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ChatGPTと解釈しなくなる人類

人は他人がどう考えているかが気になる

ChatGPTが話題になってから少し時間が経ちました。どういう答えが返ってくるか気になり、一番最初にした質問は「2023年のトレンド予想と今後何をしたら良いと思うか?」という質問でした。ChatGPTは人の行動に関する判断は人に任すという返信をしてくれましたね。主体性のない質問でしたが、自分の行動は正しいか?と考えるのは自分の人生を生きる人間だからできることでもあり、人間しかできないと考えた瞬間でした。

メディアの洪水と限られた時間

人類が本やドラマ・映画を読んだり、観たりしていることを過去は「他人の考察に関する情報収集」という「趣味・暇つぶし・娯楽」でやっていた訳で、私自身も子供の頃はこのような情報収集活動を心より楽しんで時間を惜しまずやっていました。

社会人になってからかなのでしょうか、いつの間にかこのようなメディアの情報収集活動に虚しさを感じてしまうようになったのです。友人がおすすめしてくれたドラマや漫画を観るのに週末を全部使ってしまった日には(次のストーリーが気になって止まらず見続けるしかなかったのですが)、達成感はあるものの、大事な週末の時間に何も生産できず他人によるモチベーションを叶えるために使ってしまったという機会費用に対して悔しむようにまで。
そこで最近はYoutubeなどに上ってくる「まとめレビュー映像」を観ることに落ち着きました。このように趣味活動というプロセス自体を楽しめなくなったのは、私が私自身でやりたいという気持ちというよりも、私の周りのトレンドと呼ばれるInputすべき情報の探索と量が絶対的な時間がどうしてもかかる形で多くなったこと圧倒されてしまった事にあると思います。

ChatGPTの登場や検索エンジンにAIが使われることにより、人類がこのような情報収集をまとめのような形で得られるようになったのは、
・情報収集の次の「行動」や意思決定にすぐ移行できるようになったこと
・情報収集に費やしていた絶対的な時間をより多くの情報収集や他の活動に使えるようになったこと
に意味があると思いました。以前は調べ物をしてまとめたものがビジネスになって言った訳ですが(収益化記事やNaverまとめ)、同時に今までしてきている学校勉強、読書というのに長い時間をかけてきた分損をしてしまったことになるので、人間の教育における本質を考えるようになりました。

人間なりの解釈(考察)と次の行動

ある学者が「戦争の中や病で死を目の前にしている人が日記を書いたり、動画を撮ったりすることはそれが人間のみにできる尊厳できる行動で、自分の生きた証を残せる行動だからである」と言ったことがあります。このように人間のみにできると思っていたアートの一種の物書きが、ChatGPTにより真似できるようになりましたし、お絵描きだって立派に真似できるようになりました。人間のみにできることと考えていたことが人間以上の生産性を持ってできるようになったとも言えます。

人間が学習をする上では「理解」「定着」「応用」3段階のプロセスを得ると言われていますが、ここには時間をかけてその情報を自分なりに理解・解釈し、記憶し、次の意思決定・行動に移すということには他人も、ChatGPTにもできない限界領域にあるという結論に至りました。また近い未来にはPCのメモリチップみたいな情報収集手段ができて、知識の「理解」と「定着」のプロセスを段的に短くしてくれるようなものが出てくるかも知れないですね。

そのような意味で、「自分なりの解釈と考察」は従来の人間がしてきている時間の贅沢・合理性を追求している日常とは矛盾したロマンでありながら、いずれロボットに真似されるような人間究極のものになるかと思いました。

ChatGPTとのコミュニケーションと人間の意思決定

最近「初めての経営組織論」という本を読んでいますが、

こうしたコミュニケーションでは単なる情報伝達ではなく、それによって他人の行動や意思決定の前提を変化させるという意図を有しています。

「初めての経営組織論」

会社で上司や同僚と日常的にまた、時には根回しなどというコテコテなコミュニケーションを取っているように、ChatGPTと質問と答えというコミュニケーションを取り続けることで、自分も知らないうちに自分の意思決定にChatGPTの提供している一般論が溶け込んでいることが多くなることは不可避なものになると思いました。

自分の行動における最終判断は本人のみにできますが、実は既にChatGPTが選んでくれている中の一つのオプションに過ぎないということも多くなるのではないでしょうか。

このnoteも、そんな人間なりの解釈でありたい、人間の意思決定によるものの一つでありたいものの表し方です。

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