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「仕事と介護の両立支援、介護の相談先はご存知ですか?(Part2)」

社会保険労務士の山地です。

前回は「5.介護が必要になった場合に相談すべき「地域の窓口」の周知」について主な相談先は4つあり、そのうちの2つが「病院の医療福祉相談室」と「居宅介護支援事業所」であることをご説明しました。

今日は、残りの2つをご説明します。

3.地域包括支援センター
前回ご紹介した「居宅介護支援事業所」には「介護」と書いてあるので、ちょっと聞いてみてもいいのかな?相談してもいいのかも?と思うかもしれません。

地域包括支援センターは、名前は聞いたことがある、または聞いたことはあるけど、何をやっているところなのかよくわからないという人が多いです。「支援」と言う言葉が入っているけれど、何を支援してくれるのかがわからないのですね。(^_^;)

公共職業安定所に「ハローワーク」という愛称がつけられているように、自治体によっては地域包括支援センターに愛称をつけてわかりやすくしているところもあります。

居宅介護支援事業所が介護保険サービスを利用することを前提に相談するのに対し、地域包括支援センターは介護が必要になる前から相談できる点が特徴です。

医療や介護のみならず、ひとり暮らしの高齢者が認知症を発症して金銭管理ができなくなった場合などに成年後見制度の手続き支援をしたり、住まいや暮らしの生活支援サービスなどについて相談できる、いうなれば高齢者のよろず相談所のような存在です。ここでも要介護認定の申請手続きを代行してもらえます。

地域包括支援センターは平成18年の介護保険法の改正で新設されました。それより前は在宅介護支援センターがありました。地域包括支援センターは在宅介護支援センターの機能を強化したものです。

地域包括支援センターができたことによって、在宅介護支援センターが統廃合されているところが多いのですが、自治体により在宅介護支援センターを地域包括支援センターの出先機関として位置づけ、機能しているところもあります。


4.市役所等の高齢者福祉担当窓口
「高齢福祉課」「介護保険課」など各自治体によって名称は様々です。市役所(本庁)が自宅から遠いという方は市役所の出先機関(最寄りの地区市民センターなど)でも申請手続き可能です。


こうしてみてくると相談先はいろいろあります。

まとめると、
・急な病気や骨折などで入院し、介護が必要になった
→まずは病院の医療福祉相談室で相談・情報収集した後、各相談先へ

・立てない、歩けない、ベッドに起き上がるのがやっと、しばらくは車いす生活など
→申請すれば「要支援」よりも重い「要介護度」が出ると思われるなら、「居宅介護支援事業所」へ
申請代行からケアプラン作成、サービス利用までスムーズに対応してもらえます

要介護度の目安はこちら
https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/kaigo-hoken/kaigodo.html


・要介護認定を申請しても「要介護」よりも軽い「要支援」になるのでは?
→地域包括支援センターへ
居宅介護支援事業所同様、その後のサービス利用まで一連の流れで支援してもらえます。

・「要介護」になるのか? 「要支援」になるのか?微妙でわからないとき
→地域包括支援センターへ
「要支援」が出れば、そのまま地域包括支援センターが対応してくれますし、もし「要介護」が出れば、居宅介護支援事業所を紹介してくれます。

・近所に市役所(地区市民センター等)がある、または最寄りの地域包括支援センターや居宅介護支援事業所がどこにあるのかわからないなど
→市役所等の高齢者福祉担当窓口


少しずつ身体機能が衰えていく場合はある程度予測がついたり、相談に行くタイミングも見計らうことができます。

しかし、これまで元気だった人が急に介護が必要になると本人のみならず、ご家族もパニックになってしまうことが多いものです。

人事担当者だからといって、すべてに対応する必要はありません、と言うかできません。具体的な介護のことについては専門機関に相談するように相談先を案内してあげましょう。

そのためには日ごろから情報収集をお忘れなく。(^_-)-☆

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