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「仕事と介護の両立支援、介護の相談先はご存知ですか?(Part1)」

社会保険労務士の山地です。

前回は「3.介護に直面する前の従業員への支援」として、具体的に取り組むべき課題6つのうちの「4.介護について話しやすい職場風土の醸成」についてご説明しました。

今日は、「5.介護が必要になった場合に相談すべき「地域の窓口」の周知」です。

イザ、親の介護をしなければいけなくなった。さあ、どうしよう!?
というとき、どこに相談すればいいかわかりますか?

人事担当者として従業員から相談された場合、介護のことはどこに相談に行けばいいのか、教示する必要があります。

相談先は主に4つありますので、その時々の状況に合うものを選択するとよいでしょう。

1.病院の医療福祉相談室(地域連携室など)
私はかつて総合病院の医療福祉相談室でソーシャルワーカー(相談員)をしていました。当時は二次救急病院(24時間体制で救急患者を受け入れ、高度な治療を提供する病院)で患者さんが次から次へと運び込まれてくる緊張感の漂う忙しい病院でした。

介護が必要になる状態というのは徐々に時間の経過とともに身体機能が衰えていく場合もありますが、急な病気や骨折などをきっかけになる場合も多いのです。

私は主に高齢の患者さんの退院支援をしていたのですが、ほとんどの患者さんは必要な治療を終えると、リハビリ目的やさらなる療養目的で転院していかれました。

なかには主治医の許可があったり、ご本人やご家族の希望で自宅に戻られたりする方も少なからずいらっしゃいました。

そこで登場するのが介護保険です。

入院する前から利用されていた方は退院が決まったら、担当のケアマネージャーさんに連絡してご自宅に戻る準備(サービス利用再開の手配)をすればいいのです。

いっぽう、入院前は自立した生活だったために、これまで介護保険を利用したことがない方もかなりの割合でいらっしゃいました。

ご家族も患者さんが今まで元気だっただけに、介護保険のことはよくわからないというケースは多々あります。

そこで私たち相談員が要介護認定の申請手続きやどのようなサービスがあるかなどをご説明し、ご家族に申請に行っていただいていました。

入院を機に要介護になられた場合は、患者さん(要介護者)に一番近い最初の相談窓口として病院の相談室の利用をおススメします。


2.居宅介護支援事業所
「居宅介護支援事業所」と聞いても一般の方にはピンとこなくてわかりにくいようです。

介護保険サービスを利用する際、必ずケアプランの作成をしなければいけませんが、自分で作成するのは大変なので、大抵の場合はケアマネージャーさんに依頼します。

このケアマネージャーさんの所属先が「居宅介護支援事業所」です。

介護保険施設に併設されていることも多いので、近所に「居宅介護支援事業所」の看板のある施設があれば相談にのってくれますし、申請手続きの代行もしてもらえます。

ちょっと長くなりそうなので、残りの2つはまた次回お話します。(^_^;)

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