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子供とのエピソード

「ママ!僕すごいこと気づいたよ!!」

先日、子供がお昼寝の前に興奮気味に立ち上がった。こういう子供の発見は面白くて大好きだ。トマトは上から読んでも下から読んでも "トマト" だとか、お風呂上がりに靴下を履いてお布団の中で脱ぐととても気持ちいいとか。新鮮なものの見方を私にももたらしてくれる。そんないつものやりとりを想像して私が「なになに?」と聞くと、ちょっとびっくりする説明をし出した。

「"鬼" と聞くと僕は怖いと思う。でも、生まれたばかりの赤ちゃんは "鬼" と聞いてもそれはただの "お・に" という音でしかなくて怖がらない。つまり、何かが怖いと思うのは、そのことを "知っている" からで、知らないものに対して何かを感じることはないってこと。」

この説明を小学1年生がしたのだ。何かが本質的に "ある" ではなく、何かを "認識する = ある" ということだと気付いた、という説明だと思った。お前はカントか、とつっこみたくなった。

私は大人になって哲学の本を読んで、こういった新しい味方・考え方を学んでいった。だけど、子供は本などで知識として身につけるのではなく、普段の生活のちょっとした引っ掛かりの中で自然とこういう考え方を生み出していくんだなあ。。子供の感性の柔らかさには心を動かされることが多いが、この発言は特に、子供の存在の奥深さを感じさせてくれた出来事だった。

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