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営業組織をDXするのにはどうしたらいいか。

営業組織の話

良い循環を産む営業組織を作るのにはどうしたらいいか?
営業DXするためにはどうしたらいいか?
KINTONEをMarketoをSalesforceを!
最近であれば、
生成AIを導入したけど、実際に活用されていない!

つまり、「ITツールを活用したいんだけどどうしたらいいか?」

今日はこの辺りの話を真面目にしていこうと思う。
長いです、マジで。

さて。
こういった悩みを解決するには
スケジュール感として1年くらいかかる前提であることも念頭におきたい。

最初にKPI設定などを行いたい!ツールの設定をガンガンやってほしい。
とかよく聞くがそれは少し間違っている。

DXと聞くと、基本的には

・ツールの設定やツールを活用していこう。
・ツール費用をめっちゃかけているのに使っていないのは勿体無い。
という発想から

・どのツールを使っていこうか。
・ツールがあるからKPIの設定もすぐできる!さあやってくれ!

みたいな発想になるがツールを使うということは
組織を変えていくということ。
つまり、ツールを使いこなすのは本質ではない。

実際のところ営業組織を変えていく、ツールに合わせたDX化していこうとなると
まずは現状のフローの確認が必要。

営業マンは
・楽して営業したい。
・良いお客さんだけほしい。
・楽して稼ぎたい。
・めんどくさい。

という性質をよく持っていると思う。
もちろん、人によるが、その辺りの人は
私の経験上、多い気がする。

それは置いておいて
現状の確認と理想の営業フローというのを考えないといけない。

その上で営業マンと個別に対話していく。
現状どのように営業マンが動いていて、どういうツールで記録したり使ったりしているのか
はたまた使っていないのか。

みんな急ピッチで物事を進めようとするが、なかなかそういうわけにはいかない。
企画部とか、推進部とかが、描いていた理想と現実を照らし合わせる必要がある。

現状を複数の営業マンからしっかりとヒアリングを行い現状のフローを確認する。
そのフローを見ながら自分たちの理想のフローと照らし合わせる。
その中で、見えてくるものが必ずあると思う。

現実のフローも聞いてると人によって異なったりして。
その辺りの調整を営業会議とかで地道に行っていく。

その上で、理想のフローを営業マンにどう思うかをヒアリングしていく。
すると、それは無理だなとか。それはいいな。とかやりたいとか。色々営業マンから出てくる。

その中で現実のフローとどこを理想と置き換えていくのが最も理想か?
というのを考えていく。

みんなと色々意見を重ねていく上で、
初めてツールの問題を出して良いと思っている。

うちが導入しているツールはここのフローを簡易化できるよね。とか。
そこは自動化できるよね。通知出せるよね。とかとか。

ツールによってその辺は色々あるのでツールによってできることをまとめていく。
その営業フローの中で、ツールで代用できる部分を決め、
またそれを営業マンに相談をしていく。

こういうことをツールでできるけど、どうかな?とか
色々相談していく。
反応が悪くて、ツールが微妙だったり、できることがあんまりなければ、ツールを解約することも検討したい。

結局ツールはお助けツールなのであって、
全てを助けてくれるわけでもないし、ツールを無理に使いこなす必要もない。

私の関わった会社で整理した結果、ほとんと全ての営業ツールを解約した会社もあった。

理想の営業フローの中で
ツールの使用方法が決まり、営業マンとも合意が取れた時点で
大体1〜2ヶ月後にその理想図をやろうというキックオフ会を設定する。

そのキックオフまでにツールの使い方や、再度こういうふうに決めたから
よろしくね。みたいな会をやりまくる。

それで早い組織で大体半年はかかる。

ここで何故半年かかるか?というのを少し考えたい。

もちろん、これよりもっと早いスピードで決めることもできる。
が、人間そんなに早く変われない。
営業マンと常に相談、ヒアリングしているのは、
組織を変えていく側と現場の温度感を合わせるため。
共通課題、共通認識を持ってもらうこと。これが重要だからだ。

もっと簡単にいうと仲良くなってほしいからだ。

ベンチャー企業の小さい会社で超トップダウン。
みたいな会社であったとしても
現状のフローや、やり方を変えるのは、なかなか難しい。

ここはあえて時間をかけて、全員の頭の中にこうなったらいいな、という理想的な働き方をイメージしてもらえるのが大事で、

その中で旗振り役の信用度や、熱意、本気度みたいなのもかなり重要なものとなるので、あえて時間をかけている。

みんな日々の業務で忙殺されているし、新しいことは怖い。
今のやり方を変えたいと思っていても新しいことを覚えるのはめんどくさい。

でも理想がそこにあって、掴めそうならどうだろうか。
みんながやる気を持って取り組んでくれるし、
みんながやるなら自分もやろうとなる。

組織作りは人間そのもの。
社長は誰よりも営業マンなので、大体この辺は理解してもらえることが多い。

結局感情論なの?
と思うかもしれないが、
人間を動かす上で必要なのは、感情をどう動かすか?だと私は思う。
なので、いかに論理的なやり方、仕組みがあったとしても、
みんなの感情や意見は絶対に無視してはいけないと思う。

そして、話を戻して、キックオフが終わる。
すると、実際に想定していない問題がおきる。

実際やってみるとできないとか、サボる人も出てくる。

そこで、ツールがあるなら、ツールの機能を使って改善してみるとか。
様々な問題を営業マンや、関係者から吸い上げて、修正して行ったり、ここは無理か。
とか、諦めても良いし、色々決めていく。

そうやって、具体的に回る営業フローを作り上げていく。
ここまでやっていくと、大体1年くらいかかる。

だが、ここまでやると良い感じにデータが溜まっていく。
新しく入ってきた新入社員や、転職してきた人たちもそのフローに乗っかっていくだけなので、
オンボーディングもスピード感を持ってやっていける。

そして、DX化できている部分が多く出てくるので、
管理職の人たちが実際に営業マンの本当の意味での営業フローをリアルタイムや週次で確認できるし、データも取れてくる。

ここで初めてKPIが効いてくる。

単純に商談件数が何件で、その中で何件受注したか?など。

この2つの情報でさえ、取れていない組織も多くあるが、
これさえ取れれば、逆に細かくKPIを決めていける。

そのKPIを設定した上で、営業の中身を変えていく。
顧客の取り方が悪いのか。資料が悪いのか。具体的にどうするべきか?という話ができる。

KPIをはじめから決める会社も多くあるが
実際にどのくらい商談件数があって、実際のハウスリストは幾つで。
みたいなきちんとCRM、SFAの管理ができている会社も少ない。

営業マンの個別のデータが出ると
できる営業マンとできない営業マンの差が出ていることもわかる。

そうすると先にも述べた通り
フローの問題なのか、顧客の取り方が悪いのか、選び方が悪いのか。
単純に商談件数が良くないのか、などいろんな視点から変えられるようになる。
ここで初めて、組織全体と営業マン個別のスタートとゴールが明確になる。

ここまで行えて、営業DXだと私は考える。

ここまでいくと
じゃあこういう風に資料を変えていこう。
みんなでこういう言い方をするとお客さんに刺さるらしいとか。
こういうお客さんはターゲットじゃないから
マーケティングでフォローしてもらおうとか。
より具体的な話が定例会議などでできるようになってくる。

そして定点観測を行い、組織が良い循環、PDCAを産むようになり
売り上げが伸びていく。

ここで重要なのは、ツールの力だけではないということ。

現場の人間をいかに尊重しながらみんなで理想を追い求めれるか?

ということ。
営業マンは外に外に、お客様お客様となってしまい
社内での働き方についてはあまり意見を言わない人も多い。
しかし、きちんと対話をしていると仕事のやり方に対しても意見をくれるようになるし、組織というものに対して
対話をしてくれるようになる。

こっちが歩み寄れば対応してくれる。
人間そんなもんだと私は思う。

重要なのは、現場のツールを使う「人」であって
ツールではない。

ツールはあくまで補助なので、代わりに営業はしてくれない。
ここ最近出てきている生成AI系のツールも同様で、ツールは補助にしかならない。

実際にツールで時間を短縮したとしても、短縮した分売り上げが伸びているか
コストが削減できないとおかしいのだが、
なかなかそこまでできている組織には出会えない。

結局はみんなサボりたいし、楽したい。
作業時間が短くなれば、タバコを吸うし、お茶を飲むし、スマホを見る。
人間そんなもんで。

今回は営業組織を事例に話したが、
マーケの組織や、他の組織を作るときもそうで、
ツールを入れたけど、活用できていない。
実際に売り上げに貢献できていない。コストが下がっていない
みたいな会社を多く見かける。

それが一番もったいないのだ。

あくまで、ツールは補助的なツールなのであって
実際にツールを使わなくても幾らでも組織は変わっていける。

Googleカレンダーだけで組織が変わっていった事例もあるし
会議を定期的に開いて、エクセルだけで組織が変わった事例も多くある。
ITツールはとても便利だが、実際、どの業務とどこを置き換えれるか?
というのが重要なのであって、

ツールを使うことを目的とするのは本質ではない。

ツールを使う人、組織が現状の業務の一部をこのツールでどう置き換えれるか?
という視点を常に持ってほしい。

長い投稿を見てくれてありがとうございました。
以上。

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