【連載】セ・パ名曲歌合戦 〜特徴ある振り付け編〜
こんにちは、入社2年目の野球好き社員・カマタです。
夏の甲子園も終わり、プロ野球はシーズン終盤に差し掛かっています。まずはパ・リーグですが、すでにソフトバンクに優勝マジックが点灯しており独走状態です。こうなると、昨年のようにクライマックスシリーズ進出をかけた戦いにも注目が集まりますね。一方、セ・リーグは熾烈な上位争いが繰り広げられており、優勝争いから目が離せません。
また、この時期になると個人タイトル争いも気になり始めるところです。打者では昨年同様セ・パともに3割打者が少なく、そろそろ史上初の2割台首位打者が誕生するのではと言われております。投手では、規定投球回未満ながら中日の高橋宏斗投手が防御率0.96(8/26時点)という圧倒的な成績を残しており、1943年藤本英雄さん(巨人)の防御率0.73更新に期待がかかります。
そして今回ですが、いつもと少し視点を変えて応援の「振り付け」をテーマに記事を書かせていただきます。一般的に応援の振り付けというと、高校野球のチアリーディングのイメージがあるかと思いますが、プロ野球では球団や応援ごとに独特の振り付けがあるので、いくつかご紹介していきます!
稲葉ジャンプ(稲葉篤紀さん)
稲葉篤紀さんは外野手兼一塁手としてヤクルト、日本ハムで活躍され、2012年には通算2000本安打も達成されました。2008年の北京オリンピックや2009年のWBC日本代表にも選出をされています。また、選手としての実力だけでなく、走塁時や守備位置につく際常に「全力疾走」をすることでも有名でした。引退後は打撃コーチや監督として日本代表に貢献し、現在は日本ハムの2軍監督を務めています。
そんな稲葉さんは日本ハム時代の応援歌が非常に有名で、通称「稲葉ジャンプ」と呼ばれています。「稲葉ジャンプ」とはチャンスの場面で稲葉さんが打席に立った時、ファンファーレに合わせてファンがジャンプをする応援のことです。稲葉ジャンプの曲がかかると、札幌ドームではバックスクリーン付近にあるカメラが揺れ、テレビにはまるで地震が起きているかのような映像になることもあります。
ちなみに稲葉ジャンプの発祥は2006年フルキャスト宮城(現楽天生命パーク)での試合だそうです。鳴り物応援禁止の同球場でチャンス時限定のファンファーレを声で表現するも、盛り上がりに欠けたことから、ジャンプを付け加えたところ定着したとのことです。制限がかけられたことでより一層盛り上がる応援を作り出すという、日本ハムファンの意地のようなものを感じますね。
稲葉さん引退後の2022年には、「FIGHTERS CLASSIC」というイベント期間中、清宮幸太郎選手の打席で稲葉ジャンプが演奏されたそうです。最近好調の清宮選手だけに、ぜひ「稲葉ジャンプ」の継承が実現してほしいですね。
スクワット応援(広島カープ)
広島カープと言えば、広島県民に愛される地域密着型球団として有名です。芸能界でも広島県出身の有吉弘行さんがカープファンとして知られています。お笑い芸人では徳井義実さんもカープファンであり、ペットの猫にミコライオ、エルドレッドと、かつてカープで活躍した助っ人外国人の名前をつけております。
そんな広島カープの応援の特徴は「スクワット応援」です。スクワット応援とは、文字通り応援のリズムに合わせて、スクワットをする応援方法のことです。
記事によると、1993年のオープン戦、観客が応援歌に合わせて立ったり座ったりしていたものが徐々に波及していったとのことです。カラオケで適当に入れていた合いの手が徐々にはまっていくような感じでしょうか(笑)?この自然発生的なノリが20年以上にわたり定着しているのは驚きですね。
そしてスクワットと言えば、ダイエット効果があることでよく知られています。体重60kgの人がスクワットを100回行うと70kcalを消費するともいわれていますので、野球観戦を楽しみながらダイエットもできて、一石二鳥ですね!
※ビール350mlは約140kcalですので、200回スクワットをするとビール1杯が0kcalになります!
読者の皆様も少しずつカープのスクワット応援に興味を持ち始めたのではないでしょうか?実際に球場へ足を運んでみようと思った方もいるかと思います。しかしいざ応援をするとなると、1つ大きな問題が発生します。それは、スクワットをする際の服装です。ジムなどでトレーニングを行うときはジャージを着るのが一般的かと思いますが、ジャージで野球場には行きづらいという人もいますよね…。そんな方々も安心してください!2024年5月に「広島東洋カープ応援用デニムパンツ」なるものが発売されたのです!広島には「カイハラデニム」というデニム生地製造の世界トップメーカーと「マツオカコーポレーション」という日本最大手の縫製メーカーがあるのですが、この2社と「洋服の青山」がコラボして実現しました。
オンラインストアでは即完売だったそうですが、実店舗での取り扱いもあるようです。ぜひ応援用デニムをはいて、スクワット応援を楽しんでみてください!
チャンステーマ2民族大移動(西武ライオンズ)
西武ライオンズと言えば、以前この連載でも秋山幸二さんの応援歌で紹介させていただきました。その際は応援歌の原曲にまつわる話をしましたが、今回は振り付けということでチャンステーマ2(民族大移動)についてのご紹介です。「民族大移動」と言われて「?」が浮かんだ人も多いのではないでしょうか?
一般的に「民族大移動」とは、4~6世紀にヨーロッパで起こったゲルマン人の大移動…。という話をしたいわけではありません(笑)。実はこのチャンステーマ2では、ファンが応援に合わせて右に左に移動をすることから、このような名前が付けられているのです。
野球場で右に左に移動するなんて想像ができないという人もいるかと思います。野球場あるあるですが、一度席に座ってしまうと動きづらく、列の真ん中に座る人はトイレに行きにくい、売り子さんからビールを受け取るのも一苦労というイメージがありますよね。それでも民族大移動が実現した背景には、かつて西武球場の外野席が芝生だったことが影響しています。通常野球場では内野も外野も一人一席用意されているものなのですが、西武球場では公園のように芝生の上に座るため、応援の際の移動もしやすかったのです。
現在は芝生席がなくなっているため、以前ほどの動きやすさはありませんが、大移動の文化は受け継がれていますので、ご安心ください。
ちなみにこの応援歌、元はかつて西武に所属した清原和博さんの個人応援歌として使用されていたのですが、清原さんが西武を去った後にチャンステーマとして採用されました。ですので、始球式などのイベントで清原さんが打席に立つと今でもこの応援歌が演奏されることがあります。
西武ライオンズでは今年の4月にOB戦として、工藤公康さん、秋山幸二さんらかつてのスター選手が集まって試合をするイベントが開催されました。このとき清原さんは参加されていませんでしたが、機会があればまた清原さんの打席でこの応援歌を聴きたいですね!
タオル(オリックス・バファローズ)
オリックス・バファローズは、個人的に歌詞・メロディーともにかっこいい応援歌が多いと感じる球団の一つです。原曲がある応援歌はほとんどなく、和田益典さんを中心とする私設応援団「大阪紅牛會」によって作詞・作曲をされています。
個人的にオリックスの応援で特徴的と感じるのは歌詞の部分で、「勇猛果敢(ゆうもうかかん)」、「紅蓮の閃光(ぐれんのせんこう)」、「狼煙(のろし)」、「武士(もののふ)」など他球団とは一線を画す表現が数多く利用されております。
ノリの良い合いの手も特徴で、最近では頓宮裕真選手の応援で使われる「ホイサー」という掛け声は初心者でも楽しみやすいノリになっています。
※「ホイサー」とは?
YouTuberカジサックさんの次男コジサックさんのギャグ。
頓宮選手はホームラン後のパフォーマンスやヒーローインタビューにて「ホイサー」と叫ぶのが恒例となっており、応援歌の合いの手にも取り入れられたと考えられます。
また、オリックス・バファローズは過去にオリックス・ブルーウェーブと近鉄バファローズが合併した球団ということもあり、近鉄バファローズ、オリックス・ブルーウェーブ時代の応援歌も使用されています。そんな中で振り付けが特徴的なのはチャンステーマの「タオル」という応援です。
こちらの応援は近鉄バファローズで使用されていたものが、そのままオリックス・バファローズになっても受け継がれています。近鉄バファローズはかつて「いてまえ打線」と呼ばれ、タフィ・ローズさん、中村紀洋さんを中心とする打撃力に定評があり、点を取られても取り返す豪快な野球が持ち味でした。「タオル」の応援歌においても、歌詞に「ヤマを張る」や「一か八か」などの表現があることから、近鉄バファローズのチームカラーが表れていますよね。
振り付けについては、オリックス・バファローズのマスコットキャラクターバファローブルが球団HPで解説をしています。
他球団のファンからすると、チャンステーマでタオルを使った振り付けがあることはわかっているのですが、見ているだけではなかなか覚えられません。応援の振り付けができるようになれば、オリックスファンを堂々と名乗れると思いますので、ぜひ覚えてみてください!
ということで、今回は「振り付け」が特徴的な応援についてご紹介させていただきました!
夏の暑さが落ち着いてくる時期ですので、外野スタンドで動きながら応援するのも楽しいかもしれません。シーズン終盤となり順位がみえてくる頃かと思いますが、今シーズンもぜひ最後までプロ野球をお楽しみください!
カマタ注目のスカパー!番組
「巨人軍90周年企画 あなたが選ぶ巨人ベストゲーム第28弾(再)2009年9月4日 木村拓也キャッチャーとして緊急出場」 9/22(日) 1:00~5:00
巨人ファンなら誰もが知る有名な試合となります。この試合、延長11回にキャッチャーの加藤健選手が負傷交代となり、巨人は控えのキャッチャーを使い切ってしまいます。絶体絶命の状況で急造捕手の役割を務めたのが、内野手の木村拓也さんでした。原監督が守備を終えた木村さんの肩を抱くシーンなど、見所満載です!
「日韓ドリームプレーヤーズゲーム」
日本、韓国のレジェンドプロ野球OBが集まり、一夜限りの真剣勝負が繰り広げられました。今回ご紹介した稲葉篤紀さんも出場されており、「稲葉ジャンプ」も聴くことができます!プロ野球ファン必見のイベントになっておりますので、ぜひご視聴ください!
※放送は終了しておりますが、2024/12/31まで「スカパー!番組配信」にてご視聴可能です。
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