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Z世代の正体 中編

鹿児島で社労士をしています原田です。
上の画像は、いらすとやで見つけた「ゆとり世代」の画像です。
前回は、Z世代の特徴として提示されているものがどれも理解できない話をしました。

 個人的にZ世代の特徴が理解できなかったので、視点を変えて、Z世代より酷評する話を耳にするゆとり世代の特徴も別の角度から考えてみます。

ゆとり世代の特徴は何と言われているのか 

 ゆとり世代も既に上の方はアラフォーアラフィフまで来ています。就職氷河期できつい思いをしているのに、世代単位で散々非難され続けた悲劇のゆとり世代の性格は、どう言われていたのでしょうか?

A ストレスや叱られることへの耐性が低い
B 競争意識やチャレンジ精神が低い
C 物事を合理的に考える
D 自分のアイデアを大切にする
E ワークライフバランスやプライベートを重視する
F 昇進への意欲が低く転職に抵抗がない
G 多様性や環境問題への意識が高い
H 指示待ち人間が多い
I ITスキル、ITリテラシーが高い

これがゆとり世代の特徴だそうです。Z世代の特徴と同様に、多くがバブル世代の自分にも当てはまっているから怖いです。

これは単なる若い人への悪口なのでは?

 見ている内にふと気づいたことがありました。もしかすると、このリストのほとんどは、ゆとり世代の特徴ではなく、若い世代に対する中高年管理職からの悪口ではないでしょうか? 試しにストレートな悪口に変換してみましょう。

A ストレスや叱られることへの耐性が低い
「ストレスを言い訳にする奴とか、怒られたらすぐ辞めるとか言うな」

B 競争意識やチャレンジ精神が低い
「意欲が無いから成果が出ないんだよね。チャレンジしろよ」

C 物事を合理的に考える
「理屈ばっかり言いやがって、そういうのを屁理屈っていうんだよ」

E ワークライフバランスやプライベートを重視する
「プライベートがあるとか、あいつら会社行事の付き合いが悪いんだよ」

F 昇進への意欲が低く転職に抵抗がない
「昇進したくないのかお前ら、意欲が感じられないんだよ」

H 指示待ち人間が多い
「最近はいちいち言わないとできないやつが多すぎる」

全部悪口変換できるかも・・・と思ったら、結構こじつけないと悪口にできないものが、少し残ってしまいました。「全部悪口」というのは、さすがに言い過ぎだったかもしれません。

もしかしたら中高年への悪口なのかも

 ということで、もしかしたら中高年から若い世代への悪口だけでなく、逆に、若い世代から中高年への悪口も混ざっていると考えてみました。

C 物事を合理的に考える
「感情的だったり根性論ばっかりで頭悪いんだよ」

D 自分のアイデアを大切にする
「あいつら頭が古いんだよ、若い考え方の方がいいに決まってる」

F 昇進への意欲が低く転職に抵抗がない
「昇進しても上司の給料も安いみたいだしなぁ仕事増えるだけじゃん」

G 多様性や環境問題への意識が高い
「今の時代は多様性や環境配慮だから、あいつら古いんだよ」

I ITスキル、ITリテラシーが高い
「ジジババはマジでスマホつかえねーからなー」

 これで悪口で特徴を全部網羅できました。醜い言い争いで疑問点を解決させようとする、あまりにも酷い話になって参りました。

長いデフレで更に求人倍率が低いから、悪い待遇を我慢して働いている人も多いし、給料も上がる見込みがない時代です。世代が違う相手に対する自分の不満を、世代の責任にしたい社会人たちが作り上げたイメージが、ゆとり世代の特徴では無いでしょうか。

ゆとり世代も活躍している

 こんな言われようは、あまりにもひどいから、ゆとり世代の年代の人がかわいそう・・・と思ってみたら、
新人類:常識に欠けて、理解できない若者の世代
バブル世代:バブル時代入社で、低い能力で大企業に入社した役立たず世代
ゆとり世代:ゆとり教育で学力が劣る世代

 見事に悪口ばかりです。本当は、団塊の世代・団塊ジュニア・ミレニアル・就職氷河期等のように悪口では無い分類が種類も多いのですが、時代が被る世代は、悪口の方が浸透しやすい結果になっているように感じます。

 ゆとり世代で学力が劣ると言われたりしていますが、ゆとり世代の東大が入学しやすかった話など聞いたことがありません。
 何より一定以上の高学歴大学で定員割れも起こってないし、入試試験問題年々難易度を増しています。つまり昔よりさらに努力しなければならない環境の方も大勢いるでしよう。

 スポーツ界においてもプロアスリートはたくさんいます。日本記録は年々更新されるし、メダリストもたくさんいるし、むしろ海外で活躍する日本人アスリートの話が増えてきたのは、ゆとり世代が活躍し始めてからです。

 そもそもゆとり世代が20代の頃は、別名就職氷河期であり、就職難の真っただ中ですから、第一希望の企業に就職できた人は、優秀で競争に勝ち抜いてきた人です(だから一世代前を「使えないバブル世代の先輩」と揶揄する人たちがいるのです)。

 こんなに大量の例外がいる「世代の特徴」は、特徴と言えないのではないでしょうか?

 団塊の世代でも自由気ままな働き方をしている人はいましたし、コミュニケーションが苦手な人もいました。どんな世代でもいろんな人がいるだけではないでしょうか。

 こうした世代の特徴や世代間ギャップから生まれてくるものは何でしょう。そして、Z世代の正体は一体何なのでしょう。次回に続きます。

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