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献血に行ってみた

やりたいことはやってみる。2021年からそうやっていくと決めた。
その記念すべき第1弾として、献血に行ってみた。

ずっと献血のことが気になっていた。
大学近くに献血のバスが来ていたし、献血にいくとお菓子をもらえると母親言っていたから。
それと、山崎ナオコーラさんのエッセイで献血の話があっていいなと思ったのもある。

「誰かの血を、他の誰かの体に流そう」という発想はすごい。まさに「人間は社会的動物」だな。
山崎ナオコーラ:指先からソーダ

ここからは、興味本意で初めて献血に行ってみた人間が「献血っていいな」と思うまでの過程を記した『献血レポ』である。
だらだら、かつ心を込めて、書いていくぜ。
興味がある人はぜひ続きを読んでいってくれよな。


某日。
横浜駅から徒歩5分ほどのビルにある『献血ルームLeaf横浜』へ向かった。
ビルの14階にあって、入り口の窓から見える夕焼けがすごくきれいだった。

これが入り口。

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ウェブサイトを見てから行ったのだが、「清潔感のあるネカフェ」がそこでの印象だった。

実際に入ってみると、机と椅子がたくさん並んでいて、奥にソファがあった。
右手に自由に読める本棚があり、左手が受付だった。
部屋の中には思ったより人がいて、20〜30代くらいの人が7人くらいと40代の男性が1人いた。
若者しかいないのは、このコロナ禍だからだろうか。

入ってすぐに受付を済ます。男性のスタッフさんが対応してくれた。
はじめに献血についての説明を受け、注意点などを教えてもらった。
そして献血を受ける適性があるかいくつか質問を受けた。
半年以内に新しい相手と性交をしていたら献血しちゃダメなんだって。
まあ、余裕で大丈夫なんだけど、ちょっと溜めて答えた。
献血後に急にふらついたりしないかとか、不安なことを全部聞いたんだけど、スタッフの人は全部優しく答えてくれた。

今回は、遅めの時間に行ってしまったので成分献血は受けられないと説明を受け、全血献血の400mlを受けることにした。
献血には主に2種類の方法があって、1つが全血献血、もう1つが成分献血だ。
簡単に説明すると、全血献血は体から血を「抜く」。
成分献血は「抜いて、一部戻す」。
全血献血は血をたくさん抜いてしまうので、体力の戻りが遅いらしいが、血を抜いてる時間は15分程度だそうだ。
一方で成分献血は回復に時間がかかる赤血球は体に戻し、血漿や血小板を抜く。戻す分時間がかかり、60〜90分程度かかるそうだ。

説明を受けたら同意書や個人情報を書いて荷物をロッカーに詰めた。
タブレットで献血についての説明を再び受け、質問に答えていく。
終わったら少し休憩時間だった。

部屋の中にはペットボトルの自販機と、淹れたてのコーヒーやラテを飲めるコーヒーメーカーがあって、それらは全部無料だとスタッフの人に教えてもらった。

しばらくしたら呼びますと言われ、トイレに行って戻ってくると、空いてるのかすぐに血液検査に呼ばれた。


献血の前に、血液検査を行った。
これが結構面白かった。まず、目の前で血液型の簡易検査をしてもらった。
自分の血液型は両親に教えてもらっていたけど、実際に調べたのは記憶にある中では初めてだった。
看護師さんに注射で血を抜いてもらって、インフルエンザで使うような簡易検査キットに血液を垂らす。
自分が親から聞かされていた血液型の方がちゃんと反応して、内心ほっとした。
そして、残りの血を検査用の装置に入れて目の前で検査をしてくれた。
自分が何かしらの人体実験をされてるような気持ちになって、すごくワクワクした。

検査で無事献血を受けることが可能と分かったので、一度待合室に戻る。
フードコートでおなじみのブザー音がなる機械を渡され、ようやく待合室でゆっくりすることができた。

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(誰もいない時間に撮影させてもらった待合室の写真)

献血前に500mlのスポドリを飲んできて、と言われたので急いで飲む。
これが結構きつかった。事前にこまめに水分を取っていけば、ここまで飲まされることはないかもしれない。
本棚がすごく気になったけど、このレポを書くためのメモをしたかったのでソファに座ってメモをとる。
周りをみると、みんなすごくリラックスした感じでコーヒーを飲んだりパソコンをしたり、外の景色を眺めたりしている。


15分ほどでブザー音が鳴り、いよいよ献血だ。
ブザーを受付に返すと献血ルームに案内される。
献血ルームは、受付より少し広いくらいのとても清潔な部屋だった。
椅子が3列x10台ずつくらいに並べられて、女性が何人か働いていた。
なんだか歯医者か美容院に来たみたいだな、と思ったがすぐに自分の席へ案内される。

椅子に座るように勧められて腰掛ける。
この辺りから少し緊張して手が汗ばんできたのを覚えている。

担当してくれる人は、50代くらいの優しそうな女性だった。
自己紹介を軽くして、椅子が自動で倒れる。
椅子にはテレビがついていたが、夕方の情報番組が放送されていた気がする。
右手を肘置きに置いて、いよいよ献血が始まる。

「針さすね、少しちくっとするかも」と担当してくれる女性に言われて緊張はピークに。
見ると痛くなりそうなので、前だけを見つめる。
ちくり、と痛みが走って徐々に暖かい何かが腕の上を通るような感覚。
(たぶん、チューブか何かが腕の上にのっていてそこに血が流れたのだと思う)

あたたかいですと言うと、「暖かいよね、生きてるから暖かいよね」と言われ、自分は生きてるんだと思った。

担当してくれた女性は、すごく優しくて、たくさん話をしてくれた。

「なんで献血に来たの?」
「新入社員なのね」
「この辺に住んでるの?」
緊張していたけど、たくさん話しかけられてぐっと緊張が解けた。

「手、少し冷たくなってるね。冷たいと血が流れないの。暖かいもの渡すね」
そう言われて、献血している方の手の中にカイロを手渡された。
そして、その手の上を優しく握って温めてもらった。
久々に人の手の温もりを感じた気がする。
人の手は、人の手を温めるためにあったんだなと思った。
幸い今まで大きな怪我も病気もしたことがないので入院をしたことがないんだけど、きっと入院したらこんな感じなんだろう。
献血はプチ入院体験のようで、不謹慎だけど得した気分になった。

自分は普通の人より時間がかかっているらしく、さらに少し雑談をしていた。
自分はこの日の最後の献血者らしく、でも焦らなくていいと教えてもらった。
周りでは、ぞくぞくと片付けが進んでいく。

20分くらいかかって、ようやく献血が終了。
担当してくれた女性にお礼を言って部屋を出る。


その後、係員から献血後の注意を受けた。
(トイレは小でも座ってした方がいいなど。献血後は貧血で倒れる可能性があるらしい。)
説明が終わって、しばらく待合室で休憩していくようにと言われた。
初めてだと30分、慣れてきたら10分ほど休憩していくのが良いらしい。

献血した人全員がご褒美にもらえるハーゲンダッツが美味しかった。
その他、いろんな景品がもらえた。
見出しの画像は、『はたちの献血』として山之内すずさん、ぺこぱの2人のイラストが描かれたハンカチの写真で、キャンペーンで無料でもらうことができた。
しゅうぺいポーズがかなりかわいいので気に入っている。

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そろそろ帰ってもいい時間になったので、受付の人にお礼を言って帰る。
最後の1人だったので、また少し喋ってしまった。
SNSにアップしてもいいかと聞くと、ばっちりオッケーとのこと。
ツイッターをフォローしてリツイートするとハッピーターンがもらえると教えてもらって、素直に従う。
そして、待合室の写真を取らせてもらって、部屋を後にした。

全部合わせて結局1時間半くらい献血ルームにいたことになる。
初めての時は、このくらいを見ておくのが良いと思う。
初めての人に参考になりそうなことをまとめておく。

・献血前はできるだけ飲み物を飲んでおく(できれば暖かい飲み物で)
・初回は時間の短い400mlの全血献血をお勧めされた
・時間は混んでなければ1時間半を見ておけばいいと思う
・受付の人たちはすごく優しいので、なんでも不安だったら聞いた方がいい
・日赤のウェブサイトに必要な情報が載ってるのでチェックしていく


レポはここまでです。
なんとなく興味本位で行ってみたけど、こんな大作のレポを書かせるくらいには「献血に行って良かった」と思っている。
母親が言っていたように、飲み物も食べ物も無料でもらえて、さらに景品もたくさんもらったんだけど、それ以上に心がすごく暖かくなった。
血液を提供する人がいて、採血する人がいて、それを提供する場所があって、血液を受け取る人がいる。
社会とつながっている。血がめぐっている。
それを実感したからだろうか。

献血に興味がある人!
ぜひ献血ルームを覗いてみてください!

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