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ピザ(アニメ「銀の匙」)

その昔子供たちが小さかったころ、生地からピザを作ったものでした。慣れると意外と簡単で、実は手間はかかるのですけれど、デリバリーのピザよりも安上がりでしたので、たまーに登場するレシピなのでした。今では生地だけ買い、トッピングを搭載してオーブントースターで食べる分だけ焼く、食べては焼く、食べては焼くという、わんこピザで賞味しております。トマトケチャップを塗り、その上にピーマン、ウィンナーやベーコンを乗せ、チーズを乗せて焼くだけ。どんな料理も火傷にさえ気をつければ、出来立ては美味しいのです。そしてピザを極上の素材と、石窯を作って焼き上げて皆で食べるエピソードが出てくる「銀の匙」。荒川弘氏の作品は「鋼の錬金術師」のイメージなのですけれど、こちらもなかなか良かったです。

「銀の匙」はエゾノー高校に通う学生さんたちの青春群像劇。酪農、農業、獣医、動物や自然を相手にお仕事をする将来を目指す若者たちが、日々の学生生活の中で様々な経験を積みながら成長してゆくのです。主人公八軒君は進学校から逃げるかのように、目標、目的が見つからないままこの学校にやってきました。生き物はペットとしてなら愛玩されるもの、ですが畜産としての動物は、人の役に立つもの。どうして食事の前に「いただきます」と言うのか。その意味がよく分かるのです。愛らしいブタの赤ちゃんに「豚丼」と名付け、献身的にお世話をする八軒君。その姿は、命と命とが向き合うことの意味を教えてくれるのです。

私の父方の実家は養豚業を営んでいました。ですので、その大変さは少しわかります。臭いもすごいです。声も「きえええ~!」とすごいです。そして成人のブタ(!)が一頭逃げ出したときに、軽トラで追い掛け回すおじさんを見ていて、、、「ひええええ~っ」と子供心に怖かったものです。そして私の地味不細工な子供の頃のあだ名は「ブタ」でした。よけいにブタが嫌いになり、、、そんな私、今はブタさん大好きなのです。私のアイコンにも登場するくらい大好き。八軒君の豚丼エピソードは、そうそう、ブタってとても美味しいんだよ。頭もいいし、赤ちゃんの頃はかわいいし。こんなアニメ作ってくれて、ブタというあだ名のついていた自分の名誉回復に一役かいました。

自然が相手だから、、というお仕事の厳しさと潔さ。本来第一次産業としてこの国の多くの人が担っていた命を直接維持する生業。最近農作物や家畜がいきなりたくさん盗難にあってしまうのは、自然ではなく人間相手の災難で、そんなニュースを見るにつけ心が痛むのです。そしてこのアニメは、将来を生きるお子さんたちにこそ見てほしいと願うのです。



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