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マリネ(映画「最高の人生の見つけ方」)

マリネを作るのはクリスマスの時だけ。マリネの素で、スモークサーモン、オニオンスライス、レタスを和えて漬けてしばらくおく。それだけ。スモークサーモンを生ハムで作ることもあります。なのでマリネの素だけが余ってしまいます。家族から「もっとマリネ作って」というリクエストを頂いているので、今年は素を使い切るくらいまではリピートしようと考えております。てなわけで、我が家にとっての高級料理はサーモンマリネ。

映画「最高の人生の見つけ方」には、マリネではなく、高級そうな食べ物が出てくるのです。プロシュートだけは知っているのですが、高級そうなチーズや子牛の肉とか。それをばくばく食べて、、がん治療中なのに、、あちゃああ、という展開になるのです。2人の老人、かたや家族と疎遠な大富豪、かたや家族円満の自動車修理工。ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマンの競演。これはもう、もう、という感じです。お二人ともいろんな映画でみかけるスターです。モーガン・フリーマン氏は「インビクタス」が一番印象深く、製作総指揮もされているのでした。

棺桶リスト、それは死ぬまでにやっておきたいことのリストです。相部屋のお二人がこのリストをもとに、世界一周旅行に出かけます。ああ、このゴージャスな展開はアメリカだなあ、、と思いきや、後半は潔いくらい、ヒューマンドラマです。お金で出来ることと絆を作って実現する愛。お二人はどちらも叶えます。ですが、お二人とも生きているうちに叶うわけではないのです。そしてこの旅についてくる秘書の存在が、重いテーマの中とてもいい味をだしています。ターミナル期の人にどんな風に接すればいいんだろう?と悩んだ挙句、答えを出せずに怖くて不安で近づかないよりも、ただ一緒に時を過ごし、普通に接する。一緒に同じものを見て、聞いて、感じて、共有する。それが一番いいのだなと改めて、私は受け止めるのです。ただこれは他人だから出来ること。お別れを意識せざるを得ないご家族や近しい人には、お別れの時間を過ごすことは、とても辛いのでしょう。

棺桶リストというか、死ぬまでに一度でいいからやってみたかったことが私にはありまして、それは5年前に叶ってしまいました。そりゃあもう、猫が小判くわえたみたいに嬉しかったのです。ですので、今何も棺桶リストは無く、「余生」状態。残りの人生はグリコのおまけだと思っていて、いくら考えても、死ぬまでにやっておきたいことは浮かばないのです。ただこの映画を拝見していて、お二人の棺桶リストを見てみて、「見知らぬ人に親切にする」なんてのもあったりして、意外とまだやっていないことってあるのかもしれないと気づきました。人生の経験値という意味では、日々の出会いと体験をひとつ、またひとつ噛みしめて、そばにいる人たちと時間を過ごすことが大事なのだと思いました。


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