ひめいち 【Vol.3 梔子号】
◇ひめいちに登拝しよう
■ひめいちへの登拝
富士山通の方や世界遺産検定を勉強された方はお分かりですね。
「登拝」とは山に登って拝むということ、すなわち修業すること。
これに対して「遙拝」は遠くから眺めて拝むこと。
同じ拝むという行為ですが、中身は大きく違います。
ひめいち(姫路検定試験1級)に限りませんが、何でもやってみなければその凄みは感じることはできません。感激を味わうことは出来ません。
「あぁ、なんや難しそうやな、姫路のことは好きやし知識も増やしたいけど・・・」だけでは前には進まないのです。
ひめいちという高くて深い山を登拝してみませんか?。
もちろん、ひめいちは御神体でもスピリチュアルなものでもなく、現実の高い壁です。
厄介な山ではありますが、登る価値、修行する価値のある山です。
少なくとも遭難することはありません。たぶんですが。
ということで今回の名言です。(いつのまにこんなコーナーが!?)
敗北は最悪の失敗ではない。やろうとしなかったことが、本当の失敗である George Edward Woodberry
■勉強方法のご提案(part1)
まず申し上げたいのは、ひめいち挑戦者ともあろう方に対して勉強方法を教示するなど畏れ多いということ。
受験経験者はご自分なりに工夫されて、姫路検定試験2級まで合格されて(もしくは相応の実力をつけられて)それぞれ取り組んで来られたんですよね。学びの経験も相当に積んでおられる。
また、この通りすれば合格できるというような "ドラゴン桜" 的な勉強法はこのひめいちに関してはないことももうお分かりです。
受験勉強に関してこうしなければならないということは、一切ありません。
ただ、経験上こんな風に勉強を進めれば効率よく知識を得られる、合格に近づくのでは、という提案だけです。
バリバリの現役社会人から高等遊民?まで、学習環境、記憶力、性格、ひとりひとり違っていてあたりまえ そうさぼくらは世界で一つだけの花なのですから。ん?
勉強アイテムは種々ご用意しています。
もし、ご自分に合った方法が見つかれば幸いです。三回に分けて紹介して行きます、今回はpart1、基本編です。
(1)好きなところから始めよう
良いんです良いんです、どこからでも。
几帳面な性格の方は、「何でもはじめからやらんと気が済まへんねん」てなことで、例えば歴史を学ぼうとする場合、参考テキストのひとつ *「姫路のあゆみ」を広げて ”原始・古代の姫路” から始めようとします。
でも、歴史は好きだけど考古学となるとどうも、とかありますよね。
日本城郭検定の公式参考書「日本の城」は、縄文時代の環濠集落から学ばせようとします。
受験希望者の30%はここで早くも挫けてしまうのです。たぶん。
早く南北朝や戦国時代の城に行きたいと思っている人は、行っちゃえば良いと思いますよ。学習する順序は有って無いものと思いましょう。
「姫路城」のこと。「播磨国風土記」のこと。「赤松氏」のこと。
「歴代城主」のこと。「明治維新時の混沌とした流れ」のこと。
自分の興味あるところから始めましょうよ。
大事なのは継続です。勉強を習慣にすることです。
言い古された金言に "継続は力" というのがありますが、超のつく難関への挑戦については、"継続が全て" だと断言できます。
いくら好きなところからと言っても、最終的には全カテゴリーを満遍なく、ということになるのですが、勉強が進むと不思議にあっちもこっちもマスターしてやるみたいな欲が出てきます。
ただ、時間は限られています。"合格" の2文字を目標におく限りは、好きなカテゴリーにのめり込み過ぎないように、広範囲に満遍なく知識を得なければなりません。
姫路・播磨を知悉する。難しいですね、難しいですよ、だって修行なんですから。
その克服には、次のテーマ ”スケジュール” が大切になってきます。
(2)計画は大切
手当たり次第に勉強して合格したという方がいたとすれば、それはそれで良かったのでしょうが、その方は天才なのでしょう。そうに違いない。
そんな人のことは放っておいて、一般人のみなさん現実的に行きましょう。
まず、受験日をゴール地点にして年間計画を立てます。
複数年での合格を目指していても一年単位でスケジューリング~実際に受験することをお勧めします。経験は宝となります。
今年も試験日は12月の第2日曜、12月11日。(2022年です)
これをゴールとして逆算での計画立案をしていきます。
2ヶ月はひたすら ”知識を頭に入れる期間” になります。
ということは、10月に入ってからすぐこのシーズン。
シーズン3とします。
その前は、”知識を頭に入れるための準備期間” です。
シーズン3より少し長い期間をみておきます。
3ヶ月として7~9月がここになります。準備期間としていますが、実はここがもっとも重要な期間です。
夏を制する者、ひめいちを制すです。
ここでの内容はいろいろありますが、ひめいち倶楽部としては自分で問題をつくるということをおすすめします。具体的には次号で。
ここがシーズン2。
その前がシーズン1、基礎固めの時期ですね。
ここは経験値やベースになる知識量など個人差が大きいのですが、なによりこのシーズンは十分楽しむ期間にします。
なにしろひめいち倶楽部のコンセプトは "楽しく勉強しよう" ですから。
「播磨灘物語」「姫君の賦」「姫路城 凍って寒からず」「悪党の裔」
など姫路ゆかりの歴史小説、歴史資料を読む、文学館や歴史博物館などの施設巡り、圓教寺・広峯神社・網干町歩きなどの神社仏閣名所旧跡訪問とか。
意識した上での歩いて、観て、確かめては、想像以上に知識が大脳皮質の中に染みこんでいきます。
あと、当地ではたくさん催されている歴史講座やセミナーにも積極的に参加したいですね。
このシーズン、期間設定はありません。
というより、シーズン1はあってないような期間とも言えます。
12月に試験が終わって、翌1月からというのが実際のところ。試験が終わったときから次の挑戦が始まっています。ほぼ、年中とも言えます。
計画は年間計画だけではありません。
それぞれのシーズンの中での計画、月間計画、週間計画、その日の計画。
「計画立てるだけで終わってしまうやんか」
そんな事はありません、慣れれば案外スムーズにつくれますし、計画自体もまずはメモ書きのようなものでも構いません。
計画を立てることは、自分にシバリをかけることになるのですが、無理のないような、しかもメリハリをつけた内容でつくります。
出来もしない計画は計画ではありません。(よく言われました)
よく工事現場などで「段取りがいっちゃん大事なんやぞ」と現場監督が言いますが、それがこれ。計画、準備は大事なのです。大工程~中工程~小工程なのです。
この計画の中で、前述の満遍なく知識を得られるような組立をします。
2級までのテキスト、*「姫路のあゆみ」 や 「姫路Book」 の目次が参考になります。それらを基本に範囲を広げながら知識を得ていきます。
ただ、計画通りに進むということは、ほぼありません。思った通りに行かないのがこの世の常。
生きている以上、いろんなしがらみはついてくるのです。
でも、できるだけ計画に沿って勉強を進めます。遅れたらどこかで取り戻します。取り戻すように努めます。
脳神経科学分野の大学教授は言います。
「脳は良い習慣を止める理由を常に探している」と。
自分に負けるなとは、このことですね。負けないようにしましょう。
継続がすべて、ひめいち挑戦は修行なんですから。
勉強一色の計画というのももちろんダメです、人間、リフレッシュタイムというのは不可欠ですし、これらは逆に効率UPにもつながります。
あと、計画の前倒し。思った以上に勉強が進んだので、どんどん前に進みましょうと言うことなのですが、これには注意が必要です。
前倒しが癖になってはいけません、地力をつけるためには急ぐことが普通になってはだめなのです。計画した時間が余ればその分、広く深く学ぶことをお勧めします。
それから、ひとはよくモチベーションを維持するように常に努めましょうなどと、他人事のように言います。確かに他人事なんですが。
でも、モチベーションの呪縛に捕らわれていてはいけません、一年間、もしくは数年間もモチベを持ち続けるというのは不可能です。
学ぶことを習慣に取り込むこと。これしか術はありません。
(3)PDCA をここでも
社会人の多くがこれ、やってますね。Plan・Do・Check・Action 計画を立てて、実行し、それを評価し、見直すべきところがあれば改善する。
計画~実行の後は、常にチェックが必要です。全体の流れの中で自分が今どこにいるかが分かるように。
それには、月間・週間計画に実績欄を作って書き込んでいくのが効果的です。
例えば、予定通り進めば "○"、少し足らないなと思ったら "△"、「今日はできんひんかった~」は "×"、思った以上に進めば "◎"。それぞれに点数をつけて月間合計などで目標点数/実績点数で管理していけば、知らず知らずに実力がついてくるはずです。たぶん・・・じゃなくて絶対!。
PDCAを詳しく知る必要はないと思いますが、勉強を軌道に乗せ、効率よく進めるには有効かと思います。
次回からはより具体的な勉強方法を提案します。
■MYひめいち物語(その三 ひめいち初陣の巻)
2016年、第13回姫路検定試験。
この回から、名称が「姫路観光文化検定試験」から「姫路検定試験」に変わりました。内容は大きく変わっていないようですが、企業問題(下で出てくる "JUSCO" と、名産のスポーツ用品の問い)の登場がその現れでしょうか。
で、たいていの受験者がそうであるように、受験直前は自信に満ちていましたね。いわゆる根拠のない自信というやつです。
10年ぶりの姫路検定試験なので学び直しになります。3級・2級の公式テキスト/参考テキストが発刊されているというので入手。勉強を始めたのは夏頃だったと思います。
"姫路BOOK" は前の "姫路観光文化字典" からリファインされ、範囲も広く読みやすくなったという印象でした。まさに10年ひと昔。
"姫路のあゆみ" はそれ以上に感激の一冊でした。
内容は深くはありませんが、広い範囲が網羅され、これを起点に学んでいくには最良の資料と思ったものです。こういうのを「待ってました!」と言うのでしょうね。
まあまあ勉強はしてきたし、3級、2級は10年前とはいえ一発合格だったし、というのがその根拠のない自信の源。ものすっごく甘いですね。
少々気になったのが、小論文。でもこれは、仕事で報告書とか稟議書とか、始末書とかでわりと慣れている方なので、知っていることが出題されればなんとかなるかなと。筆記試験ということで、漢字練習も一通りはしました。
(※小論文は8月あたりに特集をと企んでおります)
ただ、負け惜しみを言うのですが、惨敗、撃沈というほどの負けっぷりではなかったんですね。一般試験によくある60点合格であれば自信満々。
2級、3級の合格ライン、70点であれば、あわよくば。
そうか、合格は80点だったか!
ここからは、お待ちかね?、第13回1級試験の過去問です。
ポッペン。ガラス細工の玩具でビードロのことというのは知ってました。
あの浮世絵もどこかで・・・。たしか、ウタマロ。名字は何やったかな、ウタガワやったかな、もしかしてウタガワキタマロ?、けど漢字が解らない。
考えれば考えるほど正解から離れていきます。
えーい!「歌川喜多麿」にしとこ。
タイトルは自信あるぞ。「ビードロを吹く女」!
正解は「歌川喜多麿」、「ビードロを吹く女」
「喜多川歌麿」、「ビードロを吹く娘」
またまた言い訳かも知れませんが、"自信あるぞ" の根拠は、姫路観光文化字典の116ページに
【歌麿の浮世絵「ビードロを吹く女」で知られる】って書いてあるんです。
2015年(初版)
Wikipedia をみると、「ポッピンを吹く女」とも。どうやら正式な名前はないらしいので、半分の点くらいはもらえているのかなと、自分で納得。
えっ!え~と、ん~・・・状態になりました。
村の名前はなんとなく分かるけど、シデの色はわからない、てか、あの色って決まってたの?。
正解:①東山(桃)②木場(緑)③松原(赤)④八家(赤/黄)⑤妻鹿(赤)⑥宇佐崎(黄)⑦中村(青)
今だったら宮入順にでも、屋台の家紋でも答えられるのに。
Don't sleep through life !!
「ぼ~っと(祭りを)観てんじゃね~よ!」チコちゃんの声が聞こえてきます。
JUSCO か JASCO どっちかだぞ。
何の略か? JApan Store Company うん、これに違いない JASCO だ!
正解:JASCO
JUSCO 、Japan United Stores Company(←カナでも良い)
正解者は、JUSCO社員の方々だったに違いない。
全く手も足も出なかった問題は
などがありました。
正解は【1の③】熊本城 221万9517人
【24の③】静岡県 見附
(東海道53次の宿場の一つに見附(みつけ)宿があります)
松平不昧(治郷)は、酒井忠以のおともだち&茶道の師匠ということで一応チェックはしていたのですが、東海道中お茶会スポットが出題されるとは、マサカや~!・・・でした。
ということで、この回の自己採点は73点(残念)。
受験のフィードバックがなく配点も非公表なので、点数は自分で予想するしかありません。ただ、合格ラインに届いていないことだけは、なぜか?自信がありました。
で、この回の合格者は1名。あっぱれ!
いろいろ反省点も多く、次回への希望を持たせる初陣ではありました。(再度の負け惜しみ)
しかしこの後、ひめいちは年を追うごとに難しくなっていくのです。ほぇ~
(次回に続きます)
■演習問題
□次回予告
・勉強方法の提案(part 2)実践編 持続可能な勉強方法
・演習問題
絶賛?連載中の・MYひめいち物語は(その4 も、もどかしいの巻)
というようなラインナップで予定しています。
今回も長々のご滞在、ありがとうございました!
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