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「2025年問題に備えて、今から準備を始めませんか?」

社会保険労務士の山地です。

今年も早いものですでに2/3が経過しました。いよいよ2025年問題が目前に迫っています。2025年には団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になり、超高齢化社会が本格化します。労働人口は減り、社会保障費が増大し医療や年金制度の維持が困難になるなど、私たちの生活にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。

特に深刻なのは介護職の人材不足です。訪問介護員(ヘルパー)の2022年度の有効求人倍率は15.53倍。仕事を求める人、1人につきなんと15社から求人があるという状況です。施設介護員の3.79倍を大きく上回り、深刻な人手不足に直面しています。

厚労省の調査結果によると、2021年10月時点でヘルパーの平均年齢は54.4歳。65歳以上の高齢者が24.4%を占め、70歳以上の割合も12.2%に達しています。この状況が続けば、今後ますます人手が不足し、介護サービスの提供が難しくなる可能性があります。

実際、全国ホームヘルパー協議会が会員に対して行ったアンケートでも、以下のような声が寄せられています。
・「人材不足を理由に利用希望者を断った経験がある」
・「訪問介護事業所は人材確保に苦労している。このままでは撤退も余儀ない」
・「このままでは多くの事業所が事業を廃止するだろう。」

東京商工リサーチによると、2024年1月から6月までに倒産した介護事業者の数は81件で過去最多。そのなかでも訪問介護は40件、デイサービスなどは25件と在宅系のサービスが多くを占めています。

誰しも健康に過ごせる時間をできるだけ長く保ちたいと思っていますが、日本の平均的な「健康寿命」は74.1歳。75歳を迎えると、要介護になるリスクが一気に高まります。介護はいつ始まるかわかりません。介護が必要になった時に最低限の知識を持っていないとどうしていいかわからず、右往左往することになります。

そんなときに役立つのが「介護に関する入門的研修」です。家族の介護が必要になる前に少しでも準備をしておくことで、急な事態にも冷静に対応できるでしょう。

2つの講座があり、どちらも無料で受講できます。

■基礎講座(3時間)
対象者:原則、介護未経験で介護に関心のある方、家族の介護を行う方
内容:介護に関する相談先、介護保険制度や仕事と介護の両立支援制度の概要、介護における安全・安楽な体の動かし方、介護予防・認知症予防体操。

■入門講座(18時間)
対象者:原則、介護事業所で働きたい方で介護関係の資格を保有していない方
主な内容:基本的な介護の方法、認知症や障害の理解、介護における安全確保

都道府県や市区町村で実施しています。社会福祉協議会等の民間団体に委託されていることもあります。
「お住まいの地域 介護に関する入門的研修」で検索してみてください。
ちなみに三重県では24時間いつでも学べるweb形式の講座もあります。

介護は誰にでも突然やってくるものです。早めの準備が家族にとっても安心です。できるところから少しずつ、準備を始めていきましょう。(*^_^*)

出典: 令和6年度介護報酬改定等に向けた要望

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