏まえて、「当面のプラン」を立てます。プランを立てるといってもあまり大げさに考える必要はありません。

初回面談を終えた段階で取り急ぎ、どう対応するのか? できるだけ本人の希望に沿えるように会社としてできることを、上司と人事担当者で話し合い明文化しておくのです。

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その後、介護している従業員の状況を見計らって、「プラン策定面談」を実施します。たとえば初回面談時には要介護者が入院中だったが、今は退院して自宅に戻っているなどが考えられます。

プラン策定面談では、やはり面談シートに沿って初回面談と同じ項目について聴き取りします。ポイントは初回面談時と比べて状況がどう変化したか?を確認することです。

面談終了後に上司と人事担当者で今度は「介護支援プラン」を策定します。こちらは「当面のプラン」と違って、腰を据えてこれからどのように従業員を支えていくのか具体的な行動に落とし込んでいきます。

とはいえ、何をどのようにプランに盛り込めばいいかよくわかりませんよね?(笑)
そこで、これも厚生労働省の「介護支援プラン策定マニュアル」の第4章にモデルプランとして9つのパターンが例示されているので、参考にするとよいでしょう。


こうして「仕事と介護の両立支援 面談シート兼介護支援プラン」を漏れなく完成させます。

この助成金は、「介護支援プラン」を作成し、プランに沿って従業員の介護休業の取得・職場復帰に取り組む、または両立支援制度を利用する従業員が生じた中小企業事業主に支給されます。

介護休業取得時に28.5万円、職場復帰時に28.5万円、両立支援制度の利用者が生じれば28.5万円が支給されます。

詳細はこちらからご確認ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/000811565.pdf


仕事と介護の両立支援には国もちゃんとバックアップしてくれます。同じ両立支援に取り組むなら、利用しない手はありません。ぜひ、積極的に利用していただきたいと思います。(^_-)-☆

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