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渋谷東急百貨店と202x年の百貨店

私は最寄駅が二子玉川という東急線の駅で、東急ストア・109シネマを含めて東急経済圏内にどっぷりとハマって生活をしております。自然に東急はどのような会社なのか、投資の際にも目を向けるようになり、今年の株主通信では100周年の記事を読んで戦後の日本の首都圏を成長させた強い企業という認識を持つようになりました。

2022年12月、通勤中田園都市線の電車広告で渋谷の東急百貨店本店が閉店をするという広告を見て少し驚いたのですが、ビジネスの世界はまだまだ勉強中の若者ながらも、なんと良い選択をしたのだろうと考えるようになりましてノートで個人的な考えを書き留めるようにしてみました。

東急渋谷本店HP https://www.tokyu-dept.co.jp/honten/index.html

202x年におけるデパートの存在

広告の世界では当たり前のことかも知れないですが、多くの人々の移動・人々を集める場所には経済圏が活性化しますよね。まちづくりに対してとても大事だと思っております。人々が集まることで生産をして、消費をして、その行為を持続させるために変化や発展も多く発生するからです。

そこから従来の日本の首都圏で栄えた街を判断する基準の一つには、大きなデパートもしくは駅があるかどうかというのもあるかと思います。ですが、コロナを基点に在宅勤務・オンライン授業が増え、人々の移動の量は2-30年前と比べるとはるかに少なくなってきたと思いますが、買い物の流れも大きく変わったと思います。

デパートの利用者の多くは40-60代のおばさん

日本の栄えた街によくあるようなデパートには東急、高島屋、丸井などがあげられるかと思いますが、誠に残念ながら30代の私には
・フローリングや照明などの内装が古く、人がいない
・大きな購入をする顧客は少ない
・利用者の大半は年代がかなり高い、女性の方々
・国内ブランド品、嗜好品がメインのかなり高い金額設定
の所が多く、若者向けの商業施設ではないという認識が強いです。

20-30代がもしデパートに行くという場合はおそらく大きく分けて
・海外ブランド品を国内の正規店で購入をするため
・お出かけをしたついでに外食をするため
・年配の方へのプレゼントを買うため
・インスタ映えするスポットがあるから
・外国人が現地で買い物をするため
で、デパートでの消費傾向がハイエンド級の購入と一食分の購入へと2極化していると思います。

社会的には給料上昇率が昔ほどよくなく、バッグや時計などのアナログなブランド品よりもデジタル家電を欲しがるようになり、良い商品の情報を得るために百貨店にわざわざ行かなくてよくなったことがデパート需要の減少の原因でもあると思います。そもそも、海外の旅行先で自分でTaxfreeで海外ブランド品を購入できたり、オンラインで何でも買えるようになった時代に若者が「外出」して大きな買い物を即購入をすること自体が過去より減ってしまっているような気もします。スマホで最安価格を調べられて、車もネットで買えるようになった時代に緊急でなければ手荷物が増えることが面倒なのもいい訳ではありますが、デパートなどの実店舗で実物を確認してネットで検索したより安い購入先で購入するようなチェリーピッカーは若者ほど多いと思います。

現在の昔のデパートで多くの消費をされていた方々はデパートと一緒に年を得て、労働人口から外れている方々も多いかと思います。高島屋を例に一番賑わうコーナーは食品売り場と雑貨売り場で、消費単価が低い食品・消費財を購入すると言ったところで、海外ブランド店舗の入店数も少なくなってきています。

こうした状況下で、東急が駅から距離のある渋谷の本店を閉店させると言った判断をしたのは時代の流れ的に正しい選択だったと、第3者ながらも思います。

若者がお金を使う商業施設に関する考察

それでも、デパートの「実物」が与えるインパクトはオンライン上の写真だけでは与えられないもので、やっぱりお出かけをしたらキラキラしたものを見て、ご褒美なるものを食べたいですし、所蔵したいという気持ちを持って、それを実際手に入れるという流れを経験させていただきたいのです。

今年の1月2日、福袋の探索に高島屋に行ったところ、一番驚いたのは福袋のお得さや品揃えではなく、普段はいらっしゃらないスーツ姿の方々が格店舗で挨拶と商品の広報をしていらっしゃったことです。きっとその店舗の責任と管理を行なっていらっしゃるような方だと思うのですが、普段はできなかったようなカスタマーエキスペリエンスができてからなのか(スーツ姿の方が商品の案内をされている!)、それとも商品売り場という現場で管理者の方が直接商品の販売に気を配っていたからなのか、ちょっとした特別感のあったのですよね。

これから多くの消費をするであろう30代の私のお買い物に対するロマンとえいえば、小説・映画の「Harry potter」シリーズのOllivanders wand shop的なものかも知れないです。自分に最適な、自分のために用意されているような杖を自分の親も利用していた古い杖専門店で確かめて、日常的に使う一生ものの杖と忘れられない買い物体験です。

最近の若者がお金を使う要素を考えてみると
・「普段と違った」
・「体験」
・「見栄もしくは自慢で得られる特別感(e.g. インスタ映えの旅行先)」
・「中央値、ほとんどの人がやっていること(共通する価値)」
になるかと思いますが、人間本能で生々しいですがどうしても「見栄もしくは自慢」って要素は最強で、昔も今も今後も変わらないと思うんです。結局それ自体が楽しいこともありますが買い物の体験を含め、「良い〇〇(情報・所有物)」をネタとして話せる、もしくは、「他人がやっている〇〇」にはお金を払う価値があると思いやすいのかも知れないです。もちろん全員がそうだというわけではなく、そういう傾向があるということを世間の美徳と遠回しの言い方を外した状態のことを指して述べています。

東急百貨店の閉店を調べながら、こちらの特設ページを拝見させていただき、東急百貨店さんは昔ほど外出してお金を使わない今時の若者でもやっぱり来てほしいんだなと一瞬でわかることができました。だって、わざわざ漫画で伝えてるんですもの。1月31日の閉店前に来場者限定公開のパネルだったり、実際渋谷の東急本店に尋ねて、100周年東急のこの記事を終わりにしたいと考えました。

最後の渋谷東急本店:またここで、答え合わせを

「左さきのエレン ー渋谷20XXー」の展示 / 漫画家 かっぴーさん、渋谷・東急本店

実際にこの目で見たくて行った渋谷の東急本店ですが、1階のエスカレーターの付近ですぐにこのパネルを発見することができました。今HPでも展示している漫画では、大昔のデパートのカルチャーと思い出、また、現在進行中の渋谷駅前というスケールでのまちづくりの話があり、いかに東急さんが渋谷という街の開発に本気であるか、そこで描いているビックピクチャーに期待をされているのかがよく伝わる作品でした。
(東急では渋谷駅の開発で大きな建設を含むプロジェクトが進行中です。)

個人的な渋谷20XXに対する期待

漫画で描かれている多くの市民が乗れる「自動運転のナビ」が上手く作動する「渋谷」という設定の20XXの未来は5年後とかの近い未来ではないと想像してしまいましたが、未来を考える際に現在の決定権のある、私たちより大人の方々に投資の際に一緒に考慮していただきたいものは「仮想世界」です。

現在の外国人にとって渋谷は人混みの(人々が世界中から移動し集まった状態)、様々な映画の背景にも出ている珍しい街であることは間違いないです。そこから実際尋ねたくなる街、旅をしてみたい街であり続けるためには、この場所での消費を促す新しいものを伴わないといけないと思ったりします。

そこで思っているのは、ネットショッピングの延長線に、従来デパートでのリアル体験やリアルな場所の提供との連携が取れる「仮想世界」だったりします。電話でのやりとりさえ苦手な若者だってカジュアルに買い物ができますし、メタバースが成熟すると世界中から人々を呼び寄せる場所になるからです。在宅勤務やリモート授業が引き続き進行すると、さらにこのような仮想空間での虚しさを感じる人も逆に増えるかも知れません。その際に、仮想空間では満足できなかったモノホンを受け取れる、現実でしかできないもの(施設・施術・体験)ができると良いかも知れないですね。

今やiphoneの基本機能でキーボードに搭載されて世界中で使われている絵文字は日本の昔の女子高校生からさらに発展してデジタルに適用された良い例でもありますし、渋谷が生み出して世界に浸透している日本のカルチャーの例かも知れないです。そういう若者の流行りが再度活性化されることを期待しながら、終わりにします。

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