SES会社に転職したら、会社を守るために上司がわたしに罪を着せてきた件
今から数年前、わたしは一身上の都合によりSIer企業を退職し、SESの企業に転職しました。請負構造でいう二次請けの位置付けでした。
SES事業での請負契約でよくありがちなのですが、この構造において中間マージンを搾取されないように中抜き通さず直接契約に持ち込むという事案が起きました。
これは、わたしが体験したエピソードのその事例になります。
ことの顛末
わたしはSESとしてクライアントに派遣されエンジニア業務をしていました。こんなことをいうのもおかしな話ですが、偽装請負ではなく法律に乗っ取った健全な指示系統の元での業務でした。
クライアントとの関係は良好で、仕事ぶりも高く評価され、業務後にも飲みにいくほどの仲でした。
特に問題もなく日々業務をこなしていたある日、クライアント先で大きな開発プロジェクトが立ち上がりました。しかし指定された納期までに開発するにはリソースが足りませんでした。
その時、クライアントからとくきちに相談がありました。
「とくきちさんの会社にいい人材いない?」
すぐに上司に相談
SES事業は人でスケールする事業です。人を採用してどんどん送り込めば売上が立ちます。プロジェクトを達成するためだけでなく、会社の売上貢献にもなると思い、わたしはまず上司Sさんに相談をしました。
すると上司Sはこう言いました。
つまりはこういう構図。
もうこの時点で明らかにフラグたちましたね。
目先の利益に惑わさて結局失敗する典型で、こういう企みって大体うまくいかないです。
そこでわたしはいいました。
しかし上司Sは聞く耳持たずでした。そしてさらに追加注文で、その間をとくきちに取り持ってもらいたいとまで言い出しました。ニコニコマークつけてくんな。
クライアントとの橋渡し
しぶしぶ引き受けた私は、仲介となってクライアント側営業と弊社営業の橋渡しをしました。弊社のリソースもなんとか確保し、幾度かのメールでのやりとりを経て、いざ面談の約束を取り付けました。
弊社営業が意気揚々とクライアント社へ出向き、案内された部屋で担当者待ちをしていました。ところが、でてきたのは、やりとりしていた人ではなくその営業部長でした。
そして、こういいました。
キレイにフラグ回収されました。そして当然、直接契約の話は白紙となりました。
そしてなぜかぼくに濡れ衣が着せられた
後日、上司Sがぼくに意味不明なことを言いました。
「今回の件、もし元請けにバレた場合、とくきちが勝手に動いたということにしてくれないか?」
何いってんのこの人。バッチリあなたからの指令ですが。
これが、タイトルにある濡れ衣です。
要するに、今回の件がクライアント経由で元請けの耳に入ってしまう可能性があり、直接契約しようと暗躍してたことが元請けにバレてしまう可能性があると。そうすると信用問題になり、会社としての取引そのものが切られてしまう可能性があると。
そこで、社員が勝手に動いたことにすれば、会社の判断ではなく個人の判断にでき、最悪解雇すれば責務は果たせる。そう思ったそうです。
あきれて物も言えませんでした。
本当にこういうことを考えられる人間が世の中にいるんだ、とさえ思いました。
実際にはどうだったかわかりませんが、元請けに伝わることはなかったと思います。
目先の利益を求めて真摯さに欠いた行動の結果
上司のよくなかった行動をまとめると、目先の利益に目が眩み真摯さに欠いた行動の結果、周りの人間から信頼を失いプラスどころかマイナスに陥ったことでした。
そしてなにより、とくきち自身もよくなかった行動が、半分あきらめて彼らの言いなりに動いてしまったことでした。
「正直ベースで元請けに相談したほうがいいと思います」
「結果、元請け経由になると思いますが、そちらの方が将来的に信頼も得られて仕事も増えると思います」
このよう意見したことが①結果伝わらなかったこと、②伝わる努力を怠ったこと、③良いやり方がないか模索して行動することをしなかったことが僕の大きな反省だと痛感させられました。
SESを経験してとくきちが感じたこと
Twitterをみていると、駆け出しエンジニアの方が「SESに内定した」というツイートを見かけるのですが、それを見る度にぼくはこの件を思い出してしまいます。
SESにもいいところはある一方で、こうしたしがらみが発生しやすく、その一例としてこのような事件もありうることを頭の片隅にいれておいてもいいかもしれません。
いまはその会社を退職し、某Webサービスの自社開発で社員としてエンジニアしています。ちなみにこの件がきっかけで退職したわけではないです。
SESという選択肢のメリット・デメリット
SESという選択肢がご自身の目的に沿う物であればなんら問題ないと思っています。例えば以下のようなメリットはあるかと
● 様々な企業・プロジェクトに関われるので、やりたいことが見えてくる
● まずは手っ取り早く現場の経験値を積みたい
● プライベートを大事にしたいので、休みがとりやすいほうがいい
一方で、デメリットと感じたことは以下でした。自社開発の道に進もう決めた理由はこれらデメリット解消の意味合いが強かったように思います。
● 案件ガチャ。予め決められた選択肢の中でしか選べない
● 担当するサービスに対して当事者意識になりきれない
● スキルのアップデートは難しい
● SESやり続けたら、最後はどこにたどり着くのか?
最後に
決してSESを否定しているわけではありません。価値観は人それぞれでメリットもデメリットたくさんあると思っています。大事なのは、その中で自分がどうするかだと思っています。
苦しくも私は反省を残す結果となりましたが、それでも失敗を分析し次に生かすようにしました。
これをお読みの方に、たったひとつでも意味がある情報が届けられたら幸いです。
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