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21歳から見る”カネコアヤノとKid Fresino”

 カネコアヤノさんとKid Fresinoさん(以下敬称略)について書きたい。筆者は、Kid Fresinoが必死になって聴くようになった初めて音楽だ。初めてライブに行ったのもKid Fresino。個人的にカネコアヤノを初めて知ったのは、「森、道、市場」(kid fresinoも出ている野外ライブフェス)をYouTubeで調べていた時だ。カネコアヤノの演奏しているサムネイルを見て、目が綺麗な人だなぁと思って再生したのが最初。1年くらい前。それから、新曲やインタビューをチェックするようになった。普段ラップしか聞かないが、去年私のApple MUSICで2番目に再生時間の長いアーティストだった。

カネコアヤノのインタビューを読んだ時、Kid Fresinoにすごく似ているなぁと思った。そして、カネコはそのインタビューの最後で折坂悠太さんについても話していた。「同世代で言うと、折坂悠太くんとか、そういう人が同じ時代にいてくれてよかったなって思う」と。折坂悠太は、2019年4月27日にkid fresinoとツーマンライブをしている。筆者の頭の中で、「カネコアヤノ ー折坂悠太ーKid Fresino」と勝手に繋げてしまい、「類は友を呼ぶんだなぁ」と勝手に納得していた。そこで、今回はカネコアヤノとKid Fresinoが似ていると感じた感覚を頑張って言語化したいと思う。筆者なりの二人の共通点を3つにまとめてみた。そして最後に、新曲”KID FRESINO - Cats & Dogs feat. カネコアヤノ”についての愛を垂れ流したい。

①中学・高校時代にライブハウスとクラブに通っていた

kid fresino:

俺、中学生の頃から自分で作ったビート集を店に置いてもらったり、そのCD-Rを渡そうと、池袋のクラブ、BedでやってたRefugee Market(ヒップホップ・クルー、DOWN NORTH CAMPが主宰)のデイイベントに足繁く通うなかで、観たもの、聴いたもの、出会った人が全てというか、ラップも知らず知らずのうちにやり方を覚えていたんでしょうね。
中2のときに初めてRefugee Marketに行ったんですけど、そのときに話しかけたいと思った人に話しかけてて。
——そんなとき、どんな反応だったんですか? とんでもなく若いから、可愛がられたんじゃないですか?
いや、そうゆうのが無かったから良かったんですよね。中2の俺とか相当ガキだと思うんですけど、そんなに特別な感じじゃなかったっすね。

また、カネコはPOPEYE今月号で「(高校生の時は)帰ってすぐ東京のライブハウスに行ってました。下北沢とか。実家から東京まで2時間かかるけど、多い時は週2の勢いで出かけていました。」「高校生なんてこじらせ真っ最中だから、自分もここにいる人たちも、みんな正しいじゃん!みたいな救われ方をしましたね。」と話している。

中学生や高校生で東京のクラブやライブハウスに1人で行って、そこで人と関わっていたというのは2人の共通点だ。2人とも地元が都内ではなかったので、地元のコミュニティとは別に、クラブライブハウスで音楽のコミュニティを形成していたのかなぁと思う。

②2人とも最初から表に出るつもりではなかった

kid fresinoはインタビューで「俺は日のあたる方の人間じゃないからって言ったら、友達にお前は日のあたる方の人間だよと言われた」と答えていた。また、音楽エンジニアになるためにニューヨーク留学を試みるなど、初めからスポットライトに当たり歌うような、キラキラした世界を求めていたようには感じない。

カネコアヤノ :

私は音楽をやっていたけど、人前に出てやったこともなければ、人に聴かせたこともなくて。でもその友人から「お前も音楽やってんなら聴かせろよ」って言われて、断れなかったので聴かせたら「最高じゃん! おれがこれ作りたかったよ」みたいな反応をしてくれたんです。そのときに「俺の父ちゃんが伊豆のスタジオでエンジニアしてるから聴かせるわ!」って泰さんに聴いてもらったら「最高やん! 伊豆で録音するぞ!」と。

のちにカネコは。「あの大学に行っていなかったら音楽はやっていなかった」と話している。初めからスポットライトの当たる世界を目指していた訳ではないという点は二人の共通点だと思う。

③街の描写

お二人とも街の描写がもの凄く上手いなぁと思う。街や景色の描写を通して、自分の心情を描いていると筆者は感じる。描いていること自体は違うが、どこか似ているなと感じる二人のフレーズを挙げたい。

カネコアヤノ ”燦々”

「出窓から見える向かいの 家のこどもがひとり バスケの練習をしてる しっかりとした気持ちでいたい」

C.O.S.A.×KID FRESINO ”Love”

「今夜俺は歩いて帰れるだけの酒を飲み そして潰れたfrendsを跨いで振り返る 片側だけライトが灯るクラブの 朝方のノリを 遠くから眺める」

勝手に、何かモノの捉え方が2人は似ているなぁと感じる。「違う景色を描写しているけど、同じ目で見ている」ような感覚を抱く。

以上、筆者が勝手に感じる2人の共通点でした!


2人の ”KID FRESINO - Cats & Dogs feat. カネコアヤノ” が発表されて嬉しい!また、kid fresinoは「リリックに関係するアーティストの楽曲名を入れる」のが好きなんだと思う。例えば、この”Cats & Dogs”でも「残されたセゾン」とリリックにある。これはカネコアヤノ の”セゾン”(最新アルバムに収録されている曲名)から取っているのではないだろうか。

また、Kid FresinoのSoundCloudにある”city girl rmx”では「天竺」というワードを最後に持ってきている。この曲は、TOKYO HEALTH CLUBのCITYGIRLという曲(pvがおもしろい!)のビートを使っている。だから、TOKYO HEALTH CLUBの”天竺”という別の楽曲名から持ってきているのではないだろうか。また、”閉める気も無いシートベルト”というフレーズは、TOKYO HEALTH CLUBのTAXIという曲で同じ言い回しが出てくる。歌詞を見たり、アーティスト同士の良い関係が見えるのは楽しい。 https://soundcloud.com/discover/sets/personalized-tracks:296861091:274905265

Seihoのビートでラップする”Cherry pie for ai qing”では「今夜Danceには間に合う」とある。思い出野郎Aチームの”ダンスに間に合う”からインスパイアされているのではないだろうか。(関係なかったらすみません!)ナイキとのタイアップの”720”ではSeihoのビートでラップし、曲の最後に「これは夜学」と歌っている。これは、折坂悠太の”夜学”から取っているのではないだろうか。

筆者は、この3月までイタリアに留学していた。しかし、突然学校が閉まり、外出制限になってしまった。異国の地で、外に出れず、夜ベットの上1人でカネコアヤノのアルバム燦々をずっと聴いていた。救ってくれたとかいうよりも、ただ寄り添ってくれただけで嬉しかった。気づいたらアルバムの途中で寝てることがほとんど。次の日の朝はなぜか愉快。

私はリスナーだから、楽曲やアーティスト同士のつながりを想像するのが楽しい。だけれど、アーティストの方々が好きにやってくれるのが1番嬉しい。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!!

                   髙木理弘 21歳

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