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あの日逃げて良かった

こんにちは。spuntoです。


この先も働くことは当たり前で、辞めてはいけないと思っていました。

それは、仕事を辞めたら生活できなくなるという怖さと、
辞めた先の未来が想像できず怖かったからです。



慣れない仕事も時間が経てばできるようになる。
もし半年でできなくても、1年でできるようになる、だから大丈夫。


そう思っていたわたしが、もうすぐ1年という時に仕事を辞めました。


わたしは15年働いた職場を退職し、その翌日に別の会社へ入社しました。
新しい仕事がしたい、環境を変えたいという思いがあり、計画的に行った転職でした。これはその職場での話です。


新しい職場


新しい職場はお給料や勤務時間が理想的で、仕事内容も興味があり
自分の経験が活かせそうな内容でした。

立ち上げて2年目でパートさんで業務が成り立っているところに、
正社員として入社しました。


イチから業務を作って行くことは、過去の経験から大変さを知っていました。
今回は先に運用している人がいて、教えてもらえるので大丈夫だろう、と思っていました。


そこで働くパートさんも、まだ2年目と経験が浅い人でしたが、
2年で少人数でも仕事を回していけるような内容なら安心だと、ゆるく考えていました。



実際は、とても甘かったことを思い知りました。


まず、業務に入る前の段階からわからない。


例えば

社内で使うツールの使い方がわからない。
社員用ツールはパートさんが使っていないため聞く人がいない。
社内だけでなく、取引先と使うツールもある。


メールの設定を自分でしないといけない。


PCの知識がないわたしはあり得ないと思いました。
(元々設定されているものしか使ったことがなかった。。。)

甘いですか?



入社2日目から、抽出方法も知らないデータランキングを出し、分析をするように課題が出る。
営業戦略ミーティングにいきなり参加になる。


え?一般事務の求人募集だったはず。。。


使い方のわからないサイトをいくつか使いこなさないといけない。
PCトラブルがあっても自分で調べて解決しないといけない。
使っている言葉すら、今までの職場では聞いたことがないものばかり。


KPI?
UU?
CV?
LP?


とはなんぞや?(WEB系の知識いっさいなし)

入社1週間後

入社して1週間は、質問しようにも、言葉を聞き取ることすらできませんでした。


日本なのに、外国人になった気分でした(笑)


業務は教えてくれますが、順番通りでなく案件が起こった時に伝える、という教え方で、全体像の見えないわたしには理解が難しく感じました。
もちろんマニュアルなどなく、教わったことをまとめて自分でマニュアルを作ることを頼まれました。


わたしが過去に業務を教えていた時には、まず全体像を伝えた上で、自分の作業を2回ほど見せ、本人に行ってもらっていました。
もちろん隣で見ながら。


ここは雑な教え方だな、と思いました。

キツい言い方のパートさん

入社して半年経つ頃になっても、理解する間もなく次々と新しい内容が増え、
きちんと理解ができないまま聞きながらこなす、という状態。
何をしているか業務の目的を全くわかっていませんでした。


習うより慣れろ、というやつです。



パートさんのうち1人はわたしよりも10歳以上は年上でした。
職歴が多く、数々の職場を渡ってきたようで、PCやサイト、お客さん対応など全てにおいて能力がとても高い方でした。


その方の言い方がとてもキツく、わたしとは合いませんでした。



『ちょっと何言ってるかわからない。』
『なぜそう考えたのかわからない。』
『書くばかりでなく頭に入れた方がいいですよ。』
『聞くばかりでなく自分で考えないと、いつまで経っても覚えられませんよ。』


よく言われていた言葉です。
こんな言い方しなくてもよくないですか?


その方は気分屋なところがあり、機嫌のいい時は丁寧に教えてくれます。


ただ、いっさい電話を取ってくれませんでした。
わたしは慣れない業務を調べながら行っているので、人の2倍以上時間がかかるのですが、間でお客さんの問い合わせがあれば対応しなくてはいけません。


電話も習うより慣れろ、です。


もちろん対応もわからないことだらけで、自分で判断ができないためいちいち聞かないといけないし、対応一つ終わらせるのにも加えて時間がかかっていました。

また、取引先との対応もあるのですが、わたしに決定権はありません。


1年近く働いても、自分で判断ができないことにものすごく窮屈感がありました。

逆に自分で考えて判断したことも、なぜそんな判断をしたのかと言われる。

だったら、電話代われよ!とイライラしていました。

けれど1番後輩のわたしは何も言えない。
何か言うと教えてもらえなくなったりしても自分が困る。

パートさんも誰かに教わったわけでなく、自分たちで考えて仕事を回してきたとのこと。



この人たちは能力が高すぎたから、少人数でもやってこれたんだ。
こんな人数でできる業務内容ではない。
わたしの能力が低すぎるのか。。。



新しい経験ばかりで、初めは楽しいと思えましたが、
わからないことが積み重なると、何がわからないのかを説明すらできなくなりました。

入社9ヶ月後

入社して9ヶ月後、取引先のミスで大きなトラブルが起こり、
その対応に追われることになりました。


通常の業務すらこなせていないわたしが、トラブルを考えて解決するのは難しく、
どう動いたらいいのかいつも以上に全くわかりませんでした。


足手纏い以外の何者でもなかったです。

別の取引先から対応について聞かれますが、わたしは全く答えることができず、それについてもパートさんになぜ答えられないのか、と聞かれました。




もう、無理かもしれないな



この頃、認めたくなかった気持ちがだんだん表に出てきていました。


でも、自分の選んだ転職先を否定したくない。
自分の判断が間違っていたかもしれないと思いたくない。


両方の気持ちの間で揺れていました。



仕事用に配布された社内携帯があり、家に帰っても毎日メールをチェックしていました。

義務ではありませんが、しないと仕事についていけなかったからです。


けれど、寝ても起きても家でも会社でも仕事をしている気分で、とてもしんどい状態が続きました。



わたしは我慢強いのです。


それが長所でもあり、短所でもあるのです。
辛くても、我慢ができてしまい、体調を崩すまでわからないのです。

保育士の時もそうでした。

入社10ヶ月後

入社して10ヶ月経つ頃には、質問することもし辛くなり、ものすごく気を使うようになっていました。

声が出しにくく、手足が冷たくて、常に緊張している状態。

業務のこと以外雑談もなく、話しかけてくれることもない。



わたしはいつまで頑張れるんだろう。



1年経ったら、もっとできるようになるかな。
とりあえず1年目は、データを集めて、2年目から応用できるのかな。


けど、このままの状態で自分の判断で動ける時がくる気がしない。。。


もう無理だ

11ヶ月経つ頃、わたしのした取引先への対応が、間違っているとパートさんに言われる出来事がありました。


電話を隣で聞いていて、切った後に言われたことです。



もう、無理だ。



その思いを認めてしまった時に、言葉が出ていました。



『教えてくれて感謝していますが、言い方がキツくて辛いです。』




こんなことを言えそうにない相手に言ったのは初めてです。

それに対して、パートさんに言われました。

『わたしも、ストレスで限界なんです。
あなたの業務進捗状況が遅すぎて。わたしも言いたくないです。
けど、きつく言わないとわかってもらえないと思って。
じゃあもう、聞かないでくださいね。キツく言うの嫌なんで。』




ああ。やっぱり無理だ。

今日付で辞めよう。





そう思い、そのパートさんの休憩中に、別のパートさんに謝って会社を出ました。


そのまま社長のところへ直行し、いい大人が泣きながら訴えました。


『無理なことを言っているのはわかっています。常識であり得ないのもわかっています。でも、本日付で退職させてください。』





そしてその日から3日後に退職となりました。



自分って、こんなに使えない人間だったのか。
というか、自分にできると思っていたのか。
人よりもできないことが多いくせに、何でできる気でいたのか。



ものすごいショックでした。

常識的だと思っていた自分が、こんな非常識な辞め方をしたことも、仕事から逃げたことも、自分にできる仕事と勘違いしていたことも、この年齢で自分のことがわかっていないことも。



この日から1週間は、お昼ごろ起きて、何をすることもなく家にいて、自分の情けなさにふと涙が出て。。。。のようなことを繰り返していました。


立ち直ることに時間がかかりました。


このあたりの時に書いた記事です。

逃げるが勝ち


辛いことがあった人は乗り越えた時その分逞しくなるのです。


過去に他にも辛いことがあったはずですが、詳しく覚えていないのも自分が乗り越えたからです。

どんな時も、色々悩んで試して乗り越えて今があるんです。


あれから2ヶ月が経ちましたが、わたしはあの時逃げて良かったと思います。

逃げなかったら心を病んでいたかもしれないし、もっと長く回復にかかったかもしれない。


あの時の自分の判断は正しかった。
あの時に比べたらストレスフリーで幸せです!


仕事を辞めることが、すごく怖かったんです。

無職、という状態が想像できなくて、知らなかったから怖かった。
けれど、いざ無職になってみたら何とでもなるな、と思えました。

失うことが怖かったけど、いざ失ってみると大したことなかった。
ただ経験がなかったからビビってただけでした。


過去の自分が頑張って貯金してくれたおかげで生活に困ることがないし、
今は会社に行かなくても働く方法がたくさんある。


逃げるが勝ちでした。


この経験は、ただのデータだと今は思っています!
人に話すネタになったな〜くらい。



一度無職を経験した人は強くなれます(笑)

大丈夫。
いつからでも何回でもやり直せる気がします。


長い文章にお付き合いくださり、ありがとうございました。

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