初単著『「世界の終わり」を紡ぐあなたへ』が刊行されます
〈セカイ系〉をキーワードにアニメ・音楽・アート・哲学などを横断的に扱う評論アンソロジー『ferne』を主宰する、北出栞と申します。
2021年より始めたこの活動の集大成ともいえる単著『「世界の終わり」を紡ぐあなたへ――デジタルテクノロジーと「切なさ」の編集術』が、このたび出版されることになりました!
装画はミュージシャンとのコラボも多数のアーティスト/アニメーター・米澤柊さん、装丁・本文の文字組は『いなくなれ、群青』など文芸・漫画を中心に多数の本を手がける川谷康久さんがご担当。帯コメントは『最終兵器彼女』作者の高橋しんさん、自分にとって文筆の師匠でもある佐々木敦さん、気鋭の詩人・水沢なおさんにそれぞれいただきました……!
スマホ・SNS以降の「共感」と「つながり」ベースの世界の中で、孤独に作品と向き合う経験、現実世界から切断される感覚としての「切なさ」を味わうことはいかにして可能か。
その問いに対する答えを、〈セカイ系〉と呼ばれる作品群に見られるビジュアルイメージやテキスト表現、またその制作プロセスを分析することを通じて探っていきます。
ノスタルジックに過去を振り返るのではなく、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『すずめの戸締まり』などレジェンドの近作、『ブルーアーカイブ』『プロジェクトセカイ』『ヘブンバーンズレッド』など人気のスマートフォンゲーム、ミュージックビデオやプロモーションムービー、ボーカロイドシーンおよびSoundCloudシーン、存命作家による現代アート作品など、「いま」の作品経験を問うための概念として〈セカイ系〉を蘇らせます。
批評の文脈的には、昨今翻訳・文庫化の波が来ているレフ・マノヴィッチ、ヴィレム・フルッサーなどのメディア理論/ソフトウェア・スタディーズの観点から2000年代の東浩紀周辺の仕事を捉え直す、という狙いもあります。これまでのコンテンツ批評に欠けていた、映像編集ソフトや音楽制作ソフトの機能に着目して映像作品と音楽作品を並行的に論じる、ということに取り組んでいます。
特にものを作る人、若い世代のデジタルカルチャー(アニメ・音楽・ゲームetc.)好きの人に読んでいただけたら良いなと願っています。ぜひご予約いただければ幸いです!
<主なキーワード>
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