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SQUA的連載コラム

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沖縄で暮らすひとびとの、日々のものがたりと、思うこと。
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#写真好きな人と繋がりたい

vol.037 ボーイフレンド

昨年末に、久しぶりに会う友人と石垣島でランチをした時のこと。 友人「私、好きな人ができたの」 私「えっ?!」 恋愛とか、付き合うとかそんな言葉からかなり離れたところで生きている私にとっては、なんだか違う国の言葉を聞いた気分になったが、抑えきれないような溢れる笑顔で話す彼女を見ていたらなんだかこちらまで一緒に浮き浮きした気分になってしまった。 5年ほど前に前夫と別れて以来初めて恋に落ちたらしい。 私「どこで出会ったの?」 友人「マッチングアプリ」 私「えっ!」

vol.029 バケーション

夏には、ワーケーションじゃなくて、バケーションを楽しみたい。 完全にオフライン、脱パソコン、写真編集も現像も、メールや原稿チェクもしないバケーション。 目覚まし時計に起こされず、朝食にはゆっくりとコーヒーをドリップし、新鮮なフルーツをカットしながら流れる音楽に鼻歌をのせて、好きなように新聞や本を広げて午前中いっぱいをゆるりと過ごす。気が向いたら水着に着替えて海へ。思う存分泳いだらランチへ。テーブルを囲み友人や大切な家族と食事を楽しむ。おしゃべりに花が咲き時間を忘れる。午後

tram po line 014

『tram po line』Onna,Okinawa 2021 【大城 亘 プロフィール】 写真家。沖縄県糸満市出身。東京代官山スタジオ勤務後、写真家大森克己氏に師事。2006年独立。2011年より故郷沖縄に拠点を移し、様々な媒体で活動中。

vol.024 ほこちゃん

梅雨入りした八重山は蒸し暑く、湿度を含んだ空気が体に絡みつき、じっとしているだけでもじんわりと汗が滲み出る。刺繍や民具づくりなどの手仕事が好きなほこちゃんは、もうじきやってくるリリちゃんのお誕生日プレゼント用に、リリちゃんが描いた絵を元に手さげ袋に刺繍をほどこしていた。 ほこちゃんは、竹富島に暮らすママ友の1人。私が島の子どもたち向けに開いている「英語で遊ぶ会」には、ほこちゃんの子どもたち2人、長女のゆらちゃんと次女のリリちゃんも通ってきている。  ほこちゃんは、「先天性

vol.023 ドゥナン日記2

春休みに娘と訪れた日本最西端の島、与那国(ドゥナン)島でのできごと。 2日目の朝は、昨年撮影の仕事でお世話になった「ちまんま広場」へ乗馬体験をしに行ってきた。久しぶりに再会する西山夫妻と、初めて会う娘の礼ちゃんの醸し出す穏やかな雰囲気は牧場全体を優しい気で覆っていた。 動物好きな娘は、手綱を引いてくれた真梨子さんの丁寧なガイドにも助けられ、あっという間に与那国馬の虜になっていた。私が乗った馬のシャナは、1年前に撮影の仕事で出会った馬だった。西山さん夫妻との再会も嬉しかった

vol.022 ドゥナン日記1

春休みは、娘と一緒に2泊3日で与那国(ドゥナン)島へ行ってきた。娘にとっては初めて、そして私にとっては約一年ぶりの与那国島だった。 与那国島は、日本の最西端に位置する島で、石垣島からは飛行機で約30分。フェリーよなくにが週に2便就航していてそちらは約4時間かかる。 数年前から度々訪れるようになった与那国島、島に降り立つ回数を増すごとに島の波動みたいなものを少しずつ感じる余裕が生まれてきた。私が暮らしてる竹富島とは全くと言って良いほど違う。  与那国島に降り立ち、最初に向

vol.021 ささやきはヒスイ色

ここ数年、毎年春になると、浮世離れした気分にさせてくれるヒスイカズラの花を観に、石垣島の川平にある石垣島サイエンスガーデン(川平ファーム敷地内)へ足を運んでいる。 Strongylodon macrobotrys と何だか呪文のように長い学名を持つこの植物は、和名をヒスイカズラ、英名をJade Vineといい、原産地はフィリピンで、豆科ストロンギロドン属。現地では絶滅が危惧されている植物で、国際自然保護連合のレッドリストに登録されているそうだ。  ドーム型のハウスの枠組み

tram po line 013

Naha , Okinawa 2021 【大城 亘 プロフィール】 写真家。沖縄県糸満市出身。東京代官山スタジオ勤務後、写真家大森克己氏に師事。2006年独立。2011年より故郷沖縄に拠点を移し、様々な媒体で活動中。

vol.017 ガールズファイトクラブ

物心ついた頃から、強い女の子が好きだった。絵本や漫画、映画の中に描かれる可憐で美しい女の子にも憧れはあったものの、自分の中でカッコイイ!と思えた女の子は決まって賢く強かった。 国の王様を相手にトンチで勝つとか、姫さまと呼ばれながらも植物や生物の学者で巨大な虫を手なずけたりとか、痩せっぽちでチグハグの長靴下をはく少女は、ちっとも強そうじゃないのに怪力でギャング一味を丸ごと退治してしまったりとか、彼女たちは、私の永遠の憧れであり色あせないカッコイイ存在だ。  大人になった今で

vol.016 振り袖姿でモーヤー

私が竹富島に移り住んだ頃、「オムツでハイハイ」していた子たちが、今年のお正月には、「振り袖でモーヤー」を舞っていた。モーヤーとは、竹富島の言葉で「自由舞い。乱舞。歓喜の舞い」のこと。祝いの場や、会の終わりにみんなで楽しく舞う踊りだ。 今年は、新型コロナウイルスの影響により、竹富島での成人式は中止となった。 それでも成人者へお祝いの気持ちを伝えたい島人たちが、公民館前の西塘御嶽を参拝した3名の成人者を囲み、ささやかながら心に染み入るような温かい集いが開かれた。  島生まれ、

tram po line 012

Nakijin , Okinawa 2020 【大城 亘 プロフィール】 写真家。沖縄県糸満市出身。東京代官山スタジオ勤務後、写真家大森克己氏に師事。2006年独立。2011年より故郷沖縄に拠点を移し、様々な媒体で活動中。

vol.015 「島と生きる」をおもしろく

毎年、春休みや夏休みに、小学生の娘と一緒に楽しめる写真のワークショップを企画・開催している。今年は、新型コロナウイルスの影響により、子どもたちへ向けてのワークショップ開催は見送った。 そんな中、石垣島に暮らす「八重山ヒト大学」の副学長をしているCちゃんから、「ヒト大の企画で、石垣島の街を歩いて、スマートフォンで撮影するフォトウォークを開催しようと思うので、一緒にやりましょう」と声をかけてもらったのが夏の始まりぐらいだった。正直、こんな時期に大丈夫かな? とお互いに不安もあっ

【犬、哲学をひろう】 04 / 写真

「沖縄だったら大城というカメラマンがいるからよろしくね。」 私はいま沖縄に住みながら東京にあるQANDOというクリエイティブエージェンシーに席を置いて仕事をしています。QANDOが写真スタジオ「代官山スタジオ」と同グループ会社というご縁もあり、大城さんはお会いしておくべき方だとずっと思っていました。(大城さんは代官山スタジオを経て写真家・大森克己さんに師事。その後独立されています) 哲学者:大城 亘(フォトグラファー) テーマ:はざま 『空を飛んでいるのではなく、地

tram po line 011

Naha , Okinawa 2017 【大城 亘 プロフィール】 写真家。沖縄県糸満市出身。東京代官山スタジオ勤務後、写真家大森克己氏に師事。2006年独立。2011年より故郷沖縄に拠点を移し、様々な媒体で活動中。