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情シスに必要なスキル  段取り編

こんにちは。
スプリングコンサルティングの植本と申します。
本業ではカスタマーサクセスマネージャとして日々業務に取り組んでいます。副業にて、IT企業の新規事業支援、事業会社の情シス支援などをおこなっています。

本日は、情シスに求められる「段取り」に関してです。

例えば、「経営陣から新設子会社を設立するため、半年以内でシステムを準備してください!」と丸投げされたとします。

段取り」と書きましたが、「無茶ぶり」にどう対応するのか。。
自分なりに整理したものを書いてみたいと思います。

「ゴールを明確にするところからスタート」

子会社設立に伴う新規プロジェクトをスタートするには、
まずは、ゴールを明確にする必要があるかと思います。
自分たちがどこに向かうのか、はっきりしていなければ、計画を立てることすら難しいと思います。

ゴールを定めたうえで、そのゴールに向かうために段取りをしていきます。

インフラ、アプリケーションの一覧化

つぎに、新会社で必要と思われるインフラ、アプリケーションを一覧化していきましょう。一覧化することで、抜け漏れ、考慮不足がないのか、ステークホルダーやプロジェクトメンバーと確認しやすくなります。

例えば、子会社オフィスが、本社と同じビルであれば、既存のネットワークの延長戦上で対応が可能です。しかしながら、新規に入居するビルの場合には、敷設できるインターネット回線を確認したり、フロア数、座席数などを確認しつつ、ネットワーク設計が必要となるでしょう。

一覧化した上でWBSの作成をスタート

半年以内という制約を意識しながら、大項目を中心にWBSの作成をスタートしていきます。
どんな業態の子会社でも、基本的にはバックオフィス系のアプリケーションは必要になるかと思います。
一例として、少し深堀りしながらWBSのタスクをイメージしていきます。

時間的な制約もあるため、バックオフィス系のシステムは、本社にて運用している既存システムを中心に検討するのがよいと考えます。既存システムに対し、子会社分の追加セットアップするイメージです。
既存ベンダーへの見積もり、概算スケジュールを依頼しつつ、予算感、スケジュール感を確認します。

具体的なセットアップを行う前には、新会社の組織図、異動予定のメンバー、などのマスタに関する情報も必要となるでしょう。また、就業規則や給与体系などは原則、本社と同じ考え方とするのか否かなど、人事マネージャーに確認が必要でしょう。

会計関連でいえば、勘定科目体系や新会社で取引が発生すると思われる仕入先、取引先に関するマスタ情報など、想定が可能なマスタデータは準備していきましょう。
コード体系などは本社と同じ考え方を取り入れながら、必要最低限の検討時間でマスタ設定を行えるよう進めていくのがよいでしょう。

新しいビジネスに取り組む場合、システム企画書をまとめましょう

例えば、アパレル企業が、新たに飲食ビジネスであるカフェ業態にチャレンジするような場合には、同じBtoCビジネスではありますが、求められる要件は異なります。

既存システムの改修や、追加セットアップでは対応しきれないため、業務上必要な要件を深堀りした上で、システム選定が必要となります。

一例として、POSレジを題材としてみます。

アパレルの場合には、各アイテムのカラー・サイズでの売上、在庫管理が求められます。また、セール時の売価変更、返品、取り置きなどの考慮も必要になってきます。

一方、カフェの場合には、各ドリンク、フード、およびセットメニューのお会計が中心となるでしょう。また、少額決済が中心ですので、電子マネー、スマホ決済も必要でしょう。

レジ機能にプラスして、テイクアウトの対応や、お客様の注文を処理するハンディオーダー、厨房内でのキッチンディスプレイなどの考慮が必要でしょう。
上記のような新しい業態への進出時には、システム企画書を取りまとる必要があると考えます。

補足:
社内でシステム企画書を取りまとめていない状況で、ベンダーに声をかけ、製品デモを見てしまうとセールストークに引きずられてしまいます。
そうならないように、自社で最低限必要と考える機能は、事前にまとめておいたほうがよいでしょう。

システム企画書の章立ては?

一般的には、以下のような章立てになると想定します。必要に応じて取捨選択しながら、取りまとめていきましょう。

  • システム導入の目的、及び期待効果

  • 要求機能一覧

  • システム関連図

  • プロジェクト体制図&想定スケジュール

  • コスト

半年以内という制約もあるため、POSサービスを提供しているSaaSベンダーから、比較検討することになるかと思います。
新設子会社の事業計画や、必須となる要件を確認・整理した上で、
SaaSベンダーへの情報提供を依頼するのがよいかと考えます。

また、現場部門のリーダーと一緒に、現場での利用シーンを想定しながら、詳細検討していきましょう。

経営陣への説明、承認を得ましょう!

経営陣は、現在の自社のビジネス状況や、今後の経済状況などを見定めながら新設子会社の事業計画を詰めていますので、事業部門のマネージャ、情シスマネージャーとは目線が異なります。

取りまとめた「インフラ、アプリケーション一覧」、「システム企画書」を説明しながら、担当役員に確認、承認してもらい、プロジェクトをスタートさせましょう!

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