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律儀だから

メイクやファッションを見て「変だ」とくすくす笑われ、少し太れば「痩せないの?」なんて言われて

その度にわたしは律儀に傷ついて、でもなんかそう言われることによって生きてるなぁって実感なんてひとつもわかなくて

生きてはいけない理由をまたひとつ見つけてしまったというか、そう言われた感覚になってしまう

自分の好きなメイクやファッションで外を歩いていてもなんだか周りがこっちを見て笑っているような気がして、いつの間にか家から出なくなってしまった

家から出る時は、自分が変だと思うメイクとファッションをするようになった
自分が変だと思っていれば周りからいくら「変だよそれ」って言われたって傷つかずにその意見を受け入れることができるから

いじめられていた時から私の時は進んでいない

気持ちはまだ中学高校のままで、見た目だけがどんどん歳を重ねていくから心が追いつかない

それが顕著に現れてしまうのがメイクやファッションで、見た目も心も同時に成長していっている人からしたら、私は「変な人」なのだろう

発言一つひとつに律儀に傷ついて、心はもうズタズタになって、それでも死ぬ勇気もないし、かと言って生きる勇気もない

心の傷の癒し方などはわからないし、ここまで傷ついてしまった心がちゃんとみんなと同じような形に戻るのかもわからない

もしかしたらツギハギだらけで欠けているところもきっと多々あるんだろう

昔の口癖は幸せになりたい、だった

いじめられている時も、家族で意見のぶつかり合いなどが起きた時、はたまた何もしていない時、色んな時に「幸せになりたい」と呟いていた

鬱になってからは幸せかどうかはさておき、普通の人間になりたいと思うようになった

鬱になって目に見えない自分の心が音も立てずに壊れてしまったんだと思うと、ツギハギでもいいからみんなと同じような心を持ちたい

壊れたあとも散々に痛ぶられた心が元に戻るなんてない、きっと、多分、ほぼ、絶対ない

元あったところにくっつけたとしても形も何もかもが変わりすぎている

普通の人間になる、なんて私にはもう無理なんだと思う

現実なんてそんなもんだ

考えるだけで涙が出てくる

今日も明日も、死ぬその瞬間まできっと本当の私は押し殺して普通の人間のふりをするんだろう

本当の自分じゃないのに仲良くしてくれている人に罪悪感を抱きながら

傷つくのが怖くて本当の自分を曝け出せない弱さで、自己嫌悪で押し潰されそうになりながら

私の部屋にはユリの花が1本、花瓶に刺されている

本当の私への弔いに、少しでもなればいいな

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