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犬の散歩

僕の家では犬を飼っていました。

ジョンという名の犬でした。

人懐こくって、決まった時間になると、散歩に連れて行けとワンワン鳴いて知らせました。

僕はジョンと散歩に行くのが好きで、近くの田んぼの道を走ってました。

小学生時代のある日のことです。

いつものように散歩をしていたら薄暗くなっていました。

ある家の前を通りかかったところ、突然、ジョンが驚いたようにギャン!と一声鳴いて勢いよく走り出しました。

僕は一瞬のことでなんだか分からなかったのですが、ジョンの突然の引っ張りに着いて行けず道に倒れてしまいました。

しかも、散歩ひもが手に絡まりそのまま勢いよく引きずられてしまいました。

すぐひもが手から離れてくれたので良かったのですが、引きずりの刑ってこんな感じなのか思いました。

恐らく、ジョンがビックリしたのは、ある家に差しかかった時です。そこの家の人が縄跳びをしていたと思うのですが、薄暗かったのでそのシルエットが得体の知れない何かに見えたのかもしれません。

何が起きたのか呆気にとられたので、泣くことも忘れて家に戻りました。ジョンは先に家に戻って平然としていました。

転んで引きづられたのは古いアスファルトの道でしたので、体中すり傷ができてしまいました。手のひらは皮がむけてしまいました。

家に着いてから、ビックリしたのと怪我の痛みで大泣きしてしまいました。

一瞬のことでしたが、僕とジョンの立場は逆になってました。

でも引きづられるのは嫌だなぁ。

FIN


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