初めての無観客ライブを終えた感想
いつもSPORTS MENを応援してくださっている皆様、本当にありがとうございます。
歌とギター担当の豊田真之です。
この度、SPORTS MENのnoteを開設いたしました。
この「豊田日記」では、あまりテーマを限定せずに、バンドのことをはじめとして色々と自由に書いていこうと思っています。
Photo by コムラマイ
さっそくですが、今回は5月29日に行われたvelvet sunでの配信ライブのレビューを書いてみようと思います。
あの配信ライブは、終わったあと自分の中に何か特別な手応えが残りました。
不思議な感覚、と言った方が的確かもしれません。
無観客の配信ライブはスポメン(SPORTS MENの略)にとって初めての機会でした。
さらに、日程が吉祥寺曼荼羅でのワンマンの直後だったこともあり、単純にいつものライブを配信に乗せるのではなく、何か特別なアプローチの企画にしたいと考え、
「コンデンサーマイクを多用して、アルバム『耳をすまして』の曲順通りに演奏することで、レコーディングを再現する」
というコンセプトで臨むことにしました。
実際、主にレコーディングで多用されるコンデンサーマイクは、音を繊細に拾いすぎてハウリングを起こしたりするため、ライブではもっぱらダイナミックマイク(こういうやつです🎤)が使われます。
それが、無観客のライブであれば、現場で音をアンプリファーする必要がないので、今回はコンデンサーマイクを使って普段のライブよりも解像度の高い音で自分たちの演奏を聴いてもらうことができるのではないかと考えたわけです。
(実際には現場でエンジニアさんと色々と調整をする中で、中村くんのマイクをダイナミックに変えるなどしました。)
ライブ活動をしているバンドマンや音楽家たちは、無観客ライブというものに対して、様々な思いを抱いていると思います。
好きなアーティストの配信ライブを見ていて意外なほど胸が熱くなるのは、その背後にある悔しさが音に滲み出ていることと、演奏者と視聴者の双方が同じ状況に置かれているという特殊な前提条件に拠るところも大きい気がします。
ただ、今回のSPORTS MENに関して言えば、自分たちで勝手に企画したそのコンセプトに、シンプルにワクワクしながら本番を迎えました。
ハイライトはなんといってもゲストとしてお迎えしたバストリオの橋本和加子さんとのセッションでした。
実は、『耳をすまして』の歌詞カードには、ちょうど収録曲の折り返し地点である4曲目と5曲目の間に、「耳をすますことについて」という詩のようなものが記載されています。
今回はそれを、僕らの即興演奏に乗せて、橋本さんに朗読していただきました。
考えてみるとバンドにとって初めての試みでしたが、ものすごく自然に反応し合うことができ、とにかく楽しかったというのが正直な感想です。
そこには、バストリオの公演でご一緒した沢山の時間が、磐石な下地としてあったように思います。
セッションを始める前に橋本さんがお話ししてくださった、僕らがアルバム制作を始めた頃のエピソードや、「こんなに愛されるアルバムはない」というお言葉も、本当に嬉しく、ありがたいものでした。
このダイジェスト映像で、セッションの一部をご覧いただけます↓
初めての無観客の配信ライブでしたが、僕が普段のライブと一番大きく違うと感じたのは、終演後の時間でした。
終わった後にお客さんと会話をしたり、直に反応を頂いたりすることが一切できないというのは初めてで、なかなか特殊な心持ちになりました。
気持ちが昂ったまま、とりあえず、楽器や機材を抱えて帰路につく…
ただ、観てくださっていた知り合いの方が何人か、思いがけない嬉しい感想をメッセージしてくれたこともあって、てくてく歩くうちに自分たちの胸中に、
「今日は、よかった。上手くいった」
という素直な手応えのようなものが、じわじわと芽生えていったのです。
そんな中、ちょっと公園で立ち止まって、中村くんのiPhoneで少しだけアーカイブを見始めたら、そのままの体勢で1時間、がっつり最後まで観てしまいました。
中村くん、腕つらかったよね(笑)
見せてくれてありがとう。
これからもスポメンでは、配信であっても生であっても、それぞれのフォーマットで自分たちにできることを常に探りながら、アイデアと心意気を持って向き合っていきたいと思っています。
ライブの機会は相変わらず少ないままですが、また皆様のお目にかかれる日を楽しみにいたしております。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
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