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アンチ・ドーピングの啓発活動 ~全日本小学生中学生アーチェリー大会の例~

こんにちは、スポーツファーマシストサポートサービスです。
今回はスポーツ大会現場でのアンチドーピング啓発活動を紹介します。
7月16日~17日に全日本小学生中学生アーチェリー大会で実施した例がございますので、実例を交えてお話していきます。

アウトリーチについて

“大会やイベントでのアンチ・ドーピング啓発活動”をアウトリーチと呼んでいます。アンチ・ドーピングは、ともすればトップアスリートだけが気を付けるものと思われがちなところがあります。しかし、何も知らないままでトップレベルの仲間入りをしたり、ドーピング検査の対象になったりしてしまうと困ってしまいますよね。そのため、少しずつアンチ・ドーピングのことを知ってもらうための活動をしています。
また、「アンチ・ドーピング」は、「ドーピングに反対し、ドーピングをなくしていくことで、スポーツの価値を守り、次の世代(未来)につなげていくための活動」です。そのため、アンチ・ドーピングの下地となるドーピングの無いクリーンなスポーツや、スポーツの価値・良さは何だろうと一緒に考える場としてもアウトリーチを展開しています。そのため、研修会のようにしっかり知識を勉強するというよりは、アンチ・ドーピングがどのようなものかをひとまず知ってもらうことに主眼を置いた活動になります。
そして、参加選手やサポートスタッフ(指導者、保護者など)だけでなく、一般の観客の人にも参加してもらっています。これは、一般の人にもアンチ・ドーピングの考えを知ってもらうことで、ドーピングはダメなんだという考えが広く浸透していくことも大切な目的になっているからです。

それでは、具体的にどのような感じか、小学生中学生アーチェリー大会での実例を紹介していきます。

小中学生大会でのアウトリーチの目的

今大会では、これから競技を続けていく小中学生がメインになるので、クリーンスポーツやスポーツの価値について考えるきっかけにしてもらうことを第一の目的にして、その中でアンチ・ドーピングのことに触れてもらうような形にしました。

アウトリーチブース

今大会では、会場右側にブースを設置しました。テントの中に机イス、モニター、旗、ポスターなどを設置して、様々な形でクリーンスポーツ、アンチ・ドーピングの情報をお届けしました。

今回のアウトリーチブースは競技場のすぐ横。
的が並んでいる様子を見ることができました。

映像上映

ブース内でアンチ・ドーピング、クリーンスポーツに関する映像を上映しました。ブースから会場に向かう形でモニターを設置してお届けしました。
ここでは、日本のトップアスリートのクリーンスポーツに対する思いを聞けるインタビューや、可愛いキャラクターが様々なスポーツの場面について考えるアニメーションを上映しました。立ち寄っていただいた方のトップアスリートの声に耳を傾ける姿や、スポーツについて真剣に考える姿がうかがえたコーナーになりました。
今大会で流したムービーはJADA(日本アンチ・ドーピング機構)が作成したものです。これらのムービーはJADAの公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/user/JADAMovie/featured)からも視聴可能です。

アンチ・ドーピングクイズ

ブースに来場してくれた方にアンチ・ドーピングに関するクイズにチャレンジしてもらいました。今大会では小中学生の選手向けのクイズと成人向けのクイズの2種類を用意しました。
アンチ・ドーピングのことを全く知らない人にとっても取り組みやすいクイズになっていますし、“まずはこれだけ知っておけばOK”という内容が盛り込まれています。過去に何度かクイズを解いたことがあるよという人にとっても知識の復習の機会になりますし、意外(?)と間違えてしまっている場合もありましたので、ぜひ繰り返しトライしてみてもらえればと思います。

トークショーを開催しました

今回は初めての試みとして、試合会場でトップアスリートによるトークショーを企画しました。今大会には、ナショナルチームメンバーである桑江良斗選手にアウトリーチ活動にご協力いただきました!その桑江選手からトップアスリートとしての考え・姿勢やアーチェリー・スポーツに対する思いを聞きながら参加者の皆さんと思いを共有しました。1日目の競技終了後の開催で、あいにくの雨模様でしたが多くの方にご参加いただき、トップアスリートと交流できる貴重な場となりました。トークショーの様子は全日本アーチェリー連盟のインスタグラムに載っています。

実は、この企画の裏にはアーチェリー特有のちょっとした事情があります。
アウトリーチブースは競技の合間に立ち寄ってもらうのが基本なのですが、アーチェリーの場合は基本的に全選手が同時に競技を行い、同時に競技を終了します。つまり、アウトリーチへの来場も競技終了後に固まることになります。クイズ対応だと一度に来る来場者を捌くことが優先されてしまい内容が疎かになりがちであった。そこで、来場者が重なるならいっそ来場者を集めてイベントを開催してみよう!!と考えたわけです。

桑江選手にとってもこのようなトークショーは初めてだったそうですが、終始和やかにトークを展開していただきました。トップアスリートが自己発信する場を作る意味でも、このような形は“アリ”だなと思っています。

SNS発信

全日本アーチェリー連盟では、FacebookとInstagramで情報発信を行っており、今回のアウトリーチについても発信されています。発信された写真の中で「フィルターポーズ」というポーズで写っているものがあります。

フィルターポーズ。東京オリンピック銅メダリストの武藤弘樹選手と
フィルターポーズ。2日目に来場してくださった東京オリンピック銅メダリストの武藤弘樹選手(右)と一緒に

「フィルターポーズ」とは、スポーツや人生を通じて自分自身が大切にしている思いを映すポーズで、両手の親指と人差し指でカメラのフィルターを作っています。フィルターポーズは、「スポーツ・フォー・トゥモロー(Sports For Tomorrow)」という、東京オリンピック・パラリンピックに向けた日本のスポーツ国際貢献事業で始まったものですが、オリンピック・パラリンピック終了後もレガシー事業として受け継がれています(詳細はこちらをご覧ください)。

まとめ:アウトリーチの形は工夫次第!!

今回は一例としてアーチェリー大会でのアウトリーチをご紹介しました。
アウトリーチの形は「何を伝えたいか」と競技(試合)の特性に応じて何とでも工夫ができます。自由度高く設計できるのが主催する側としての面白みかもしれません。

アウトリーチが中々上手くいかない、良いやり方が出てこない、といったお困りの方は、こちらでアドバイス・サポート可能でございます。
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