見出し画像

第1回SPROUND STARTUP WORKSHOP「スタートアップ期のカルチャーデザイン」

みなさん、はじめまして!
学生インターンとして、SPROUND立ち上げ・運営に従事しております辻良太朗です。本日9月28日にSPROUNDは正式オープンを迎え、遂にこの日が来たかと嬉しい気持ちで一杯です、、

さて、今回は2020年8月中旬にプレオープン中のSPROUNDで開催されました、第1回SPROUND STARTUP WORKSHOPの模様をお伝えしていきたいと思います!

記念すべき第1回は、モデレーターとしてDNX Venturesの稲田氏が登壇、ゲスト講師にKESIKI INC.の石川氏と内倉氏をお招きし、「スタートアップ期のカルチャーデザイン」をテーマに実践型のワークショップを行いました。本イベントにはSPROUND入居者はもちろん、DNX Venturesメンバー、そしてその投資先のスタートアップの方々にもご参加頂きました。

シード期のスタートアップにとっては、なかなか取り組みづらいカルチャーの根幹であるミッション・ビジョン・バリュー(以下MVV)の策定ですが、今回はそんな重要テーマについて一度みんなで考えてみました。

画像1

石川 俊祐 Shunsuke Ishikawa (写真左)
KESIKI INC.  Partner, Design / Innovation
1977年茨城県生まれ。ロンドン芸術大学Central St. Martins卒業。Panasonic Design Company、英PDD Innovations UKのCreative Leadを経て、2013年に帰国後IDEO Tokyo立ち上げに従事。Design Directorとしてイノベーション事業を多数手がける。BCG Digital VenturesにてHead of Designを務めたのち、2019年、KESIKI INC.を設立。現在は日本を代表する「デザイン思考」実践者として、企業のブランディング・組織デザイ ン・教育プログラムの開発から新規事業創出まで、数々のイノベーションプロ ジェクトを主導する。
内倉 潤 Jun Uchikura (写真右)
KESIKI INC.  Partner, Finance / Organization
東京大学経済学部在学中に学生向け広告事業、eコマース事業等、複数のスタートアップ創業を経験。卒業後はバークレイズ証券東京オフィスに入社。投資銀行部門にて、コンシューマー関連企業のM&Aおよび金融機関の資金調達アドバイザリー業務を経験。2015年からはユニゾン・キャピタル入社。主にホスピタリティ領域の投資を担当。組織体制構築、オペレーション改善、新規事業立ち上げなど、幅広い分野でハンズオン型の投資先支援を手掛ける。2019年KESIKI設立。事業投資を主導するほか、組織デザインなど のプロジェクトを担当する。

画像2

稲田 雅彦 Masahiko Inada
DNX Ventures  Investment VP
東京大学大学院修了(コンピューターサイエンス)。大学院にて人工知能を研究し、その後博報堂に入社。新規事業開発、統合コミュニケーション戦略、クリエイティブ開発に携わる。カンヌ、アドフェスト、ロンドン広告祭、TIAAなどを受賞。2013年に株式会社カブクを設立、代表取締役 兼 CEOに就任。3Dプリンティングによるデジタル製造プラットフォームを立ち上げる。2017年9月に東証一部上場大手メーカーからのM&Aにより連結子会社化を行う。2019年6月、同社取締役会長を退任。2019年7月、DNX Venturesに参画。AI、IoT、ハードウェア、デジタルマーケティングなどを中心とした投資業務を担当する。

そもそもSPROUND STARTUP WORKSHOPとは??

SPROUND STARTUP WORKSHOPは、B2Bスタートアップがシード期からシリーズA調達までに直面する事業のあらゆる側面の課題に対して、各分野の専門家を招いてワークショップを開催するものです!

会社の根幹を支えるカルチャー醸成講座から、PR/ HRなどより実践的な分野の講義まで、Workshopを通じたスタートアップ経営陣の知見・経験の補完を目指しています。

画像3

(SPROUND STARTUP WORKSHOP責任者であるコミュニティマネージャーの田中佑馬さん)

SPROUNDではシード期〜シリーズA調達前くらいのB2Bスタートアップをメインターゲットに据えていますが、このステージの会社は往々にして数人の創業メンバーで営業、CS、プロダクト、マーケティング、人事、と、幅広いテーマをカバーしなければなりません。そして、創業メンバーの経験だけで全ての分野をカバーすることは難しく、必ず「初めてやること」が数多く出てきます。

そのため、会社が成長する土台作りとも言える大事なタイミングにもかかわらず、「走りながら決めよう」となし崩し的に取り組んでしまうことも少なくないと感じています。

確かに会社を成長させるためのPDCAは重要ですが、車輪の再発明をするような、セオリーが確立されている分野における試行錯誤は時間的にも精神的にも負担が大きいものです。そこで、SPROUND STARTUP WORKSHOPでは、スタートアップが正解にいち早く辿り着けるように、先輩経営者や専門家による「とりあえずこれだけやっておけばOK」的な知見を伝えることに主眼を置いています。

スタートアップ期のカルチャーデザインの重要性とは?

常に時間に追われているスタートアップにとって、MVVの策定は重要だと分かっているけど、なかなか着手しづらいテーマの一つではないでしょうか?ましてやB2B領域のスタートアップは、その他の領域の企業に比べて解決したい社会課題が明確な分、MVVを後回しにしてもある程度走っていくことができると思います。

また、人数が少ない間はわざわざ定義しなくても、日々の密なコミュニケーションによって、暗黙の了解的にそれらを共有していけると思います。しかし、それと同時に日々激しく変化し続けるスタートアップは、人数や事業が拡大していくにつれ、いつの間にか共有出来ていたはずのMVVの認識に齟齬が生じてしまうことがあります。そのため、シード期だからこそ、会社の変わらない軸を定める必要があるのです。

画像5

KESIKI INC.人や社会や地球に愛される会社をデザインし、「やさしさ」がめぐる経済の実現を目指すクリエイティブ・コミュニティです。デザイン思考のアプローチを通じて企業の強さの源であるカルチャーをつくり、それを体現する体験を生み出すことで、愛される会社をデザインしています。

KEISIKI INC.代表の石川氏は、カルチャーは企業に対する社内外からの愛を育むといいます。例えば、ビジョナリーな会社として世界的に有名なパタゴニアは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」というミッションを掲げ、それに即したカルチャーを浸透させています。その結果、パタゴニアには社内外問わず多くのファンが生まれました。
その他にも、世界的企業となったアップルやグーグルは創業して間もない頃から、MVVについて考え、定めています。その変わらないカルチャーは、今や大企業となった彼らに大きな愛をもたらしてくれています。カルチャーによって育まれた愛は、企業にとってかけがえのない宝となるのです。

画像6

また、内倉氏は複数のスタートアップ創業や、PEでのハンズオン型支援の実体験を通して、身をもってカルチャーの重要性を感じてきたといいます。営業や採用、プロダクトデザインまで幅広く支援していく中で、やはりカルチャーが浸透してない企業は徐々に分離していく様子を間近で体験しました。
しかし、その一方でしっかりとカルチャーが定まり浸透した組織は、特段働きかけることもなく、急速に成長していきました。これは日頃KESIKIで様々な企業のカルチャーデザインに携わっていく中でも感じることだといいます。

カルチャーは、自分たちがチームにこう働いて欲しい、こうあって欲しいという願いのようなモノです。こちら側から仕組み化しなくても、メンバーが自然と動いていく。そして、まるで追い風のようにそれを後押ししてくれるのがカルチャーだといいます。常に時間のないスタートアップの皆さんにとっては、なかなか取り組みづらい問題だとは思いますが、5年後・10年後・20年後、そしてその先の未来を見据えた時に、一番大切なのは、変わらない一貫したカルチャーなのです。

WORKSHOPの様子

イベントの中盤からは、実際に各社毎にワークを行いながらMVVについて考えてみました。今回はその一部をご紹介させて頂きます!

画像8


あるワークのテーマは「もし10年後、自分の会社がある雑誌の表紙になるとしたら、どの雑誌に、どのように載りたいか??」というものでした!

斬新な切り口からMVVについて考えさせられる、ユニークなお題に会場も盛り上がりました!

石川氏は、MVVの議論は抽象的になりやすく、その結果日々の行動レベルまでに落とし込むことが出来ずに、いつの間にか形骸化していくケースが非常に多い、とその難しさを指摘していました。

そのため、今回はあえて雑誌という媒体を使って、いつかの自分たちの姿を具体的にイメージしていただきました。抽象的な議論で終わることなく、MVVの解像度を上げて具体的にイメージしてみようというワークショップです。

実際に参加された皆さんからはこんな感想を頂きました。

・普段なかなか取り組めないテーマについて考える良い機会になった。
・ワークショップを通じて、メンバーにとっての理想の目線を統一できた。
・非常に面白い切り口のワークショップで楽しかった。
・普段なかなか可視化されないことを、visualizeすることで直感的に理解できた。
・具体から抽象への移行をすることで、これまでより解像度を上げてMVVについて考えることが出来た。

今回のワークショップが少しでも、参加された方々のお役に立てていたら嬉しい限りです、、

それでは、ここからは当日の様子を写真と共にご紹介したいと思います!

画像9

(DNX Ventures倉林さんの挨拶からワークショップが始まりました)

画像10

(当日は直感的に操作しつつも、しっかりとデータに残したいという思いからMiroというオンラインホワイトボードを使って、ワークショップを行いました!)

画像11

(和やかな雰囲気の中でも、皆さん真剣に自社のカルチャーについて考えていました)

画像12

(お揃いのDNXマスクをつけて一枚パシャリ!)

画像13

(ワークショップの最後には、各社それぞれ理想のカルチャーを共有しあいました)

画像14

(ワークショップ後の懇親会ではSPROUND弁当が配布されました!)

最後に

さて今回は初のSPROUND STARTUP WORKSHOPでしたが、皆さんいかがでしたでしょうか?我々にとってもカルチャーについて、改めて考える良い機会になりました。

今後もSPROUNDでは、DNX Venturesはもちろん、さまざまな分野のゲストをお招きしながら、シード期のスタートアップにとって重要なテーマを取り上げたWORKSHOPを行っていきたいと思います。その様子はまたnoteでご紹介していきますので、是非また覗いてみてください!

それではまた次回!

KEISIKI INC.
WE ARE CREATIVE-MINDED DESIGN COMMUNITY WHO DESIGN LOVED COMPANIES TO BUILD KIND ECONOMY FROM JAPAN TO GLOBAL.
人や社会や地球に愛される会社をデザインし、「やさしさ」がめぐる経済の実現を目指すクリエイティブ・コミュニティです。

(文・辻 良太朗)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?