面白い英単語:数詞の接頭辞
画像生成AIに魅せられて、新しい知識を学習することに忙しい毎日です。
今まで関心を持たなかった知の領域である「外見」の世界の探求です。
服装の名前、髪形、帽子一つにしても、身に着けるすべてのアイテムに名前があり、種類があり、分類があり、歴史がある。
写真画像を生成させるにも、アナログカメラの種類を設定すると、生成されるデジタル画像には、それぞれにアナログカメラの独特な深い味わいがにじみ出てくるのです。
それらの新しい言葉に触れることが楽しい。
これまで自分が全く関心を寄せなかったファッションの歴史の本(英語)を入手して眺めていると、不思議な言葉に出会いました。
古代ギリシアや古代中国から21世紀の2019年まで、古今東西のありとあらゆる種類の人類の服装を美学的に論じた専門書。膨大な知識量に圧倒されます。
20世紀のある項目で面白い言葉に出会いました。
という言葉です。日本語のカタカナでモノキニとしても知られているそうですが、わたしが初めて出会った言葉でした。
日本語で「つなぎ水着」と訳されているそうですが、この言葉の由来が非常に興味深かったので、こうして取り上げた次第です。
ビキニという言葉
まずビキニという水着がありますよね。
胸と腰を覆う二つの布の面積があまりに少なく、肌の露出がそれまでの水着と比べると比較にならないほどに視覚的にあまりに刺激的すぎたので、米ソ冷戦真っ最中の1946年6月にビキニ環礁で行われたおぞましき水爆実験の威力に擬えられて(現地語では Pikinni ピキニ)小さな女性用の水着は「ビキニ」と命名されたのだとか。
ビキニという水着は1947年にフランスで考案されて、1948年に商品化されたのだとか。
あまりに不謹慎な名称に憤りさえ感じずにはいられませんが、語源はもはや忘れ去られて半世紀以上たったいまでは、ビキニは水着の一名称でしかありません。ビキニが地名だとはもはや誰も覚えていないのでは。
やがて、Bikiniという本来固有名詞だった単語は、最初の音節の「Bi」をギリシア数詞のBi(バイ)だと無理やり解釈して、1964年にはMonokino、1967年にはTrikiniなるものさえ考案されたのだとか。
MonokiniまたはUnikini(UniもMonoと同じ意味)は体を覆う布部分が一つだけというトップレスの水着として登場して大変な物議を醸したそうです。
当初は下半身のパンツの部分から伸びたホールター(Halter)という紐が上半身の首にかかっているだけという代物でした。ウィキペディアではどういうものか、見ることができます。
今日まで続く女性のトップレス解放運動の先駆けとして、女性権利拡大の抗議的な意味合いから生み出されたらしいのですが、やはり公序良俗に違反するとして、布の部分が伸びて胸を覆う形の新しいタイプの紐付き水着として現在では一般化しているのだそうです。
TrikiniもMonokini同様に斬新なデザインの水着の代名詞なようです。布のつなぎ方が独特ですね
水着進化のネーミングの歴史は何とも荒唐無稽!
せっかくですので、生成AIによるビキニ女性をどうぞ。
この娘にビキニを着せて全身化させてみました。
生成AIで美麗な画像を作り出すことはそれほど難易度は高くはありませんが、今後はいかにして動画を作り出すかでAI画像生成の真価が問われるようになることでしょう。
動画作成はなかなか思うように作ることができなくて、試行錯誤中ですが、つい先ほど、Stability AI社は「Stability Video AI」を完成させて、研究者に実験的に使用させることを始めました。いずれはすべてのAI愛好家に門戸が開かれることでしょうが、やはり画像生成に特化したStableDiffusionではビデオは難しい。
英語本来の数詞
英語には、数を意味する接頭辞で作られた言葉がたくさんありますよね。
数字を表すギリシア語が英語に取り入れられている言葉です。
分かりやすいのは、一輪車に自転車に三輪車に四輪車。
数字の1を意味するMonoを持つ言葉には:
数字の2を意味するBiを持つ言葉には:
数字の3を意味するTriには:
数字の4を意味するQuadrは:
Quartet(四人組)も関連語ですが、いつの時代に英語化したかで綴りが若干異なってくるのです。単なる4ではなく、4つ(英語の4th)にあたるラテン語のquattuorからQuartetは生まれたそうです。
百万の倍数は?
数字を作る接頭語の面白い例の究極はこれです。
Millionは1,000,000(百万)という意味。
数字の位取りが異なる英語と日本語では数え方が何ともややこしいのですが、欧米式では数字の桁は三つずつ区切られます。
最初の数字4桁(1,000)で千です。
その上の位は、ラテン語ではなく、ラテン語の後継のイタリア語 Mille=1,000に「大きい」を意味する接尾語(-ion) がついて、1000の千倍は
と呼ばれるようになったのでした。
でもMillion(百万)の1000倍は、なぜかBillion(10億、1,000,000,000)。
Bi+MillionがBillion。
Biは二倍の意味。Millionの二乗だから。
この単語、日常語なのに発音が「バイ」ではなかったので、いままで気が付きませんでした。
同じ理屈で、
Tri+BillionでTrillion(一兆、1,000,000,000,000)。
Millionの三乗。
国家予算で一兆ドルなんていうときにトリリオンダラーという言葉がメディアでも聞かれます。
ものすごい額ですが、「トリリオンゲーム」という漫画でこの言葉はおなじみです。
テレビドラマにもなったようで、アニメ化も発表されました。ドラマは未聴ですが、原作はとても面白いシナリオ展開でお勧め作品です。
そしてQuadrillion!
Quadr+MillionはMillionの四乗。ちなみに英語でべき乗は
と言います
1000兆なんて大きな数を我々が日常的に扱うことは皆無ですが、論理的に知っておくといいかもしれません。
接頭数詞の続きは次のミームに綺麗にまとめられています。
このような巨大な数字はコンピュータのデータとしてならば出会うかもしれません。データにはMillionは使用されずにおなじみのキロが採用されています。
1キロバイト=1 Kilobyte で1,000
1メガバイト=1 Megabyte で1,000,000
1ギガバイトで1 Gigabyte で1,000,000,000
1テラバイトで1 Terabyte で1,000,000,000,000
などは知っておくとよさそうですね。
この記事が参加している募集
ほんの小さなサポートでも、とても嬉しいです。わたしにとって遠い異国からの励ましほどに嬉しいものはないのですから。